<サクラサク>なら合格で、<サクラチル>なら残念ながら不合格。大学受験の合否電報の文面が懐かしいという世代もあるだろう。ネットもない時代。地方にいる受験生が掲示板を確認した学生から電報で合否を伝えてもらう仕組みである。一九八〇年前半にはまだ注文もかなりあった▼電報なのでなるべく字数を減らしたいが、合否が明確に伝わらなければ、意味がない。<サクラサク><サクラチル>は昭和三十年代の早稲田大学の学生の電報文と聞くが、短くて、気が利いている上にはっきりと合否が分かる▼こんな電報が届いたとしたら「合否」はよく分からぬ。<ダイトウリョウガツミヲオカシタトケツロンヅケナイガ メンセキモシナイ>-。米大統領選でロシアがトランプ陣営に肩入れしたロシア疑惑の捜査報告書である▼トランプ陣営がロシア側と共謀した証拠は見つからなかったとしたが、トランプ大統領の司法妨害疑惑については「大統領が罪を犯したとは結論づけないが、免責もしない」とわざわざ明記している。まだ疑念は残るというところか▼司法妨害についての判断を見送っているに他ならぬが、大統領にはこれが明確な<サクラサク>としか読めぬらしい▼報告書公表に「完全に潔白だ」と早速、記者団に強調。合格胴上げでもしそうな勢いだが、国民による「合否判定」が出るのはまだ先であろう。
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