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『国家の罠』 佐藤優

2006年06月22日 | 政治・経済・外交
  
唐突ですが、 【 藤原正彦 VS 櫻井よしこ 】 といったら何を想像されるでしょうか。両者とも憂国の大物論客であり、多くの支持者は重なるはずです。

お二人でまったく異なるのは、本書に対する評価です。ある賞の選評において、藤原氏が『不屈の精神に感動した 』 と絶賛すれば、櫻井氏は『事実関係をとりまちがえてきた』 とバッサリ。いかに本書が、センシィティブなものかということの証左です。

詳しくはこちらをご覧下さい。http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20050922bk09.htm (読売新聞)

さて、今日報じられた(産経新聞ではトップ) 大きな動きとは…
第二次大戦時の外相、東京裁判でA級戦犯とされた東郷茂徳氏の孫にあたる、東郷和彦氏。本書にもたびたび登場する、「エリート中のエリート外交官」でしたが、鈴木宗男代議士や、本書の著者である佐藤氏との関係を糾弾され、外務省を追われました。

私は逮捕を逃れるために、海外に逃げていたと思っていました。一審で証人申請され、それを拒んだのですが、4年の沈黙を破って、とうとう佐藤氏擁護の立場で、証言しました。外務省には衝撃が走ったようです。

つい最近も村上ファンドの村上世彰氏が逮捕されましたが、こういう著名人、大物逮捕劇の裏には、複雑な構図、血みどろの権力争いなどが絡んでいるものだということが、本書を読むと推測できます。

佐藤氏は本書で、自分の逮捕劇を“国策捜査”、外務省の権力闘争として、ほとんどすべて実名で外務省の幹部、政治家、検察などを告発します。特に逮捕後の検事とのやりとりは生々しく、時間を忘れて、読みました。

本書の内容が全て真実であれば、ノンキャリアでありながら貴重なロシアとのパイプを持っている氏を“いけにえ”にするとはとんでもないことです。一方、キャリア外交官で佐藤氏同様の容疑を持たれながら海外に逃げている東郷氏、彼が逮捕される日が来るのかを注目していたのですが、昨日、法廷に出てきたというわけです。

はたから見ておりますと、佐藤氏を“売って” おきながら、自分は身の安全を図っているように見えていたのですが、当の佐藤氏自身が、東郷氏は “国家のため” に働いていたとして、うらむどころか、高い評価をしていたのです。

これまでの東郷氏の行動の真意はわかりませんが、これで外務省に宣戦布告をしたようなものでしょうか。つい数日前、佐藤氏が、ラジオで田中康夫長野県知事と対談していたの聞き、以前と違う明るい声が印象的だったので、何か…と思っていたところ、今日のニュースでした。

田中真紀子氏が外務大臣に就任して以来、ずっと続いていた外務省の混乱は、鈴木宗雄氏や佐藤氏の逮捕でようやくケリが付いたかたちになっていたのですが、これでまた、動くでしょう。佐藤氏が指摘する『国策捜査』、 裏で糸を引いている存在が明らかになることを願います。とにかく本書は、外務省を揺るがす一冊であったことは確かなようです。

私は本書の続編である『国家の自縛』 の方を先にブログで書きました。そちらも衝撃的ですので、興味のある方はお読み下さい。


http://tokkun.net/jump.htm

P.S.
時々このブログにコメントを下さる、『日暮れて途遠し』さんのブログに裁判の様子や、弁護士の方のコメントがありますので、ぜひご覧下さい。日暮れて途遠しさんはずっと佐藤氏に注目されていて、私にも、いくつか資料や書籍の紹介をいただきました。

http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/7452aa557a2710a6deac014c88baf821


国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

新潮社

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10 コメント

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佐藤氏の著作、私も読みました。 (蛾遊庵徒然草)
2006-06-22 17:06:17
初めまして。早速にTBありがとうございました。私も、昨年、9月「国策捜査」を読んで以来「国家の自縛」、「国家の崩壊」と興味をもって読みました。後の二冊は、最初の一冊ほどのインパクトは受けませんでした。一つの知らなかった情報としての新鮮さはありましたが。

 それよりもショックだったのは、読売の書評ですか、新潮社選考に桜井氏の異議で落選したとのこと。桜井氏が自分の意見が通らなかったと言って審査員を引くと言うなら辞めてもらえばよかったのです。

 桜井氏は、最初の頃はその見解になるほどと思わせるものが多かったのですが、最近は

何か相当に偏向して、妙に一昔前の右翼的言動が鼻につく感じがします。

 所詮、時評なんてものに真理なんかはありえないと私は思います。現時点で何が一番妥当か、少しで多くの人がなっとくできるものであればそれでいいと思います。

 にも係わらず、自分の意見こそが絶対だと固執する観のある、最近の氏の論評には不快感を覚えます。特に靖国問題など。

 具体的事実を示さず相手を一方的に断罪するなど言論人としての基本的マーナーいはんではないでしょうか?

 ま、ここで彼女をあげつらっても馬耳東風でしょうが。
予約しました (浜の偏屈爺)
2006-06-22 20:04:49
VIVA 読書子様 今晩は TB有難う御座いました 早速市の図書館に予約を入れましたら90人待ちでした 本は30冊ほど有るので

1冊3人待ち 最長2週間借りられますので夏休み頃読めそうです 他にも面白い本有りましたらご教示願います さて桜井先生はバリバリの保守かつ右翼でしょう 彼女の史観は部分的に正しいが幅が狭いので一寸気をつけて作品を読むようになるとその説得の為のトリックか視野狭窄に気が付くようになります そうなるともうジャーナリストを名乗る人のものとは爺には思えないのです 又
早速・・・いや偶然ですが (bucky)
2006-06-23 09:55:17
今朝の新聞の「村上ファンド事件 何が問われているのか」に佐藤優氏が説が載っていました。小泉政策には大きな流れが2つあって、その一つからライブドアや村上ファンドのようなものが表出してきた。だが、それが行き過ぎるとバランスを取るための、やはり国策を感じるというような内容だったかと。がぜん興味を持ちました。いつもの書店に立ち寄って見ましたが残念ながら本が見あたらず・・・探してみます。

ところで、櫻井氏は、私も↑のお二方のようにチョット・・・が正直なところです。
コメント御礼 (VIVA)
2006-06-23 18:54:27
意外にも、みなさん櫻井氏にあまり好印象を持たれていないのですね。以前、テレビで、道路公団問題を扱ったとき、猪瀬氏との討論で、猪瀬氏の主張を無視するような議論の進め方に、かなり違和感を覚えましたが。ネットを見ていますと熱烈なファンがいるんだなと思っておりましたので、みなさんの冷静な分析眼が勉強になりました。ありがとうございます。



それはそうと本書、図書館でそんなに人気なのですね。裁判の行方も本当に目が離せません。
TB,コメンントありがとうございました。 (日暮れて途遠し)
2006-06-23 22:30:37
ご無沙汰しています。「真実無罪」以来ですね。

VIVAさんの記事で、藤原正彦氏と櫻井よしこ氏の新潮ドキュメント賞の経緯を紹介した読売記事が出てきますが、将に私が佐藤優氏と国家の罠にのめりこみ、ブログも始めたきっかけでした。

ところで、藤原正彦氏が佐藤優氏と「小説新潮7月号」で対談しています。出だしは藤原さんが「新潮ドキュメント賞以来佐藤さんにお会いしたかった」です。藤原さんがインテリジェントを題材としたノンフィクション小説を書かれるようで、対談の様子から藤原さんが諜報の世界に詳しいこと分かりました。佐藤さんは勿論ですが。ところで、国家の罠に魅了された方なら、「自壊する帝国」は必読です。未読であれば是非どうぞ。
日暮れて途遠しさん (VIVA)
2006-06-24 15:30:13
そうでしたか、ではいよいよ正念場ですね。佐藤氏は本当にすごいと思うのですが、そちらのブログを拝見しておりますと、東郷氏、出廷の真相もひょっとしたら明らかになるかもしれないと思いました。佐藤氏の正義というか、執念がここまでは実った形ですね。本当にこれからで、予断を許しませんね。
Unknown (30歳塾講師)
2006-06-25 14:38:26
「国家の罠」、早速さがして読んでみたいです。



「国家の罠」から話がずれて恐縮ですが・・・、

桜井よしこさんの態度についてのお話を拝見していて、

このブログに集まる方々はとてもバランスのとれた意見をもっておられる、と勝手に思い込んで、ちょっとみなさんに教えていただきたいことがあります。



私は日教組の教育をもろに受けて育った世代です。

「日本がやったことにはいいこともあった」発言をした政治家が失脚させられたり、

「侵略」を「進出」に書き換えた、と大騒ぎになったことや

従軍慰安婦の問題を10代のころに見聞きしてきた世代です。



いろいろな意見があって当然なのを、一方的に「左派」が

封じている印象をもち、違和感を感じつづけてきたのですが、

最近になって桜井さん、藤原さん、会田雄次さんや山本七平さん、谷沢永一さんといった「憂国」の論客の本を読む機会が増え、

今まで抱えていた違和感が解消し、

こちらの方々がおっしゃることの方が真っ当なのではないか、と思うようになりました。

30代の人間に私のような人間は結構いるのでは?と思っております。



しかし「ネットウヨク」「ぷちナショナリズム」と揶揄され、親世代の人からは「流行に流されているだけ」といわれてしまう始末。

(少なくともネットウヨクではないです)



皆さんの目から見て、私のような30代って、どのように映りますか?よろしければ教えて下さい。
30歳塾講師さん (VIVA)
2006-06-25 16:27:09
どのあたりに言及すれば、塾講師さんの満足のいくお答えになるのか定かではありませんので、ちょっと難しいのですが…、



何かの本で読んだ話ですが、なぜこれほど左系の人々が力を持つようになったかというと…、



かつて、右というのは、どんな無学でも“天皇万歳”と言っていれば、活動家になれた。逆に左は、労働者革命にいたる、国家というものはやがて消えていくなど、理論の勉強が必要で、時代背景もあり、それがインテリ層の心を急速にとらえた。



学生運動をしていた大学生や、当然学校の先生たちにもたくさんいたでしょう。そういう先生方に教育を受けた人々がそろそろ定年に近付いているわけですが、ということは今は、最高権力に近いポストに群がっているともいえます。発言力は強いですね。



ただ、長い目で見れば、それもまた、一つの時代の流行であったのではないでしょうか。実際にそれに気付いて、元“左”という論客も大勢いるようです。



今はどうでしょうか、冷戦が終わり、北朝鮮などの実態が明らかになり、単に、地球市民とか、“日本が悪かった”とさえいっていた人々のあやうさが明らかになりました。慰安婦問題などは今、教科書に出ていませんが、誰も責任を取らないままになっています。



当時とまったく逆で、勉強をする、つまり先生たちや教科書を疑ってかかるという、インテリでないと、右になれない。30代の人々には、そんな時代背景があるのではないかと思っております。



“流行”という言葉が『すぐに消えるもの』『信念がない』『流されている』という、マイナスの響きがありますが、それほど悪いものではありません。一歩引いてじっくりご覧になればよいのではないでしょうか。



『ネットウヨク』『プチナショナリズム』と批判することも、流行のうちですから。つまり議論の本質ではありません。右・左という言葉も変化し始めていますね。



個人的には、大事なことは、双方の聞くに値するものは、両方ちゃんと聞く、本を読むという態度だと思っております。自分の意見はおいておき、虚心坦懐、右・左関係なく、どうしてその主張が魅力的なのかを分析してみたいなというのが私の考えです。
ありがとうございます! (30歳塾講師)
2006-06-27 22:30:24
VIVAさん、コメント本当にありがとうございます。

今までこういう話題を出すと感情的な返事が返ってくることがほとんどだったのですが、

非常に落ち着いた冷静なコメントをいただけて、本当にうれしいです。

「双方の聞くに値するものは、両方ちゃんと聞く」

本当に大切なことですよね。

私もこれからもっと読書に励みたいと思います。

これからもどんどんおもしろい本をブログに載せて下さい。

楽しみにしております。
国家の罠 帯譲ってください。 (しま)
2007-09-24 08:23:05
内容と全く関係ないのですが、知人からバイブルと言われて借りた国家の罠の帯を汚してしまいました。
第22版の本についていた帯で、
「第59回毎日出版文化賞特別賞受賞 外務省、検察庁を震撼させた衝撃のベストセラー」という帯です。

この帯を探しているので、どなかた持っている方連絡下さい。

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