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今日の筆洗

2023年10月27日 | Weblog

タレントの中川翔子さんは中学校でいじめに遭い不登校にもなった。著書『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』に詳しい。本の中で絶妙な距離感で寄り添う人を「隣(とな)る人」と呼び、その大切さを訴える▼元々は児童養護施設の保育士を追うドキュメンタリー映画の題。中学時代の中川さんは、いじめのことを詮索せず、ただ一緒にお昼を食べたり笑いあったりしてくれる友が一人いて救われた。まさに隣る人だったという▼不登校の子に居場所を供する民間フリースクールも隣る人たらんとする施設だろうが、理解があまりない人もいるようだ。滋賀県東近江市の小椋正清市長(72)が持論を展開した。「大半の善良な市民は、嫌がる子どもを無理して学校に押し込んででも義務教育を受けさせようとしている」「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」「不登校は親の責任が大半」▼最近の会見で配慮不足とわびるも発言は撤回せず。不登校は甘えと言いたいのだろうか。当事者の抱える事情や心情を察せぬご仁に見え、切ない▼中川さんは、学校に行きたくないと思う夜を迎えた子にとって先の本が「隣る人」になればと願う。こんな記述がある。「大丈夫。なんとかなる、なんとかするために、わたしたち大人がいます」▼志を同じくする者は大人全員ではないかもしれないが、たしかにいる。