Kou Farm

畑の話と日々の雑談

心の拠りどころ

2024-05-23 15:19:54 | 日々の事
江戸の昔 人の移動には制限がありましたが
僕が思っていたほどではないらしく
その代表例が参拝の旅
有名なお伊勢参りをはじめ 各地の寺社に詣でる参拝講があった
何日も歩いて泊りを重ねる 皆でいけない時は お金を出し合って代表者数名を行かせる
観光も兼ねてもいたのでしょうが 当時の人達はどんな思いで歩いたのだろう

僕の母は 80を過ぎ 戦中の生まれ 明治大正生まれの親に育てられました
そんな母は 仏壇の供え物や神棚の榊を事情が許す限り 欠かすことはありません
勿論 朝に夕に手を合わせます
ホントに感心します

昔々は 今では誰でも知っている科学的な知識を持ちませんでした
例えば台風
にわかに吹き始める生暖かい風 みるみるうちに風は吹き荒れ 天が破れた様な大雨 
備えるいとまもない 収穫を迎えていた 茄子 キュウリ 瓜 などは煽られて傷だらけ 
なかには吹き飛ばされるものも 播いたばかりの人参は種ごと流される
お百姓達は 呆然と立ち尽くすしかなかったに違いない

自然は人に恵みをもたらすが 災いももたらす
災いが大きい程 当時のお百姓庶民は何を心の拠り所としてたのか
それは信仰なのかもしれません
しかし それは今僕等の世代がイメージするそれとは ちょっと違うのかもしれない

仏壇の前に座る母は そんな時代の人々の末裔と思え
ちょっとだけ前代を垣間見たような気がします