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『最終弁論』マイケル・S・リーフ

2006年05月10日 | ノンフィクション

ライブドアの前社長・堀江貴文被告の公判に関して、弁護側は、起訴事実を否認して全面的に争う姿勢を正式表明しました。堀江氏の弁護士は例によって、ヤメ検(検察出身の弁護士)だそうです。

このブログでもこれまで、村上正邦氏を扱った『真実無罪(宮本雅史著)』や、『裁判官が日本を滅ぼす(門田隆将著)』、『国家の自縛(佐藤優著)』をご紹介し、裁判というものを興味深く見てきましたが、堀江氏の裁判もどうなるか注目です。

本書は、アメリカ史上に残る6つの裁判の名最終弁論を再現したものです。

アメリカ映画でもよく裁判シーンが出てきます。陪審制度の国ですから、検察や弁護側がショーさながらのパフォーマンスと正義感で議論を戦わせるシーンが私は大好きです。ただし、本書で扱うのは、“本物”。当然ですが、映画のようには、そううまくことは運びませんし、時間がかかります。

扱われているのは、原子力企業の犯罪を暴いたシルクウッド事件、狂信的宗教団体による凄惨な殺人事件、ベトナム戦争で無実の人々に対する虐殺事件、白人が黒人の公民権運動家を射殺した事件などです。

歴戦の法律家たちが言葉の限りをつくし、陪審員の心をとらえようとするさまは圧巻です。中には30年以上経ってから勝利を勝ち取った例も出てきました。アメリカでは、少し前まで、白人が黒人を殺すことが犯罪かどうかすら議論の分かれるような国でしたから、名演説もさることながら、この記録を読んでいると、アメリカの抱える深刻な社会問題に関しても考えさせられます。法学部志望者には一読をお薦めします。

イラク戦争におけるイラク人捕虜虐待の罪で、軍事法廷が開かれ、さっさと有罪が認められた茶番のような裁判もあります。東京裁判にしても、イラク戦争での裁判を見ても、アメリカのことを「愛と正義の国」などと言ってもちょっと信じてもらえないでしょう。えひめ丸の沈没事件を裁いた軍事法廷における軍人に対する処罰の甘さも、日本人にとっては後味の悪いものでしたし、OJシンプソン裁判の妙な判決もありました。

つい最近も北米トヨタの秘書がセクハラを受けたとして、なんと215億円というとんでもない額の損害賠償を求める訴えを起こしたというニュースがありましたが、正直、普通の日本人の感覚では理解不能で、絶好調トヨタに対する政治的思惑を感じている人も多いですね。

本書にある、正義の演説や判決が『当たり前』ではなく、『特殊な例』として取り上げられるのかと勘ぐりたくなってしまいます、というのは言い過ぎ。

http://tokkun.net/jump.htm

最終弁論―歴史的裁判の勝訴を決めた説得術

朝日新聞社

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2 コメント

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御礼 (kazu4502)
2006-05-13 00:51:34
TBありがとうございます、大変遅れまして申し訳ありません、いいブログですね。

今後ともよろしくお願いいたします。
こちらこそ (VIVA)
2006-05-13 14:18:48
わざわざコメントを残していただけただけで恐縮です。よろしくお願いします。

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