本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

40万HIT!カウンター お礼とご報告:灘高キムタツ『国立大学英語リーディング(超難関大学編)』

2007年06月14日 | Weblog



   おかげさまで、 40HIT   です 



  ←にあるカウンターが40万を越えました!



いつも気にしていたつもりだったのですが、今回だけはすっかり忘れており、何と今日の朝、自分でブログを開いて、私自身が偶然 HIT ジャストミートしてしまいました(笑)。目が点でした。  あ~なんとも締まらないお話で(トホホ…)。


いずれにせよ、まことにありがたいことで、いつもコメントで励ましてくださるブログ仲間のみなさん、また、コメントせずとも、定期的に訪れてくださるみなさま、心より御礼申し上げます。


30万HITの時に、浅はかにも、“5月中の40万HIT” を目標にしましたが、半月遅れてしまいました。やはりヒット数より、中身を目標にすべきでしたね。おはずかしい。ブログランキングは全部の1位を目標にしましたが、なかなか難しい。やはり、ヒット数やランキングというのは、確かに目標にしやすいですが、内容があってはじめて付いてくる結果ですね。


また、なかなか、みなさまのブログにおじゃましてコメントする時間が取れないのが本当に残念で、申し訳なく思っております。ご無沙汰ばかりであることが大変心苦しいのですが、何とか更新だけは続けているような状況でございます。

さらに、相互リンクなどのお申し込みもいただいておりますが、どう扱ったら良いものなのか、妙案が浮かばず、そのままになっているものもあります。勝手なお願いですが、そのあたりをお察し下さい。深くお詫び申し上げます。


このように失礼を重ねておりますが、それでも、こうしてご覧いただける方々がいらっしゃる限りは、みなさまに飽きられることのないような、内容のあるブログにしたいと考えております。


ここからは、いよいよ本格的な夏シーズンで、関東も梅雨入りかとニュースで言っておりました。塾講師にとって、夏期講習は最大級のイベントです。昨年は、夏期講習中も更新できましたが、今年はちょっと忙しくなりそうなので、何か作戦を考えておきます。

お越しいただいた方々が少しでも印象に残るような記事、読んでいただいた方、特に生徒、ご父母に少しでも参考になるような書籍をこれからも取り上げ続けるつもりです。それができれば、区切りの50万ヒットは3ヶ月後くらいにあるはずですが…、どうなりますやら(笑)。

日々のご訪問、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願い申し上げます。



そして、 拙ブログのスタート当初から、お付き合いいただいている、灘高キムタツ先生の新しい参考書 

国立大学英語リーディング(超難関大学編)

 が今月21日に発売されます!

これです。↓
国立大学リーディング.gif


実は!大変光栄なことに、私VIVAのコラムが1ページあるはずなのです。“はず”というのは、まだ実際に手に取っておりません(笑)。実名、顔写真も入っている“はず”でございます。ドキドキ 



本書の内容は、発売されましたら、記事でももちろんご紹介します。ブログをやっていることで、こんなありがたいお話までいただいたということに感謝いたします。40万ヒットの日にふさわしい、うれしいご報告でした。


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わずらわしいとは存じますが、一生懸命がんばりますので

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『ツイてる !』 斎藤一人 / 『個人主義とは何か』 西尾幹二

2007年06月13日 | 新書教養


ツイてる.jpg

『ツイてる !』 斎藤一人


本書を推薦してくれたのは、代々木校の吉野先生ですが、吉野先生ご自身も優れた著作が何冊もある偉い方なんです。なんとあの 『笑っていいとも!』 にタモリさんと一緒にレギュラー出演していたこともあるという大物です。

今度、吉野先生の本もど~んと取り上げますので、期待していて下さいね!また吉野先生の授業を受けたい方は、当教室 までご連絡下さい。あっ、VIVAの授業もなかなか良いですよ(笑)。


さて、本書ですが、著者の斎藤一人さん。毎年長者番付の上位にランクされ、非常に注目を集めた人物ですね。とにかく楽観主義。見習いたい。

では、吉野先生の書評です。


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著者はサプリメント「スリムドカン」などの大ヒット商品で知られる、銀座まるかんの創業者。全国累積納税額の日本一でも有名なつわものだ。

「カネは天下の回り物」ではなく、「カネは天下で回りっぱなし」 を地で進む生き方が投影した堅牢で創造的な文章。私たちの悩んでいることが、どんなにかちっぽけなモノだという現実がよくわかる。

「現在悩んでいることは一年後には消えてしまう」の一文を読んだだけでも、心の霧が消えていくではないか。


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個人主義とは何か.jpg

『個人主義とは何か』西尾幹二



こちらを紹介してくれたのは、テレビにこそ出ておりませんが(笑)、ハンサム、独身、英検一級の福原先生です。

西尾幹二氏と言えば、もとは哲学者で文学博士なのですが、例の 『新しい歴史教科書を作る会』 の旗振り役としての方がずっと有名になってしまいましたね。朝まで生テレビなどに出演し、右翼の思想的リーダーのように言われることがありますが、本書はまったくそういう本ではありません。

本書のありとあらゆるページが入試に引用されているという事実からも、その内容の濃さがうかがえると思います。決して易しくはありませんが。

福原先生の書評です。


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40年前に出版され3年ほど前に絶版になった『ヨーロッパの個人主義』という本に、新しく最終章を加えてこのたび新書として発売されました。

「個人主義」とか「個性」というのは入試の現代文や小論文で頻出のテーマですが、この筆者の本もこれまで何度も取り上げられています。

上智大学で出題された問題を筆者自ら解いたらどうなったか、そのエピソードも収録されていて面白いです。堅い文体で難解な部分もありますが、受験生の方にもチャレンジしてもらいたい一冊です。

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それにしても、30才代で書いた本を70才を越えてから、少し加筆して復刊させるというのはすごいことですね。小林よしのり氏や西部邁氏、それに作る会の幹部とケンカしたり、仲直りしたり…、話題に事欠きませんね(笑)。



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ツイてる!

角川書店

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個人主義とは何か

PHP研究所

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『裁判官の爆笑お言葉集』 長嶺超輝 / 『物語スペインの歴史(人物篇)』岩根圀和

2007年06月12日 | 新書教養

 

裁判官の爆笑お言葉集.jpg


『裁判官の爆笑お言葉集』 長嶺超輝



当教室 6月号のメルマガは、“新書” の特集でした。塾の先生というのは本当に本好きが多く、紹介をお願いしますと、あっという間に興味深い本がいろいろ集まります。先生方本当にありがとうございます。今月も超強力ラインナップです。2冊ずつ紹介しましょう。


さて、いきなり話題の一冊です。このブログでも、法律や裁判に関して 『裁判官が日本を滅ぼす (門田隆将) 』 『最終弁論 (マイケル・S・リーフ)』 『真実無罪(宮本雅史)』 それに、佐藤優氏の『国家の自縛』 など、いずれも印象深い作品を紹介してきましたが、本書も趣はまったく異なりますが、負けていません。

そういえば、昔、さだまさしの『償い』という唄を引用して、被告に反省を促したという裁判官がいたのことが大きな話題になりましたね。今『償い』は絵本にまでなっているんですよ。ご存知でしたか。

本書は裁判官のそういった “不規則発言” とでもいうものを集めた一冊です。

村井先生が書評を書いてくれました。


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裁判官は「法の声」を代弁する。そこに私情は無く、ただ法による無味乾燥な判決文を読み上げるだけ。そういうシステムなので裁判にはどこか無機質なイメージがありますが、人が人を裁くからにはそんなシンプルな話では済まず、やはりそこにも人間の感情がしっかり存在しているようです。

押さえ込まれるはずの裁判官自身の声が聞こえる、この本ではそんな瞬間が見開きごとに集められています。爆笑は言い過ぎかもしれませんが、クスッと笑えるものから感動するものまで、100近い語録とエピソードがあり楽しめました。

裁判員制度の下準備として、「裁判も人なり」を感じておくのも良いかもしれません。

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◎◎◎◎◎

スペインの歴史.jpg

『物語スペインの歴史(人物篇)』岩根圀和



実はとっても多くの生徒が「新書」を新しい本、新刊本と勘違いしています。「新書」は“文庫”などと呼ぶのと同じで、本のスタイル、形のことですよ。生徒の皆さん、本屋さんへ行ったら確認しておいてね。

さて、こちらはスペイン史を扱ったもので、ぐっと専門性が高くなりますが、世界史受験生なら特に読んでおきたい一冊です。

genio先生による紹介文です。



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中世の大国スペインを彩った6人を贅沢に1冊にまとめたものです。

ドン=キホーテ』の作者セルバンテスや、未完の聖堂サグラダ=ファミリアなど傑作を残したガウディは世界史学習者でなくともご存知のことでしょう。

しかし、私が一番オススメしたいのは、スペイン女王ファナです。神聖ローマ皇帝カール 5世の母親であるにも拘わらず、恋に生きたが故に半世紀も幽閉され続けた彼女は時代に抹殺された悲劇の人と言えるでしょう。

映画化もされていますので、先に映画を観るのも手ですね。


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このブログでスペインを扱ったものがあるかと探してみたら、スペインのみではありませんが大航海時代を扱ったオススメの大作 スパイス戦争
がありました。とてもおもしろい一冊です。



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裁判官の爆笑お言葉集

幻冬舎

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償い

サンマーク出版

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物語 スペインの歴史 人物篇―エル・シドからガウディまで

中央公論新社

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『教育問題の扱い方』 教育再生会議の報告に関して

2007年06月11日 | コラム・備忘録





以下は当教室の今月号のメルマガに、私が投稿した教育コラムです。

 よろしければお読み下さい。


 

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『教育問題の扱い方』

今月はじめに、教育再生会議から、「社会総がかりで教育再生を・第二次報告~公教育再生に向けた更なる一歩と「教育新時代」のための基盤の再構築~」 という報告がなされました。

その中には、これまでより授業を10%増やすという提案が含まれています。学校や地域によって対応が違うようですが、土曜日の授業の復活などがあちらこちらでありそうです。世間の注目度も高いようで、大きく報道されました。


どう見ても公立校の授業時間を減らしすぎてしまったと思いますから、それを増やすという方向性に異論はないのですが、なぜ10%という数字が出てくるのでしょうか。というのは、ゆとり教育で減らされた学習内容は3割(30%)と言われていたからです。


もともと3割削減すれば、生徒全員が授業がわかるようになるなどということ自体が、裏付けのない暴論でリスクが高いと思っていましたが、案の定、こうしてすぐに増やされる方向になったわけです。  


ただ、そのための改革なのですが、今回の10%という数字もまた、報告を見る限り、その根拠や検討の過程が伝わってこないのです。

(教育再生会議はホームページを開設しており、そこにいろいろな資料もありますから、よろしければご覧になって下さい。議事録はまだ公表されておりません。 

     ⇒ http://www.kyouiku-saisei.go.jp/



つまり、識者と呼ばれる方々が集まっていろいろ決めるとは言っても、何か具体的目標なり、科学的な裏付けなどがないまま、感情論や世間の風潮や思い付きによって政策提言がされていないかということを指摘したいのです。


報告書には、もう一つ、従来の「道徳」ではなく「徳育」という教科を入れるとありましたが、ねらいは何でしょう。そもそもこの二つの違いがわかりますか。変えるのなら、その前に「道徳」の授業の内容はどうだったのかという分析があってしかるべきだと思うのですが、報告書を見る限り、その形跡もありません。


単なる思い付きで、教育現場に何かを指示したり、方針を大幅に変えられたりしては、それを実行する現場、つまり学校の先生方はたまったもんではありません。


ゆとり教育導入による、相対評価から絶対評価への変更だけでも混乱しますが、総合的学習の時間、小学校の英語などなど、改善のために取り組むべき問題はいまだ山積しているはずです。  


忠実にそれに従って準備をしようとするまじめな先生ほど負担が大きく、おそらく減らされた授業の中で学力を維持することにまで、とても気がまわらないのではないかと心配になります。


その上、今度はよくわからない「徳育」の授業が入るとなれば、教科書の準備や教材研究に当てる時間が必要になります。未知の科目ですから当然です。


そもそもこの会議の座長を務める、野依良治氏。ノーベル賞を取った世界的大学者ですが、この会議の初会合で、自分が子どもの頃は、部活もやっていたし塾など行っていなかったと“個人の経験”を引き合いにして、「塾を禁止すべき」と言って失笑を買った人物です。これなら誰にでも言えますね。


再生会議の17人のうち教育現場を知っているのは二人だけという指摘まであります(藤川大祐・千葉大学教育学部助教授)。


こういう問題はノーベル賞学者や大会社のトップ、メダリストなどの有名人じゃなくて結構。  


現場を熟知している方、学力向上などの実績を上げている方々を集めて、議論をかわしていただきたい。そして何かを変更する場合には、その根拠となるデータや研究結果をぜひ公表してほしいというのが私の意見です。学校現場とかけ離れた提言は百害あって一利なしと考えます。

 

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『歴史をかえた誤訳』 鳥飼玖美子

2007年06月11日 | 英語関連書籍

 

歴史をかえた誤訳.jpg


鳥飼玖美子氏は昔から私の尊敬する英語の先生のお一人です。英語学習で多くの示唆を得られる方で、本書はその通訳論です。同時通訳の場で問題となるさまざま状況を紹介し、その解決策や異文化コミュニケーションの難しさなどを指摘します。

そして、実際に起こった歴史的誤訳のようなものを特集した一冊です。

副題は 「原爆投下を招いた誤訳とは!」 となっていて、まるで “通訳が訳を間違えたことによって、あの原爆が落とされたのだ。それが歴史の真相である!” とでも主張していますね。

この話、お聞きになったことがありますか。実は私はどこかで聞いた記憶があり、しかも鳥飼氏の著作ということで、興味を持って本書を手に取りましたが、まことに残念ながら、その問題にはほんの少ししか触れられていません。(もうこういう派手な宣伝文句が内容と異なっていることが少なからずあり、正直、不愉快ですね。もう鳥飼せんせい!)

しかも、本書のそのわずかなところを読んでややがっかり。それによると…


当時の首相、鈴木貫太郎ポツダム宣言を 「黙殺する」 と言ったのを、通訳が「ignore(無視する)」 と訳し、それが連合国側には “拒否する” という意味に取られてしまって、原爆投下を招いた。

もし黙殺を 「ignore」 ではなく “give it the silent treatment” (だまってやりすごす?) とでも訳しておけば、原爆投下も避けられたかも知れないというのです。 

う~ん、それはどうでしょうか?いくらなんでも…という気がしませんか。

まず “黙殺する” という言葉自体、そもそも強い言葉ですよね。国語辞典 (大辞泉)で、“黙殺” を引くと、“無視して取りあわないこと” となっています。 

一方 “ignore” を新オックフォード英英辞典で引くと、 “refuse to take notice of or acknowledge ;  disregard intentionally” (関心を持ったり、認めることを拒む ; 意図的に無視する )

ですから、黙殺する を ignore とすることは、全く誤訳じゃないと思うのですが…。ちなみに今度は手元にある数冊の和英辞典で 『黙殺する』 を調べてみると:

deliberately ignore  (故意に無視する) 

treat with silent contempt  (無言の侮蔑をもって処理する)  

pass with silence (黙ってやり過ごす) 

completely ignore (完全に無視する) 

ignore with contempt (軽蔑して無視する) 

take no notice of (注意を払わない) 

turn a deaf ear  (聞く耳を持たない) などなど、

やはり ignore よりむしろ強い言い方の方が多いようです。ですから、このことは通訳のせいなどではまったくなく、あえて言うなら、黙殺という強い言葉を使った、鈴木首相の発言に問題提起をする内容だと感じるわけです。何か問題がすりかわっている印象です。

ところが、私は、『聖断』 を読んで、鈴木貫太郎の卓越した政治力に畏敬の念さえ抱いておりますので、原爆投下の責任をとても鈴木首相の会見のせいにする気にもなれません(笑)。


以下が目次です。 

序章 誤訳はなぜ起きるのか

第1章
 歴史を変えた言葉

第2章
 外交交渉の舞台裏

第3章
 ねじ曲げられた事実

第4章
 まさかの誤訳、瀬戸際の翻訳

第5章
 文化はどこまで訳せるか

第6章
 通訳者の使命


つまり歴史上の誤訳というのは、もちろん取り上げようとすればあるのですが、ややあげ足取りの印象です。善意に解釈すれば、通訳という仕事は目立たないが、場合によっては国益さえ左右しかねないのだからがんばれ!という一冊かと思います。

実際、歴史的誤訳から離れ、英語や翻訳についてのエッセーはおもしろく読めました。これから通訳になろうという方、英文学部に進学しようという方なら参考になるところが多いでしょう。


同時通訳ではないのですが、“誤訳” を扱ったものでは、『誤訳をしないための翻訳英和辞典』 の方がおススメです。


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歴史をかえた誤訳

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中学生諸君! 社会定期テスト:時事問題対策!

2007年06月11日 | Weblog
 


★★★

さて、2学期制の中学校では、今週あたり定期テストでしょ。

4月から6月までのできごと、つまり時事問題を、

genio先生が作ってくれましたので、転載しておきます。

この3ヶ月も大きなニュース、いろいろあったね。


テスト対策に使って下さい。大人もチャレンジ!



2007年 4月~6月

4/16 アメリカ(①       )州で銃乱射事件

4/17 伊藤一長前(②       )市長射殺事件

4/23 (③       )前ロシア大統領が死去

4/23 2008年サミット開催地に洞爺湖=(よみ:④       )が決定。日本での開催は、2000年の(⑤        )県以来

4/29 今年から「(⑥      )の日」に:かつてのみどりの日。

5/6 フランス大統領決選投票右派(⑦       )氏がロワイヤル氏に圧勝

5/6 (⑧       )ランドコースター事故大阪府吹田市の遊園地でジェットコースターが脱線し乗客20人が死傷

5/7 大関(⑨       )引退へ

5/14 国民投票法成立:(⑩     )歳に投票権を認めた国民投票法が成立。

   【憲法改正手続き】

   ①両院の(⑪       )の(⑫     )/3の賛成で発議

   ②国民投票で(⑬       )の賛成をもって成立

5/15 ①サッカーくじ(⑭       )パンク当選繰越金が15億円に膨れ上がったサッカーくじは申込が殺到しパンク状態に

   ②沖縄返還(⑮     )周年

6/6 (⑯       )ハイリゲンダム・サミット開幕今回のメインテーマは「(⑰       )問題」 1975年に始まったので今年で(⑱     )回目

【各国首脳】ドイツ:(⑲       )、アメリカ:ブッシュ、日本:安倍晋三、イギリス:ブレア、フランス:(⑦       )、イタリア:ブロディ、カナダ:ハーバー、ロシア:プーチン



☆解答は当教室HPの「先生教えて」掲示板にUPしますので、そちらをご覧下さい。



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   定期テストは本番の入試と一緒!



必ず、確認しておくこと!!!!

 

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『夏の庭 The Friends 』 湯本香樹実

2007年06月09日 | 小説


夏の庭.jpg


さぁ、すばらしい一冊 『夏の庭』 を取り上げましょう。以前、『入試に出された本3』 でご紹介した際にもコメントが集中していた作品で、ご存知の方も多いでしょう。

そう、確かに中学入試、高校入試に非常によく出される本なのですが、勉強に関係なく、ぜひお読みいただきたいと思わせる作品です。

国語の入試問題で扱われる小説というのは、子どもの成長を描いたものが圧倒的に多く、本書もその例にもれませんが、悲しくて、楽しくて、見事なエピソードの展開を見せます。

主人公の“ぼく” ことキュウリの木山、肉屋の息子でデブの山下、エキセントリックな性格で父親がいないメガネの河辺。この小6、3人組が、“人が死ぬところを見よう” と話し合い、あるボロ屋に住む、一人暮らしの老人の見張りを始めるところから物語が始まります。

子ども向けに、「老い」 や 「死」 を扱ったもので、これほどさわやかな読後感を残せる作品は意外に少ないのかもしれません。また、副題に 「The Friends」 とあるように、友情の物語でもあるわけです。その老人まで含めて…。



ストーリー ■~■



3人は学校や塾に通う途中で、まるで自分たちが探偵にでもなったかのように、めぼしを付けた、その弱々しい老人の家を見張ったり、尾行をしたりしながら老人が死ぬのを今か今かと待ちます。

初夏だというのに、こたつに入ってテレビを見ているだけの老人で、単調な日々を送っているのですが、いざ毎日張り込みを続けていても、なかなかすぐに死んでくれるようには見えません。

辛抱しきれずに、ついついちょっとしたさぐりを入れたり、おせっかいなどをしているうちに老人に見つかってしまいます。とても気難しいおじいさんでした。

おじいさんの方は、自分がイタズラ坊主どもに見られていることが分かると、彼らをおどしたり、時にはからかったりするようになります。

それまでは、何をするでもなくテレビを見てコンビニ弁当を食べているだけの老人だったのですが、死ぬどころか、逆に少年たちからの刺激がかえっておじいさんを若返らせてしまったようなのです。

なんだかんだとやりとりをしているうちに、少年らはおじいさんになついていきます。書名にある「庭」 というのはおじいさんの家の庭ですが、はじめは山積みのゴミで悪臭を放ち、草も伸び放題だったものが、やがて少年たちが植えた花で埋められ、美しい交流の場へと変化してゆきます。

ミイラ取りがミイラになるといった様相なのですが、時には塾や習い事を忘れてしまうほど、3人はその庭で楽しい時を過ごすようになります。

ある日、昔話をねだられたおじいさんは、とうとう昔、自分が戦争で罪のない人を殺したこと、そして戦争が終わっても妻であった人のもとへ帰らず、結局こうして一人暮らしをしているということまでも語ります。

一度だけ、おじいさんに連れられて外出したのは、川のほとり。日が暮れる頃、おじいさんは子どもたちから身を隠し、彼らが探している時に、突然大きな花火をあげて見せます。若い頃、花火職人であったおじいさんが、少年たちに忘れられない夏の夜をプレゼントします。

この夏休み、おじいさんと関わったために、少年たちは他にもいろいろな経験をします。結局、毎日のように遊びに行くようになったおじいさんの家ですが、数日間のサッカーの合宿から帰って訪ねてみると、おじいさんは眠るように亡くなっていました。

テーブルの上には、一緒に食べようと準備していたぶどうが…。

少年たちは、最初のもくろみ通り、人の死体を見、お骨を拾うことになるわけです。もちろん今となっては、まったく死を望まない人、皮肉にも自分たちの最大の理解者となったおじいさんの突然の死、さらにその庭がアスファルトで埋められてしまうというところまで経験します。

受験も終わり、卒業式のあと、その思い出を胸にそれぞれ別の道を歩み始めます。





とまぁ、こんな感じですが、本書を読まれた方だと、あれ、あの話は?などと思われるかもしれませんね。この本には、これ以外にもまだおもしろいエピソードがいくつもあります。

正直、ちょっと詰め込みすぎという気もします(笑)。まぁ、うまく収まっているので、違和感はまったくありませんが。

友情、成長の物語ですが、そこには老人と少年たちのふれあいや死だけでなく、ケンカがあり、受験や塾があり、女の子あり、大人の男女や家庭の不和があり、戦争があり、過疎と開発まであります。映画化されているようですが、原作に忠実にやったら10時間でも足らないのではないかと思わせるほどですね。

次から次に印象深いエピソードが出てきますから、飽きません。心にぐっとくる場面、緊迫する場面がいくつもあり、小学生でも、本好きならどきどきしながら一気に読んでしまうかもしれません。様々な賞を受賞し、英訳も出され、世界十数カ国で読まれているそうです。


読めばきっと夏が来るたびに思い出すような、出色の一作ですし、読書感想文にもしやすい内容だと思います。多くの方にお薦めします。

 

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夏の庭―The Friends

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The Friends

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夏の庭~The Friends~

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『コンプリート高校総合英語』 山口俊治

2007年06月07日 | 大学受験【英語】参考書など


コンプリート桐原.JPG


本書もいろいろな高校で薦められいる参考書で、実際に、当教室でも持っている生徒が結構います。著者の並外れた英語力を感じさせる良い本なのですが、使い方が非常に難しい。

英語の参考書をどう使うのか…。

ターゲット』 や 『DUO』 あるいは極めつけは 『キクタン』 のような単語集なら、何の問題もありません。徹底して効率を優先した暗記専用の本ですから、片っ端からページをめくって覚えるという社会科の勉強に似ているかもしれません。

ところが同じ英語の参考書でも、それが “文法書” となれば、今度は逆に、数学的な理屈を納得させるためには、じっくりゆっくりわかるところから繰り返し読んで、問題などを慎重に解きながら、読み進める必要があります。

英語という科目のおもしろさと同時に、難しさは、社会科的なのか数学的なのか、その微妙なところにあります。どちらかだけでも集中的に努力すれば、確かに相当程度マスターできるわけですが、そのかわりどちらかが中途半端だと、決してパーフェクトにはならないという感じでしょうか。


一冊の参考書が、読み流すだけで、英語の全体像を生徒につかませようとするのか、または、繰り返し読ませて文法を極めさせようとするのか、暗記してセンスを磨くためのものなのか…。センターレベルか超難関レベルか、さらにその上か、などなど、筆者や学習者のねらいもさまざまです。


いつも申し上げるように、万人に最適な参考書はない!ということの典型だと感じさせるのが本書です。

構成から見ても、本書は“文法書” という分類になると思うのですが、文法事典とまではいかず、書名には、『総合英語』 とあります。つまり、総合的に…、文法の初歩の初歩から載っているのですが、非常に高度なイディオム、口語表現まで、“発展学習” として暗記専用の付録のように付いており、どこに重点をおいているのか分かりません。しかも、どちらもそれが本書の “売り” なのですから。


いずれの項目でも、まず分かりやすい “基本例文” を太字で挙げています。とても易しい文を“あえて”選んでいます。一番最初、第1章『主語と述語動詞』 に登場する二つの英文は


(1)My mother is a very good cook.

(2)The old man died last week. 


このレベルから始めてくれています。

私も一流大学を目指す受験生のクラスでさえ、“あえて” “わざと” 中学生レベルの英文だけを使って説明することが多いので、本書が文法に限定した参考書なら、むしろ大歓迎で何の問題もありません。

ところが、本書はこの基本例文を暗唱するよう勧めています。はっきり言って、高校生がこれを暗唱する必要はまったくありません。仮に文法が苦手な大学受験生が暗唱するとしても、その後にある “活用例文” のところでしょう。


(1)He lay on the grass.

(2)Tom and I are good friends.

(3)What happened last week?
  など…


(1)は入試で定番の、lieーlay-lain (lay-laid-laid または lie-lied -lied) などの活用を叩き込む。(2)はトイックやトフルでも頻出、大学入試の誤文訂正でも中心の、SVの関係に  “I are” と言わせて注目させる。(3)は疑問詞が主語になる場合のつながりを意識させる意図ですね。これなら英語が苦手な生徒に対する、著者の英文選びのセンスがものすごく光っています。

そういうところだけに的を絞った一冊でしたら、本当にすばらしい参考書になったと思います。

筆者の山口俊治先生は、『山口英文法講義の実況中継 (上・下)』 を読めば分かるように、文法解説の名人と言っても良いですし、本書にもところどころで、その片鱗が見て取れます。

しかし本書を受験生が自分一人で、短い時間内に偏差値を上げるという目的で使うとすれば、あまり効果は期待できないでしょう。やはり高1あたりから、じっくり使うための内容です。


学校の先生などの指導の元で、授業と平行して使うか、一番良いのは、これから英語の先生や塾講師になろうという人が自分の英語知識を再確認または総整理するという利用法ではないでしょうか。

短時間で偏差値を上げるというのが目的で、同じ著者の参考書を選びたい生徒なら、まだ、実況中継の方が良いだろうと考えます。

 

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コンプリート高校総合英語

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『外務省 外交力強化への道』 薬師寺克行

2007年06月06日 | 政治・経済・外交


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昨日取り上げた 『さらば外務省(天木直人)』 とほぼ同時期に発売されましたが、センセーショナルだった『さらば~』 の陰に隠れてしまった感のあるのが本書です。『さらば~』 に比べますと大変地味なのですが、良書だと思いますのでご紹介します。

ちょうど、宮崎哲弥氏の 『 新書365冊 』 にも取り上げられており、宮崎氏の評価では、Best の 一つ下 Better になっていました。(ちなみに外交分野の Best の中の一冊は、以前取り上げました 『日本の「ミドルパワー」外交(添谷芳秀)』でした。よろしければご覧下さい。) 


本書は朝日新聞の論説委員による外務省に対する考察です。この当時は2001年に9.11テロですぐにアフガン空爆。日朝首脳会談で拉致を認めさせたのが2002年、翌2003年にはイラク戦争という忙しい時代でした。不幸なことにこの間、外務大臣が田中真紀子氏だったり(笑)、ムネオハウスやNGO問題も2002年に起こり大混乱。そこに機密費や裏金問題のオンパレード。

機能不全に陥っていた感のある2003年に、天木氏の著作も本書も出版されています。まず本書では、一体日本外交の何が問題なのか、外務省の組織や、行動はどういう経緯で決定されるのかということについて整理しています。

例えば、2002年に行われた日朝首脳会談は、さまざまな点でいまだに謎が多いようです。どうして会談が実現できたのかとか、交渉の実態などですが、それを事実に基づいて検証していきます。交渉が進展しないままになっていることについて、宮崎氏は例の田中均氏に批判的ですが、薬師寺氏は同情的です。


そんな第1章から始まり、続きは以下のようなものです。



第1章
 日朝交渉の挫折

第2章
 変貌する日米同盟

第3章
 問われた外務省の体質

第4章
 新外交を阻む冷戦の残滓

第5章
 内交の時代

第6章
 外交力強化への道


機密費の問題だけでなく、全省あげてのプール金の問題、鈴木宗男に牛耳られたODA関係の決定の不明朗さ、北朝鮮との問題は一向に先に進まないし、国連中心といいながら、アメリカのイラク戦争にはいち早く賛意を示すなど、どれをとっても日本の外交は問題だらけで一貫性もないと指摘します。 

小泉政権当時、なんとか選挙前に拉致家族の帰国だけは真剣に取り組もうとしていました。国民のためというより、選挙で勝つためというのが見えてしまいます。そういったさまざまな報道から漏れ聞く外務省の組織を分かりやすく、問題点などを整理してくれます。


最後には“外交力強化のために”として前向きな提言もしています。『さらば外務省』の方が(ほぼ)現役が書いた告発の書だけに、インパクト、おもしろさの点で軍配が上がります。

ただし、ではどうするかということについては、『さらば~』の方は「政権交代しかない」と突き放しますが、本書は今問題となっているようなシステムを作り変える提案をしています。

宮崎氏も本書は「読むべきところが多い」と述べていましたが、その通りだと思います。


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外務省-外交力強化への道-

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『さらば外務省 - 私は小泉首相と売国官僚を許さない』 天木直人

2007年06月05日 | 政治・経済・外交


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安倍政権の支持率が大きく下がったと、新聞、テレビなどで連日報道されています。さすがに、社会保険庁の宙に浮いた年金記録が5千万件というとんでもない数になっているのには驚きました。そのこと自体は安部首相の責任ではないでしょうが、納得できる解決策を出さないとそっぽを向かれますよね。

また、現役大臣の自殺という事件も、その任命権者であり、松岡氏をかばっていた印象のある総理大臣には大きなマイナスでしょう。これで何も解明されないのではないかという雰囲気です。もともと小泉内閣の高い支持率の余禄で、飛んでいた感がありましたから、ここから自律回復できるかどうか、大きな注目です。

その結果が出るのは当然、次の参議院議員選挙ですが、それに立候補を表明したのが本書の著者、天木直人氏です。少し前のベストセラーで恐縮ですが、取り上げてみたいと思います。


天木氏はイラク戦争に反対意見を “具申” したことで実質的には解雇されてしまった元レバノン大使です。本書は出版当時かなり話題になりましたし、精力的にテレビなどに出演されていましたので、ご存知の方も多いでしょう。

読んだ時の感想は、“これ本当ならとんでもない”。普通の感覚の人なら、にわかには信じられないほどの内容ですね。当時の小泉首相や川口外務大臣、鈴木宗男、田中真紀子らの政治家や田中均氏、小和田亘氏、野上元次官や竹内現次官などが次々と実名でその行状が紹介されます。

佐藤優氏の著作、『国家の罠』 も、政治家や外務官僚ほとんどすべてが実名で登場し、官僚としての行動原理を明らかにしたすばらしいノンフィクションだと感じました。本書はそうした人物の人間性にまではっきり疑問を投げかけています。どちらもよくここまで書けたものです。 


これが日本の代表的官庁の話だとは信じたくないようなひどさですが、なぜそういう組織になるのかということも本書で解説されています。天木氏の勇気もさることながら、これほど異常な世界に身をおきながら、よく正常な精神状態でいられたものだと感心するほどでした。

本当にここまで腐っているのなら政権交代しかないなと思って読んでいましたら、天木氏も、“自民党以外” の党が政権につかなければ、ずっとこのまま日本の外交は死んだままになってしまうと危惧しています。つまりとてもとても自浄作用なんか期待できないというわけです。


以下が目次です。


第1章
 無視された意見具申

第2章
 私はけっして小泉純一郎を許さない

第3章
 外務官僚と政治家たちの恥ずべき行状

第4章
 封印された外務省の犯罪

第5章
 恐るべき外務官僚の世界

第6章
 こんな外務省はいらない

第7章
 さらば外務省


天木氏がここで暴露した内容以上に驚いたのは、氏がその後、小泉首相の地元で衆議院議員選挙に立候補したことでした。結果は惨敗でしたが、ものすごい執念だなぁと感心し、同時にちょっとかわった方だなぁ~と思った次第です。

つい先日、すばらしい官僚、小松正之氏の 『クジラは食べていい』 をご紹介したばかりですし、私の知っている官僚の方々の働きぶりは本当に猛烈です。誇張でなく、死に物狂いといった様子です。


それでも、今回の社会保険庁の怠慢に、農林水産省の官製談合。もういい加減にしてくれというのが本音ではないでしょうか。

一度すべての官僚の上層部を総入れ替えするくらいの改革がなければ、本当にこの国は滅びてしまうのではないかというような気がして来ます。これまで封印されてきた官僚内部の権力闘争の実態や、政治家と官僚との癒着が想像以上だということがいやというほど分かり、外務省のデタラメぶりにうんざりさせられました。

参議院選挙の結果に関わらず、官僚は残ります。アメリカでは、政権が変われば官僚も入れ替えになるそうですが、そういうような制度を部分的にでも入れられないものでしょうか。


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さらば外務省!―私は小泉首相と売国官僚を許さない

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(↑文庫もありました)

 


『武士道解題 -ノーブレス・オブリージュとは』 李登輝

2007年06月04日 | 教養


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台湾の元総統、李登輝氏が来日しています。テレビなどではあまり詳しく背景などが報道されていないように思いますが…。

数年前、森首相時代に病気治療という名目でさえ来日させないという大騒ぎ、慶応大学の三田祭で講演をするとしてまた大騒ぎしたことを覚えていますので、今回の来日がすんなり決まったことに意外な気がします。

氏はすでに80歳を越え、政界を引退していても、台湾独立のシンボルだそうですが、あれほど強硬に反対していた、中国の反応も今回は穏やかなものです。中国が変わったのか、日中関係が改善した結果なのでしょうか。


今回の訪日をアレンジしたのは、『中国暴発』 を古森義久氏と一緒に書いた、中嶋嶺雄氏だそうですが、その中で、“中国は北京オリンピックを放棄してでも台湾を取る” とあったのが、印象的です。数年前と、政治力学が明らかに変わったと実感します。ついでながら、中嶋氏は教育再生委員会のメンバーでもあります。

来日はしたものの、講演はおろか、母校、京都大学でキャンパスにすら入れずじまいだった時の対応から、今回は数回の講演だけでなく、李登輝氏の兄が祭られている靖国神社参拝まで話題になるというほどの変化です。


 閑(しずか)さや岩にしみ入る蝉(せみ)の声


誰もが知っている松尾芭蕉の句ですが、今回は芭蕉の足跡を訪ね歩くのが、主な目的だと言われていますね。台湾同様、日本が支配していた今の韓国で、親日派が相変わらず迫害されているのとは、際立った違いです。以前ご紹介した、渡部昇一、呉善花氏の 『日本の驕慢(おごり)韓国の傲慢(たかぶり)』 を読むと、それを強く感じます。一方、日本・台湾の複雑な関係は『還ってきた台湾人日本兵(河崎真澄)』に象徴的に表わされているように思います。


本書は、新渡戸稲造著の『 武士道 』 を李登輝氏が読み解くというものです。新渡戸氏が記した『武士道』に書かれた章に沿って、李登輝氏が氏の視点と豊富な知識、宗教、哲学的な考えも含め、分かりやすく解説しています。

目次はこのようになっています。



第1部
 日本的教育と私(世界に目を開いてくれた先哲の教え;新渡戸稲造との出会い;新渡戸稲造、国際人への旅立ち)

第2部
 『武士道』を読む(道徳体系としての武士道;武士道の淵源;義 ほか)

付 慶応大学三田祭・幻の講演原稿“日本人の精神”



花岡信昭氏のコラムによると、李登輝氏の自宅には、まるで図書館のような広い書庫が日本の書籍で埋まっているそうです。著名な作家や論客などの全集のたぐいは言うに及ばず、岩波文庫は全巻そろっていて、さらに新刊もダンボールに詰まっているほどだとか…。


“サムライ” にあこがれる外国人は多いようですが、武士道を理解し、それを日本の政治家や官僚にまで直言するする政治指導者は本当に稀有な存在だと思わされます。台湾総統時代の自らの体験を交えて、語っていて、より具体的な実践の術まで伝えようという意欲を感じます。

副題は 『ノーブレス・オブリージュとは』 。日本のリーダーに必要なものは武士道精神である、義務教育においても、日本を支える道徳教育が必要である、とも指摘しています。

本書に対して、石原慎太郎氏、櫻井よしこ氏、小林よしのり氏、金美齢氏などの識者が絶賛し推薦しているようです。この顔ぶれを見れば分かりますね。そうした人々を惹きつけるものは何か。しっかり知っておくことも重要だと思います。

 

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「武士道」解題―ノーブレス・オブリージュとは

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(すでに文庫化されていました)

『秘伝 中学入試国語読解法』 石原千秋

2007年06月02日 | 中学受験関連【算数・国語参考書など】


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中学受験の国語が苦手な生徒さんや、そのご父母には、非常に参考になる一冊です。少し前に出されていますので、中学入試に関する情報などは変わっていて、注意が必要ですが、それでも私がこれまで読んできたいろいろの中学入試、国語の参考書の中では際立って実用的な本だと思います。


筆者の著作は、以前、大学入試の現代文(小説)の参考書 『大学受験のための小説講義』 を取り上げました。そちらもすばらしい内容で、大学受験の現代国語の小説で得点が伸び悩んでしまう生徒だけでなく、一般の読者でも充分楽しめる一冊です。


本書は、二部構成。第1部がご自分の息子さんとの中学受験体験記です。国語の問題分析もためになるのですが、中学受験というものをさまざまな角度から論じたり、学校というものについても忌憚なく意見を述べています。

第2部は中学入試の国語読解の法則のようなものを紹介しています。これは別の本でも読んだことのある気もしますが、悩める受験生には有益だと思います。ただし、最近はここで紹介されているものより、さらに大人びた文章が出てきていますので、傾向分析は慎重に行う必要がありますが…。

 


第1部
 僕たちの中学受験(僕たちの学校;受験が始まった;入試問題とはどういうものだろうか;塾と家庭 ほか)

第2部
 入試国語を考える(隠されたルール;「国語」の基本型;二元論で考える;「言葉」を読む ほか)


新書よりひとまわり大きいサイズで、400ページを越える分厚い一冊です。その上、入試問題文は、二段になっていて小さい文字サイズですから、全体ではかなりの情報量があり、さしずめ “読解事典” のおもむきです。

第1部では筆者の学校に対する考え方や、教育観をかなりはっきり打ち出しており、考え方の異なる人が読めば、反感を招きかねない内容です。学級崩壊に関するあたりなど、私もちょっと首をかしげました。


すべて実名での学校論評ですから、おもしろいのですが、やや受験生の親としての感情が先走り、学者らしからぬ書き方です。こうして親までも巻き込む、それが中学受験だとも言えますね。(東京中心に関東の男子校だけですが)

そんなことを割り引いても、お読みになって損はないと思います。特に第2部は圧巻です。書名の “秘伝” ということばがふさわしいかどうかわかりませんが、中学受験での役立つテクニックが出てきます。読めばすぐに成績が上がるということではありませんが、出題者の意図をわかりやすく説明しています。


こういうことを頭に入れて、実戦を重ねる。つまり実際に時間を使って問題を解き、しっかり復習していけば、筆者の主張が実感できるのではないでしょうか。常に申し上げている、中学受験は過去問が最高の参考書だということを再認識できました。

 

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秘伝 中学入試国語読解法

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『旧制中学入試問題集』 武藤康史

2007年06月01日 | 教養


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確か、かつてのベストセラー、当時の受験生のバイブルと言われた 『試験にでる英単語』 (今だにそこそこ売れていてびっくり) を書いた森一郎氏だったと思いますが、氏が英語の易しさに言及し、“明治時代の日本語など普通の高校生にはとても読めないが、英語なら読める” と何かの本で指摘しておられました。


なるほどその通りで、夏目漱石の 『こころ』 ですら表記が難しいといって、教科書から姿を消してしまう日本語(国語教育)とは対照的で、明治時代の英文解釈の問題をその本に少し載せていたのですが、現在とまったく変わっていないことに感心した記憶があります。so ~ that 構文だったような気がしますが…。

そこで、私も明治時代のあたりの英語、特に英語の入試問題をネットや書籍で探したのですが、全く見つからず、残念に思っていたのですが、本書にありました。あっ、やっぱりあったんだと、わくわくしながら読みました。

本書は相互リンクの buckyさん が教えてくださいました。Thank you so much! です。


もちろん、これは旧制中学の入試問題集ですから、英語は後半に付録のように入っていて、国語、算数などが中心です。英語に限らず、入試問題というのはどうも資料的価値が低いようで、いわゆる “過去問” が見つからず、筆者も必死になって旧制中学の問題をかき集めたようです。


興味のある人間にとっては、ものすごくおもしろい一冊です。“昔の人は尋常小学校や中学しか出ていなくても、よく勉強した” と、父母や祖父母に聞かされたものですが(つまり、“君は足りない” の意ですが…)、なるほどこんな入試を受けていたのだということがわかります。


目次です。


国語―「婦人は庖厨を治むるを習ふべし」に読み仮名を付け解釈せよ

算術―軍艦松島ノ長サハ89・9米ナリト云フ、何間何尺ナルカ。

歴史・地理―よい日本人となるにはどんな心得を守つたらよいか。

理科―着物についたあぶらあかを取除くにはどうしたらよいか。

あの人が受けた入試問題―ゐもりトやもりハ如何ニシテ区別スルヤ。

宮澤賢治岸信介宇野千代宮本百合子草野心平神西清竹山道雄吉川幸次郎中野好夫井深大山村聰丸山眞男堀田善衛安岡章太郎鶴見俊輔瀬戸内寂聴中村稔



目次は以上のようになっていますが、要するに、国語、算数、社会、理科という科目別で、その中が年代順に並んでいます。明治時代から戦前まで、資料として入手できた問題を羅列してあるわけです。

まずは時代が違うとはいえ、入試問題のレベルの高さに驚きます。もちろん義務教育ではありませんから、誰もが旧制中学へ進むのではないのですが、それにしても当時のエリートたちがこんな問題に悪戦苦闘していたのだと、驚くやら、微笑むやら、いずれにしろ別世界でした。


また、厳しい受験があったといっても、やはり時代の影は色濃く出ていて、模範解答の信じられないほどの、(今でいう)手抜き(?)、などなど、およそ、現代の受験に携わるものからすれば、“これ、いいの?” というエピソードも満載です。

そして、各問題の解説の後には、それらを受験した有名人、作家や政治家や企業人や芸術家などなど、明らかにできる限りの合否の情報などを付けています。


“へぇ~” という言葉を連発しながら、一人ではしゃぎながら読んだという稀有な一冊でした(笑)。自分が、なんでこんなにおもしろがるのだろうと考えたら、大げさですが、“時代がつながった感” が起こった気がします。

本当に多くの著名人が受験に苦労し、失敗していた事実も、親近感がわいた一因でしょうかね(笑)。



● 最後までお読みいただきありがとうございました。5月中に40万HITにはとても届きませんでしたが、6月もブログを続けていきたいと思います。

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旧制中学入試問題集

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