「鳥は何だと?」
「案内を」
「……まさか、」
ヒロノは目を細める。
「山を下りるのか」
「そう」
メグミが云う。
「さあ、人を集めてちょうだい」
「人を?」
「当たり前じゃない」
「危険だ」
「だから、人を集めてと云っているの」
「お前の暴走が危険だと云っている」
「あなたも来るでしょ、ヒロノ」
その言葉に、ヒロノは杖を鳴らす。
「これ限りだぞ」
ヒロノの後ろに控える者に、ヒロノは合図をする。
すぐに、その者は動く。
「フタミ様にどう説明するんだ」
イライラしながら、ヒロノが訊く。
「いったいどこへ行くと」
「決まっているでしょう」
メグミは鳥を見る。
「儀式の場所」
「儀式の?」
「そう」
「まさか、カオリが?」
ヒロノはメグミを見る。
メグミは首を振る。
「それは判らない」
「だろうな」
ヒロノは息を吐く。
「失踪したやつだ」
「でも、大丈夫」
「大丈夫? 何が?」
「きっと、生け贄のことが解決するんだわ」
集まった者をメグミは見る。
「火事のあとだ」
ヒロノが云う。
「力のあるやつを皆は連れていけない」
メグミも頷く。
その顔触れに、ナオト=イ=ミヤもいる。
ナオトが云う。
「うちの一族に裏が潜んでいたと云うのは本当か」
「ええ」
「その者が、この火事を起こしたと?」
「はっきりとは判らないわ」
「なら、」
「おいおい」
ヒロノが口を挟む。
「考えるだけ無駄だ」
云う。
「そいつらに直接聞くのが早かろう」
「そうね」
メグミは鳥を放つ。
「さあ、行きましょう」
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