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今日の筆洗

2020年03月08日 | Weblog

 赤いバンダナを巻いた女性が右腕を突き上げるように腕まくりをしている。吹き出しには、「WE CAN DO IT」(私たちはできる)▼米国では有名なポスターで女性の地位向上運動などによく登場する。女性は「ロージー・ザ・リベッター」という。鋲(びょう)打ちのロージーさんとは妙な名である▼ポスターの女性には別のモデルがいるそうだが、ロージーのイメージの元祖というべき女性が亡くなった。ロザリンド・ウォルターさんとおっしゃる。九十五歳。戦後、米国公共放送の創設に貢献された方だそうだ。ロザリンドだからロージー▼話は第二次世界大戦中にさかのぼる。戦闘機の工場でリベットを打つような作業は男性が独占していたが、やがて男手が足りなくなり、女性を雇い入れるようになる。ウォルターさんもその一人だった▼女性が戦闘機を造る。夜勤もする。それが珍しく、新聞に取り上げられ、一九四二年には流行歌にまでなる。<一日中作業ラインにいる彼女 彼女は歴史を作っている 勝利のために ロージー・ザ・リベッター>。歌の印象であのポスターは描かれた▼戦後、「ロージー」は男性と変わることなく、なんでもできる女性のシンボルとなっていく。八日は、「国際女性デー」。八十年近いロージーの歴史だが、男女格差解消という当然のことを実現するための「腕まくり」がなお続く。

 
 

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