*アリババのIPO価格は1株当たり68ドル、史上最大級の上場、調達額は218億$、
[18日 ロイター] - 中国の電子商取引会社アリババ・グGHD(BABA.N)は、米国市場での新規株式公開(IPO)価格を仮条件レンジの上限である1株当たり68ドルに設定した。仮条件レンジは66─68ドルだった。
調達額は約218億ドル。この額に基づくと、中国農業銀行(601288.SS)の221億ドル、中国工商銀行(ICBC)(601398.SS)の220億ドルに次ぐ規模。引き受け会社が株式の追加売却のオプションを行使するとの見方が優勢で、実施されればIPOの規模は史上最大となる。今回の売却株数は3億2010万株。さらに、今後30日間で最大4800万株を追加できるオプションが引き受け会社に付与された。時価総額は1676億ドルで、米アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)や電子商取引大手イーベイ(EBAY.O)を上回ることになる。
【上海=張勇祥】中国国有の商業銀行大手、中国郵政貯蓄銀行が香港取引所で新規株式公開(IPO)する。同取引所に上場を申請した。調達額は8000億円を上回る公算が大きく、16年で世界最大のIPOになる見通し。中国政府は国有商業銀行の上場を通じ、民営化や金融システム改革の進展をアピールしたい考え。
中国郵政貯蓄銀は中国国有で郵便事業を手掛ける中国郵政集団傘下で、日本のゆうちょ銀行に相当する金融機関だ。グループの郵便局網に店舗を併設し拠点数は4万にのぼる。3月末の総資産は7兆7076億元(118兆円)と中国の商業銀行では5番目に大きい。個人顧客の数は5億を超す。
中国政府は最大139億株の新株発行を許可しており、UBSなどへの割当価格である1株3.89元(約60円)をもとに計算すると、調達額は8300億円程度に達する可能性がある。調査会社ディールロジックによるとデンマークの電力大手DONGエナジーを上回り、16年最大のIPOになる見通しだ。
不良債権の増加に悩む他の商業銀行と異なり、中国郵政貯蓄銀の不良債権比率は3月末で0.81%と大手行の平均(1.73%)を下回る。融資業務を始めたのが09年と時期が浅く、融資の5割弱を個人向けが占めていることが背景にある。
中国政府にとっては、資産内容の比較的健全な中国郵政貯蓄銀の上場で、金融システムの健全性をアピールする狙いがありそうだ。
IPOに先立ち、15年12月には戦略投資家としてUBSや中国人寿保険、中国電信など10社を迎え入れた。持ち株比率はUBSが4.99%、中国人寿4.87%、中国電信1.66%。中国郵政集団が83%超の株式を握っている。*日経、