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今日の筆洗

2020年08月13日 | Weblog

 乳製品のチーズと一口に言っても素材や産地、製法によって種類は複雑に分かれている。フランスはとりわけ種類が多いそうだ▼思い出すのは後に有名になったドゴール元大統領の一九六二年の発言である。「二百四十六種類ものチーズがある国をどうやって治めればいいんだ」。チーズの種類のようにフランス人の考え方は異なり、まとめるのはひと筋縄ではいかない。そんな意味だろう▼どう数えても、二百四十六種類に分かれたチーズほど考え方はバラバラではなかっただろうに円満な決着とはならなかった。立憲民主党と国民民主党との合流協議である▼合流方針ではなんとか一致を見たものの、国民民主党の玉木代表が合流新党に加わらない意向を表明するなど同党は事実上の分裂ということになる▼消費税減税の是非などで折り合えなかったという。合流し、新党結成となれば、理念や政策で一致を見なければならないのは当然のこととはいえ、なんとも盛り上がりに欠ける展開である。与党はほくそ笑んでいるだろう▼「国民民主党の船長として党に残る。新党には加わらない」。船に最後まで残り、船長としての責任を果たす。玉木さんの発言はレトリックとしては美しい。だが、中途半端な結論によって「野党団結」という座礁するかもしれない船から、あっさりと下りてしまったように見えなくもないのである。