本日の本経済新聞の「春秋」に、中島敦の「名人伝」が引用されておりました。
中島敦は「山月記」でご存知の方が多いかと思いますが、
この「名人伝」は、その反対にあり、物事を突き詰め、悟った人の物語です。
日本では、剣術や弓道を、また茶道も禅の精神を表した「剣禅一味」「弓禅一味」そして「茶禅一味」という言葉があり、
究極は一つの精神なのでしょうが、この「名人伝」では、弓の名人が「不射の射」最期には弓すら忘れる境地を描いています。
さて、去る9月19日に鹿児島県の茶流通センター「ちゃぴおん」において、
第62回全国茶審査技術競技大会が行われました。当日は、全国各地区団から厳しい地区予選を勝ち抜いた約120名の選手が集まり
お茶の鑑別競技が行われました。詳しくは当組合ホームページをご参照ください→闘茶会の様子
レベル3の桜島、穏やかです。
結果から申せば、東京茶業青年団は団体で4位と1点差の僅差の5位、1位との点差も大きくはなく、非常に接戦だった
手に汗握る大会であったということが言える結果だったと思います。
来賓の方々の祝辞も心に銘記すべき、素晴らしいお言葉を頂き、全国茶業連合青年団の森団長も
「この技術を消費者の方々に伝えるために手段として活かしてください」的な挨拶があり、
(すいません、一言一句正確ではありませんが、このような大意であったのは間違いありません)
東京茶業青年団の選手の方々の成績を鑑みるに、全国でも十分に胸の張れる成績に、
より一層大消費地・東京の消費者の皆様にお茶の素晴らしさ、魅力をお伝えできる一流の技術は
あるものと確信を致した次第でございます。
(懇親会の様子)
全国大会も終わったこの上は、お茶の東西も忘れ、茶期も忘れ、品種も忘れ、(お茶は忘れられませんが)
技術も忘れ、「名人伝」の如く、ただ、消費者・お客様とお茶を通して、楽しんで
喜んで頂ければ、まさに「茶禅一味」「名人」の境地に近づくのではないかと、
感じる今日この頃です。
一歩一歩の修練には、良き師の存在が必ず必要です。
今回もご指導頂きました、諸先輩方に厚く感謝をして御礼申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
とはいうものの、名人なになるまでは、更なる精進に次ぐ精進が必要ですので、
勝手に「名人面」しないように、気を付けるずら~!