歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

宇治市・平等院 浄土院地蔵菩薩半跏像 南北朝期の作と判明

2008年12月29日 | Weblog
 平等院(宇治市)の宝物館「鳳翔館」で27日、新春展「影向の美」が始まり、塔頭(たっちゅう)の浄土院本堂に収蔵されている「地蔵菩薩半跏(はんか)像」が初公開された。
 ハスの上に着座し左手に宝珠を持った姿のヒノキの木像で高さ30.5cm、幅15cm。修繕のため寄せ木造りの像を解体すると、彩色が二重に施されていた。江戸時代に塗られた表面の胡粉(ごふん)彩色をすべて取り除くと、造像当初の金箔や朱色などの彩色が見つかった。江戸期の柔和な表情の彩色の下から、力強く引き締まった顔立ちが現れた。像の表情や彫り方などの特徴から14世紀の南北朝時代の様式と確認された。
 期間は来年4月24日までで、開館は午前9時から午後5時。要入館料。
[参考:共同通信、京都新聞]
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桜井市・茅原大墓古墳 第2次調査

2008年12月29日 | Weblog
 桜井市広報「わかざくら」(平成21年1月掲載)で、三輪山麓の大字茅原に位置する茅原大墓(ちはらおおはか)古墳において9月~10月に墳丘の東側で実施した第2次調査の結果が発表されている。
 茅原大墓古墳は、帆立貝形の前方後円墳。
「直径約70m、高さ約9mに推定される後円部の北側には、長さ約15m、高さ約1mの小規模な前方部を観察することができる」と記される。いままで、全長66m 後円部径56m 高さ8mとされていたが、今回の調査により全長約85mに訂正されるということなのだろうか。
 ホケノ山古墳(3世紀前半)は、全長約80m、後円部径約55m、高さ約8.5m、前方部長約25m、高さ約3.5mの規模であり、これまでは茅原大墓古墳より一回り大きいとされていたが、今回の調査により逆転されたわけか。
 今回の調査では、前方部東側で葺石が確認され、高さ約60㎝分が残存、約40度の傾斜をもつ墳丘斜面に沿って構築、使用される石は30㎝前後の大きさで付近の河原などから運ばれたらしいことがわかった。また、葺石の周辺からは、円筒埴輪片が出土した。
 築造時期は、出土した埴輪から古墳時代中期初頭(4世紀末頃)とみられる。
[参考:桜井市→文化財]
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