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今日の筆洗

2019年07月16日 | Weblog

米国では「虫」、フランスでは「テントウムシ」、タイでは「小さなカメ」、イラクになると「カエル」で、グアテマラではなんと「ゴキブリ」…▼すべて共通するある物の愛称だそうだ。形や雰囲気から自然とそう呼ばれるようになっていったらしい▼これを書くと分かってしまいそうだが、日本での愛称は「カブトムシ」。答えはドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の小型車ビートルである▼「カブトムシ」の生産を終了したという同社の発表を寂しく聞いた人もいるだろう。ナチス・ドイツの国民車構想に基づいて生産された一九三八年の初代から約八十年。大型のSUVが世界的に幅を利かせる中では、世界最大規模の生産数を誇った大衆車も時代に合わなくなったか▼「黄色いワーゲン」を目撃すると幸せになれる。一九七〇年代にそんな伝説があったのを覚えている。<壊れかけたワーゲンのボンネットに腰かけて…>は大滝詠一さんの「雨のウェンズデイ」(八一年)。村上春樹さんの『1973年のピンボール』にはあまり調子の良くないワーゲンが出てくる。ナチスはともかく絵になり、味のある車だった▼丸みを帯びた車体と愛嬌(あいきょう)のある顔つき。カブトムシやカエルというより、どこか人間っぽさを感じさせた。同じような車ばかりの時代にあって一目で見分けがついた「カブトムシ」が飛び去った。

 
 

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