![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/35/2b5483d242a4a16ebfc2e67e5bc4024e.jpg)
なんで、また急に漱石かと申しますと、昨日、こんなことがありまして、予定変更です。
夜、教室を閉める時間になって、当塾 の自習室に最後3名の生徒がおりました。高2のA子、高3のB男、浪人のC子です。すべて英語は私が担当しております。
私 『お~い、そろそろ閉めるぞ、あれ、何読んでんの?』
A子『えっ、夏休みの宿題で、夏目漱石の“こころ”なんですけど、よくわからなくて…』
私 『何で?“こころ”って読んだことないの? 聞いたことぐらいあるだろうに』
A子『う~ん、ない』
私 『うっそ、ダメだなぁ~、“こころ”は高校生の必読書だろ?なぁ~C子?』
(C子はダビンチコードも東京タワーも読んでいる本好きです)
C子『えっ、いや、その、名前は知ってはいますが、読んだことないんで…』
私 『なにぃ~、おまえ、東京タワーより先に読むんだよ。高校生は!』
B男『あの~、すいません。“こころ”って何ですか?』
私 『く~』
実は、“ゆとり教育” のせいで、国語の教科書から、いっせいに明治の文豪の作品が姿を消してしまったのです。載せているものもあるんですが、おもに、夏目漱石や森鴎外、芥川龍之介などの名作が省かれてしまいました。高校の国語の教科書に載っていたはずの、“こころ”を、ゆとり世代の彼らは読んでいないんですね。
イギリス人は見栄をはってでも、自国の誇りであるシェークスピア全集を家にそろえたがる、と聞いたことがあります。何となくうらやましい文化継承ですね。旧仮名使いで難しいからというだけで、いっせいに教科書から省いてしまう日本の教育界。ちょっとおかしいと思いません?
これではますます世代間のコミュニケーションができなくなってしまいます。彼らは、大変成績優秀な生徒たちですが、このありさまです。東京タワーの前かどうかは、ともかく、小林よしのりよりは、先に漱石を薦めるべきかなと思いまして(笑)、載せた次第です。頼むから、夏休み中に読もうぜ、というわけです。
ただし、こんな名作の解説は国語の先生に任せます。しろうとの私には、その度胸はありませんので、ただ『読んで欲しい! MUSTだ! 』と叫ぶのみです。(英訳された『Kokoro』 は大学入試の英語学習に使えます。日本語で読んだら、ぜひ英文を見てください)
ついでにもう一つ。名作は“本”として手元に置いて読んで欲しいのですが、今や著作権の切れた、漱石、鴎外などの作品のほとんどは、ネットで無料で読むことができます。青空文庫 で探してみてください。『こころ』はもちろん、『三四郎』でも『坊ちゃん』でも『舞姫』 『高瀬舟』、何でも読めます。
買う前にちょっと読んでみたり、苦にならないのなら、ネットで読んでみても良いでしょう。とりあえず、こころのファイルを置いておきます。 → 『こころ 』
http://tokkun.net/jump.htm
『こころ』 夏目漱石
新潮社:378P:380円
![]() | こころ岩波書店詳細 |
■■ シェークスピアを読んでいないイギリス人ももちろんいるでしょう。でもこれから世界で活躍しようという意欲あふれる日本の若者には、英文学よりも、自国の文学の名作や文化を紹介できるような教養を、ぜひ身に付けてもらいたいですね。親世代と一緒に読めるものが、教科書にはぜひ欲しいと思うのですが、そうかなと思われましたら、クリックをしていただけるとありがたいです。 ■■
![にほんブログ村 本ブログへ](http://book.blogmura.com/img/book80_15.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/39/d3/0d1def56cf6c8bb39722dd39f0e53e5f_s.jpg)
![ブログランキング](http://img.rankingnet.com/03/blogranking80.gif)
P.S. そういえば以前こんな記事も紹介しましたね。記事の下の方で…。 → コレ です
でも、最近あんまりブンガクの気分ではないのです。これは、何故かなぁ。年齢?環境?
いや、だから、若い皆さんは読んだ方がいい、「読み時」ってありますからね。
何がいいたいのか・・・私にとっての次の「読み時」はいつ来るかなぁ。
失礼しました。
意味がわからないところは飛ばす癖が、この頃に形成されたと思います
若い方には、無理してでも時間の合間に読まれると良いでしょう。
しかし、宿題は大変だったです。
今は、宿題って少ないのでしょうか?
昔読んだことがあります!
とりあえず足跡残しておきます。
クリックしてますよ!
A子さんは大変そうですね笑
『舞姫』はのっていましたね。
ただ、
以前でも旧かな、旧漢字では
載っていませんでした。
私は結局の處、正字正假名に戻すしかないと思います。
今の字体で直された文豪たちの書物を読んでも昔ほどの感動は得難いですし、
何より新字は合理性が欠けているので、漢字習得も難しいです。
いつもコメント本当にありがとうございます。
ですから、休みだと小説でも読もうかな~という気分になります。