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今日の筆洗

2019年09月03日 | Weblog
  日曜日に家族そろってデパートへ出かけることが娯楽になっていた時代がある。高度成長期の終わりぐらいまでだっただろうか▼作家の長野まゆみさんが子どものころの思い出を書いている。デパートへ出かける日曜日が前の週から待ち遠しかったそうだ。「ふだん着とはちがう『よそゆき』をめかしこんで家をでる。ハンドバッグに帽子、運動靴ではないエナメルのベルトつきの靴をはく」(『あのころのデパート』新潮社)▼そうそうとうなずく世代もいるだろう。デパートは「よそゆき」で。一緒に思い出すのはごった返していた大食堂の「お子さまランチ」や屋上の遊園地のにぎわいか▼埼玉県川越市の丸広百貨店川越店の屋上遊園地がこの間の日曜日に閉園した。一九六八年の開園というから当時はにぎわっていたはずだ。日曜日のデパートが「よそゆき」を着ての「おでかけ」の座から単なる「買い物」の場所に転落し、屋上遊園地も消えていく時代にあってはよく持ちこたえた方だろう▼閉園の日にはいつもの五倍の九千人がお別れにやってきたそうだ。中には亡くなったお母さんの遺影を入れて観覧車を撮っていた人がいたと閉園を伝える記事にあった▼分かる気がする。家族そろってのかつての日曜日。閉園で幸せの思い出も遠くなる。そういえば、あのころも遊園地が閉まる夕暮れ時は何とも言えず寂しかった。

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