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今日の筆洗

2021年10月15日 | Weblog
米国でこんな実験をした。二人の人物の顔写真を見せ、どちらが選挙に受かりそうかを尋ねる。二人は実際に選挙に出た人物なのだが、聞かれた人は、なんの情報もなくても高い確率で当選者を言い当てられたそうだ▼『第一印象の科学 なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』(みすず書房)によると人は他人の顔を見てどういう人物かを一瞬で判断する。選挙でいえば顔だけで「有能そう」と選びやすいそうだ。先の実験で当選者を言い当てられるのもそんなところに理由がある▼さて、衆院が解散し、事実上の選挙戦に入った。政権選択やコロナ対策など大きな分岐点となりえる総選挙だが、三十一日の投票までの日数は十七日間。戦後で最も短いそうだ▼所属政党や候補の政策、主張にじっくり耳を澄まし、慎重に判断していただきたいところで、まさかとは思うが、投票までの時間のなさに顔で選ぶようなことはおやめになった方がよろしかろう▼実際、顔の印象はあまり当てにならないらしい。第二十九代米大統領のハーディングは観相学上、政治家としていい顔をしているそうだ。まじめそうに見える大きなあご。広い額には知性も感じるが、大統領としての評判はあまり芳しくなく、米国では「成功しなかった歴代大統領」の一人に数えられると聞く▼十七日間は短いが、各党の政策を比べるには十分な時間だろう。