
本日はコミックマーケット95の3日目が開催され、私も新刊を作って参加しました。
新刊と言っても戦車サスペンションの本のⅠ~Ⅲをまとめて「戦車サスペンション百科」
と名を改めた本を作ったのです。サス本は当初、350円でイベント販売していましたが、
採算ラインギリギリで書店での販売を切っ掛けに500円+税とし、コミケでは参加費用が
高いこともあって400円としていました。サス百科は三冊を一冊にまとめた上で1000円と
かなり割安感のある価格設定ですが、それぞれのサス本に重複しているページ(表紙や
目次・前書き後書き付録)を一つにした分が浮いて、90ページに収まるという目論み
がありました。
印刷の関連で8の倍数である88ページと言う事になり、目次を見開きにして各章に
扉を挿入したために、実際には省略する記事も出てきました。コミックのStopGapと戦車
に直接関係のないシトロエンの見開きを省き、代わりに日本戦車に関する追加研究を数
ページ挿入し、記事を組み替えたり文字サイズを詰めたり、工夫を重ねてなんとか形に
する事が出来ました。
記事の組み替えによって、一つの話題をできるだけ見開きで閲覧できるようにした他、
時系列的に無理のない流れと国別記事の集中を心掛けたのですが、凡ミスがかなりあっ
て少し残念な出来になってしまいました。

初版とあって、書店納入分も見越して少し多めに刷ったつもりでしたが、昼過ぎ頃に
はあっさりと完売してしまい、まだ売れる勢いだったのは驚きました。毎回、「コミケ
ってすごいわー」「コミケって怖いわー」という感想しかない圧倒的な物量です。初版
にはコミックをコピーのペーパーで挟むと言う事をしていますが、今回は4ページに増
量して挟むことにしました。しかし時間が押して作業と売り手の競争になり、最後には
間に合わなくなってしまってお客さんに待たせる始末です。売れ数のカウントも、パソ
コンを開いていると作業スペースがなくなるので手描きの正の字で対処しました。
帰りに書泉ブックタワーさんによって見本誌を届け、すぐに発注を受けたので年明け
早々に増刷します。御迷惑をかけた方々申し訳ありませんでした。ブースに寄って下さ
った方、又本を手に取って下さった方々、そして買って下さった方々、ありがとうござ
いました。今後ともT.N.T.SHOWをよろしくお願いいたします。

新刊は良く売れたものの、既刊のサス本Ⅲは程々の売れ行きしかなく、総集編が横に
ある関係もあってⅢはいらないけどサス百科を買う判断の方がずっと多かった印象です。
Ⅰを電子書籍化し、Ⅱを廃刊してサス百科に吸収させ、Ⅲの販売を来年いっぱい続ける
という戦略ですが、Ⅲの在庫が一年で無くなってくれるかどうかは神のみぞ知ると言う
ところかもしれません。ところが今回、関西から来たらしき年配の方が、机に出ている
分だけ売ってくれと驚くべき注文をされ、さらにもう一回やって来て同じだけ買って行
かれるという夢のような場面に出くわしました。私にとっての福の神様です。彼は、そ
の本を他の仲間に持って行って代金をもらうような事を言っておられましたが、一体ど
ういった素性の方なのか…失礼に当たるので訪ねませんでしたが、まことに貴重な体験
となったのでした。
こうした幸運やハプニングは別にして、実力で本を売るにはこれからも何らかの形で
軍関連の解説本を継続する必要があります。一方でコミックにも力を入れていきたいと
いう考えに変化はありません。そうなると、おのずとミリタリー関連のコミックへと舵
を切らざるを得ないのではないか?と思えてきました。これに関してはまだインスピレ
ーションの域を出ていないので、実現するには具体的な方策を考えなければいけません。

今年は何かと忙しい年でしたが、来年はどうなるのでしょうか?今年の概観に関して
は項を改めます。