本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『裁判官が日本を滅ぼす』門田隆将

2006年03月24日 | ノンフィクション
本当にこの報道はどう理解すべきなのでしょうか?

★大阪地裁所長鳥越健治さん(現広島高裁長官)が路上で襲われ重傷を負った事件で、大阪家裁は23日、無実を主張していた高校生の少年(16)について「捜査段階の自白は信用できる」として強盗致傷の非行事実を認め、中等少年院送致とする保護処分を決定した。

事件では同地裁が20日、少年らの自白の信用性を認めず「(少年を含む)5人で事件を実行したという起訴事実は明らかに成り立たなくなった」として、共犯とされたトラック運転手☆敦史被告(31)ら2人に無罪判決を言い渡したばかり。刑事裁判と少年審判で判断が分かれる結果となった。★

という、まったく地裁と家裁でまったく逆の判断ですが。

本書で著者が指摘する裁判官のおかしな判決や裁判官の人格が仮に半分が事実だとしても、驚きを隠せませんでした。裁判官は正義の味方であり、真実を追求するのもだという概念を根本的に覆される内容でした。

15章に渡って具体的な判例を挙げ、徹底的に裁判官を批判しています。裁判官を、エリート意識の塊であり、世間知らずの無知であると述べられています。

単に著者の感覚だけでなく、取材に基づいた内容であり、実際におかしな判決を言い渡した裁判官の実名を挙げ、直接取材も行なっています。

読んでいく中で、怒りにも似た感情が自分に湧き起こってくるのが分かり、早急な司法改革が望まれる思いがします。とにかく驚きの連続でした。法律論が難しいのはわかりますが、難しすぎるのは本末転倒のような気がします。何を守るのでしょうか?

オウムや筋弛緩剤の裁判、さらに裁判委員制度など、専門的でわかりにくいのですが、かなりの問題を含んでいそうです。


裁判官が日本を滅ぼす

新潮社

詳  細

http://tokkun.net/jump.htm


最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (猫研究員。)
2006-03-24 01:30:20
TBどうもありがとうございました。

「裁判官が変」というトピックスの書物はいくつか見かけるようになりましたね。司法試験の問題などを見てみると、さもありなんというような変な問題が並んでいたりします。

司法の機能が国民から不信の目で見られる社会というのは極めて不幸なものです。司法界も抜本的な改革が急務だと思われます。
返信する
コメント・TBありがとうございます (VIVA)
2006-03-24 01:41:50
司法試験の問題にそもそも問題があるというご意見なんですね。ありがとうございます。どこかで問題を見つけて検討してみたいと思います。
返信する
Unknown (猫研究員。)
2006-03-25 01:45:28
興味がおありでしたら、書店で司法試験の参考書のコーナーをご覧になってみてください。論述問題はまあいいとして、選択肢の問題なんてまるでパズルで「これの訓練ばっかりやってたら人間性がどうにかなってしまうのも無理はない」という気になります。もちろん、そういう試練をくぐって、なお且つ立派な人間性を失っていない方も多いとは思いますが…。
返信する
ありがとうございます! (VIVA)
2006-03-25 09:27:20
わざわざアドバイスをいただき恐縮です。ぜひ、見てみます。
返信する
慣習法という問題 (ceeceelemon)
2006-09-19 13:28:22
何十年か前は、このおかしな裁判官と同じ感覚で、ちょっとでも疑わしきは罰せず、被告人の人権を守れ、って世の中の皆が思っていました。その思いに添った判決がされましたが、それが、先例という基準になって固定されると、世の中の変化についていけない現象だと思います。毎日忙しいお仕事に忙殺されていると世の中の変化を感じる暇はありませんが、それが事裁判官だと大問題ってことでしょう。ただ、最高裁の方を向いて同種の判決をだす(組織であればむしろ義務)のと、再就職先の銀行のゴキゲンを伺うのとは違います。銀行はかなりひどいことをしても敗訴しない現実は、裁判官個人の人間性の問題です。(本読んだの昨日なので遅くなりました)
返信する
ceeceelemonさん (VIVA)
2006-09-19 14:09:32
丁寧なまた参考になるコメントありがとうございます。三権分立ということがあるので、ご指摘のような問題があるとわかっていても、簡単には手を付けられないのでしょうか。



しかし、裁判官がこれでは困りますし、何よりも国民から信頼されない裁判制度の国になってしまったら最悪ですね。
返信する