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今日の筆洗

2017年08月16日 | Weblog

 紙、はさみ、石ではなく、江戸期に蛇、カエル、ナメクジのじゃんけんが流行したのは歌舞伎「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」の大当たりによる。芝居に出てくる大ガマが評判になった影響と聞く。蛇はカエルにカエルはナメクジに勝つ。最も弱そうなナメクジは蛇を溶かし勝つ。三すくみの関係が成立し、じゃんけんとなる▼東京タワーにほど近い、東京都港区の宝珠院。このお寺にその三すくみの蛇、カエル、ナメクジがいる。といっても石像や彫刻でそれぞれが、にらみあっている▼どうも不思議である。「三すくみ」と聞けば、物騒なにらみ合いを思い浮かべ、あまり、ありがたいものには思えぬが、お寺の見方は違うらしい▼三すくみであろうとにらみ合いであろうと物事が動かぬ状態は平和ではないか。そういうお考えである。なるほど。内心ではどう思っていようと動きさえしなければ、最悪の事態には発展しない▼三すくみではないが、にらみ合う米朝にこちらはすくむばかりである。攻撃すれば、待つのは反撃であろう。お寺の「三匹」が意を決しそれぞれに飛びかかったらを想像するまでもない▼ミサイル発射をちらつかせ、強気一辺倒だった北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が十四日、やや軌道修正し「米国の行動を見守る」と発言した。決して楽観はしない。だが、その言葉が、賢き「すくむ」の兆しであることを願う。


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