恋人は日本茶☆東京茶業青年団

もう日本茶しか愛せない東京のお茶屋若旦那衆「東京茶業青年団」の恋人(日本茶)を紹介する日記です。

私の名前・・・

2008-07-25 09:40:32 | Weblog
第38回東京都優良茶品評会 審査会

そうです
私の名前の由来は
「内質審査」に用いる用具の「網匙〈あみさじ〉」です

内質審査とは、熱湯で茶葉〈ちゃよう〉を展開させ
網匙で茶葉を掬い
表面的(外観審査)では思い至らない内面的情報を
対象となるお茶からアウトプットさせるのです

たとえば、
「ベッピン(形状〈けいじょう〉・色沢〈しきたく〉とも申し分ない外観状態)
であるが、一皮剥けば、予想外の欠陥を持つ」
「『不可無し』と思いきや、味の構成バランスが伴わず、一言で表現して不味い」
など、形勢逆転『お里が知れる』こともあれば、
一方、
「何の変哲もないお茶が、絶妙のバランスに支えられていて、心を奪われる
「不恰好な外観ではあるが、芯が強く、飲み応えがある」
などのように、包んでも滲み出る「育ちの良さ」という場面もあるのです。

当然、審査では予見が介在しては公平性が保てません
従って、「ブラインド・テスト」が常識となります。
同一の審査茶碗の外底部に審査番号が記されています



内質審査は
「香気〈こうき〉  =かおり」
「水色〈すいしょく〉=浸出液の色相・明度・彩度・濃度や沈渣〈ちんさ=オリなど〉」
「滋味〈じみ〉」  =単なる美味しさではなく、情報を細分化した「全方位的味覚評価」



以上が3本柱ですが
外観審査では捉えきれない茶葉の状態をも併せて判断します

「お茶は嗜好品」なので
嗜好的判断が必要とされる場面もありますが
その場合でも、「個人の嗜好に偏った判断」は考えものです
「消費者全体」とは言わないまでも
「かなり広い視野で捉えた嗜好を背景とする」ことが求められているのです
ましてや、
根底に位置する「揺るぎのない品質評価」が
絶対的な前提条件であることに異論はないでしょう
それゆえに、
責任も重く、かつ、やり甲斐も大きなものなのです

「審査」とは
全国各地の茶産地で栽培・製造・加工の現場への
「フィードバック」でもあるのです


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4 コメント

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ごしつもん (おちゃけ好き)
2008-07-26 13:15:39
私は濃い目のタイプのお茶が好きですが、すっきりとしたタイプのお茶専門、濃い目のタイプのお茶専門の鑑定の方と専門が分かれているのでしょうか?

やはり普段飲みつけていると、どうしても好きな方に旗を挙げてしまいそうですが・・・
返信する
毛(?)を抜いちゃえば⇒「お茶好き」 (網野 匙太朗)
2008-07-31 14:15:04
先ずはじめに
世間では、「毛深いご仁は情けが厚い」と申しますが
コメントを頂いた「おちゃけ好き」さんには
是非、脱毛して、正真正銘の「お茶好き」さんになることをお奨めします

「濃い目のお茶が好き」とは
お主、なかなかの使い手と観た

などと、冗談はさておき
担当を細分化し、専門度を上げ
ひいては「鑑定精度の向上を目指す」のは
非常に良い事だと思います
ただし、これはあくまでも私見です
我々のような「青二才」はまだまだ、途上の身
弛まざる修行あるのみ なのです

ただ、一点
「やはり普段飲みつけていると、どうしても好きな方に旗を挙げてしまいそうですが・・・ 」
とありますが

これは誤りです
「鑑定」とは「嗜好調査」ではありません
客観的な視野で、絶対的な価値判断が求められます
したがって、個人の嗜好に影響されるようでは
正確な鑑定評価は望めません

そう、「言うは易く、行うは難し」です
だからこそ「日日之修行」なのだと思います

繰り返します
一日も早い「脱毛」をご検討下さい
返信する
修行の道は険しいですね (おじゃる丸)
2008-07-31 23:55:50
日本茶インストラクターの私。
お茶業界の皆様には「素人が何を言う!」みたいに思われるかもしれませんが・・・
日々、「一煎入魂!」で精進している、日本茶の大ファンであります。

「日本茶を愛する心はひとつ!」ということで、どうぞよろしくお願いします。

鑑定のお話、とてもためになりました。
どうしても自分の好みが前に出てしまうので、今後ニュートラルな感覚が持てるよう、努力したいと思います。

これからも、いろいろご指導くださいませ。
返信する
Unknown (ちゃー)
2008-08-05 15:20:40
皆様のコメント拝見させて頂きました。

私もなかなか「毛」が抜けない者ですが、どのようにすれば脱毛出来るのでしょうか??

ということは、脱毛された方ばかりが、正確に公平に判定されているんですね。

さすがはプロです。今後も楽しく拝見致したいと思います。
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