歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

橿原市・藤原京跡 最古級の九九早見表か

2024年09月05日 | Weblog
 奈良文化財研究所が4日、藤原京(694-710)跡から出土した木簡が、役人が使用した最古級のかけ算の九九が書かれた早見表とみられることが分かったと発表した。
 木簡(長さ16.2cm、幅1.2cm)は2001年に藤原京左京七条一坊の「衛門府」の推定地で一部のみ現存した形で出土。
 九九の並びから復元すると、最上段の右端が「九々八十一」で左端が「五九卌五」と推定。
 全体で8段5行で木簡は全長約326mmと想定できるという。
 日本では、これまでにも九九木簡は出土しているが、1段に2-3行しか書かれていなく、横5行で記した木簡は今回が初めてという。
[参考:共同通信。奈良文化財研究所HP、読売新聞、産経新聞、NHK]

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  九九木簡
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三重県・斎宮跡 過去最大の建物跡 奈良時代の正殿か

2023年10月15日 | Weblog
 三重県が13日、三重県明和町の斎宮跡(国史跡)で、奈良時代の正殿跡とみられる遺構が見つかったと表した。
 聖武天皇の娘の井上内親王(717-775)など8世紀の斎王が使っていた可能性が高いという。
 斎宮跡で、奈良時代の正殿が発見されるのは初めてのことで、これまでに斎宮で発見された建物の中で最大の規模を持つとともに、格式の高い特別な建物という。
 現地説明会が10月21日(土)に開催される。
[参考:共同通信、伊勢新聞、朝日新聞、毎日新聞、NHKニュース]

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 斎宮跡
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福島市・西久保遺跡 「鎮兵」を記した木簡が国内初出土

2023年09月25日 | Weblog
 福島市は21日、福島市平石地区にある西久保遺跡の発掘調査で、奈良末期から平安初期にかけて東北地方の防備を担った「鎮兵」と記した木簡(長さ29.6cm、幅2.5cm、厚さ1.1cm)が8月に出土したと発表した。
 赤外線分析の結果、「出羽国牒下野国司 鎮兵□□□之状□□□」(牒とは差し出すの意味)の18文字が記されていた。鎮兵の二文字が完全な形で残る史料が見つかったのは全国初という。
 鎮兵は平安時代に編纂された「続日本紀」に記述があり、蝦夷(えみし)の反乱を受けて陸奥国や出羽国を防備するために関東周辺から派遣された兵士。「鎮兵」は810大同五年五月~881元慶五年に5回ほど記されている。
 近くに古代の官道東山道の推定箇所があり、出土した建物跡の配置などを踏まえると、役所機能のある場所だったと考えられるとした。
出土した木簡は朝廷と蝦夷の対立が激化した776~806年ごろ、出羽国から下野国(現在の栃木県)の国司に宛てたものみられる。
 見学会が23日、遺跡内で開かれた。
[参考:福島民友、福島民報、時事通信]
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桜井市・桜井茶臼山古墳  石室内の銅鏡が103枚以上になることが判明

2023年09月07日 | Weblog
 桜井市の桜井茶臼山古墳(3世紀末、全長204m)で、石室内に納められた銅鏡が103枚以上に上ることが7日、わかった。
 103枚の鏡の内訳は三角縁神獣鏡26枚、画文帯神獣鏡19枚、中国製内行花文鏡9枚、日本製内行花文鏡12枚、鼉龍鏡7枚など。中国産が56枚、国産が21枚、産地不明が26枚。
 畿内の古墳での銅鏡の出土数は、京都府木津川市の椿井大塚山古墳(全長175mの前方後円墳、3世紀末)が2番目で37枚。奈良県河合町の佐味田宝塚古墳(全長112mの前方後円墳、4世紀末)が36枚、黒塚古墳(全長130mの前方後円墳、3世紀後半)が34枚と続く。
[参考:共同通信、産経新聞、朝日新聞、毎日新聞、奈良新聞、奈良テレビ]

過去のニュース
2020.1.9 81枚以上の銅鏡が副葬されていたことを確認
桜井茶臼山古墳
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南陽市・長岡南森遺跡 竪穴住居跡5棟が見つかる 豪族居館?

2023年07月13日 | Weblog
 2017年11月に、東北で最大級と推定される前方後円墳「南森古墳」(全長約161m、4世紀後半頃築造)が見つかったとされていた南陽市長岡の長岡南森遺跡は、2022年7月に祭祀が盛んに行われた集落だった可能性があると発表され、古墳の形跡は見つからなかった。

 7月12日、同遺跡で現地説明会が開かれ、市教育委員会が調査概要を紹介した。
 丘陵状の遺跡の頂上に竪穴住居5棟の跡や、周辺で柵や堀の跡が見つかり、一帯を支配した有力者が使用した可能性があるとしている。
[参考:山形新聞、朝日新聞、毎日新聞]

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 長岡南森遺跡
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彦根市・稲部遺跡 古墳時代初頭の矢入れ具・靫が出土

2023年06月30日 | Weblog
 彦根市などが28日、大規模集落跡・稲部遺跡(弥生時代末期~古墳時代初頭)で、3世紀中頃(古墳時代初頭)の箱形の矢入れ具「靫(ゆき)」の断片が見つかったと発表した。
2019年の発掘調査で集落跡の導水施設の溝から、ガラス玉や土器とともに断片12点が出土。2本の帯状の織物製品で、矢筒に巻く横帯と判明した。1本はほぼ全体が残存し長さ18.7cm、もう1本は長さ17.1cmで、紐を通す輪が付いていた。素材は、縦糸が絹、横糸は植物繊維で綾織(あやおり)の技法が用いられているという。表面には漆が塗られていた。
纒向遺跡(奈良県桜井市)の出土品と並び、同時期の靫と判明した。
水辺で行う 祭祀で威儀具として使ったと考えられるという。
[参考;読売新聞、産経新聞、毎日新聞、日経新聞、朝日新聞、京都新聞、東京新聞]

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稲部遺跡

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熊本市・熊本城跡 出土した鉄刀に「甲子年」の銘を確認 古墳時代後期

2023年01月28日 | Weblog
 熊本市と熊本大は27日、昨年4月に熊本城跡の旧NHK跡地(同市中央区)から出土した鉄刀(全長約55cm)を調査・分析した結果、西暦604年にあたる「甲子年五□□」の銘文がある鉄刀が出土したと発表した。
 出土地は古墳時代の横穴墓群近くで、鉄刀には象嵌技法により施された文字が確認された。鉄刀は古墳時代後期のものと推定され、同時期の比較の対象となるものとしては、1983年に兵庫県養父(やぶ)市の箕谷(みいだに)2号墳(東西12m、南北14mの円墳、7世紀)で出土した圭頭大刀(推定全長は77cm前後)がある。「戊辰年五月□」の6文字が刻まれている。最後の6文字目は二画しか残っていなく読めないが、「五月中」が中国や朝鮮で作られた古代の刀剣によく使われる吉祥句(きっしょうく)であり、結果「戊辰年五月中」と判読された。「戊辰(ぼしん)年」については、608年と推定されている。
 今回の大刀の銘文は「甲子年五月中」と推定され、「甲子(こうし)年」は604年と判断された。
 甲子年大刀と戊辰年大刀はともに飛鳥時代の推古朝のころ。飛鳥地方に都が置かれ、国家形成過程で、地方の中小豪族に贈られた鉄刀とみている。
[参考:産経新聞、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、養父市HP]
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奈良市・富雄丸山古墳 国内最大の銅鏡と蛇行剣が出土

2023年01月26日 | Weblog
 奈良市教育委員会と奈良県立橿原考古学研究所が25日、同市の国内最大の円墳・富雄丸山古墳(4世紀後半)の「造り出し」の部分で埋葬施設の粘土槨(全長約6.4m、幅約1.2m、内部に割竹形木棺を埋葬)が見つかり、内部から国内最大の銅鏡と蛇行剣が出土したと発表した。

銅鏡: 国産の青銅製。長さ64cm、最大幅31cm、最大厚さ0.5cmの盾形の青銅鏡。
 背面中央に丸い突起の「鈕(ちゅう)」がある。その上下に「鼉龍文(だりゅうもん)」が円形に施されていたことから「鼉龍文盾形銅鏡」と命名した。円の外側には鋸歯文が見られ、高度な技術により薄い板と鏡を融合させている。蛍光X線で調べたところ、錫、銅、鉛の成分が検出された。盾形の銅鏡はほかに類例がなく、鼉龍文盾形銅鏡と名付けられた。

蛇行剣: 国産。剣身が曲がりくねった「蛇行剣」。長さ237cm、幅約6cm。古墳から出土した鉄剣では国内最大。
 今回見つかった蛇行剣は金属をたたいて作られ、柄、鞘の痕跡から装具を含めた全長は267mに復元できるという。国産の蛇行剣は85例の出土が確認されているが、今回の蛇行剣は最大で最古。鉄剣としても広島市の中小田第2号古墳の全長115cmを大きく上回った。 
 
 発掘現場は28日12時30分~15時と29日(10時~15時)に一般公開する。盾形銅鏡と蛇行剣は保存処理中のため展示しない。
<参考:共同通信社、毎日新聞、産経新聞、朝日新聞、読売新聞>


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 富雄丸山古墳
 鼉龍鏡

 これまで、蛇行剣は5~6世紀にかけて出土している。今回4世紀後半築造の富雄丸山古墳から出土したので、最古級となるが、北九州市小倉南区の南方浦山古墳(直径10mの円墳、4世紀)から全長34.5cmと短い蛇行剣が出土しており、こちらの方がやや古いかもしれない。
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土浦市・武者塚古墳 円墳から1辺22mの方墳に

2022年12月15日 | Weblog
 12月14日、土浦市教委と筑波大の共同調査で、武者塚古墳(土浦市上坂田1153)の形状が径23mの円墳(7世紀)から一辺23mの方墳(7世紀中期)と明らかになった。
 現地説明会が、12月18日(日) 午後1時30分~3時に開催される。
[参考:茨城新聞、土浦市HP]

過去の関連ニュース・情報
 武者塚古墳
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羽曳野市・峯ヶ塚古墳 日本最大の木製埴輪が出土

2022年12月08日 | Weblog
 羽曳野市教委は8日、百舌鳥・古市古墳群を構成する峯ケ塚古墳(5世紀末、全長96mの前方後円墳)の前方部と後円部の境にある造り出し部を発掘し、国内最大となる木製埴輪が出土したと発表した。
 長さ352cm、幅75cm、厚さ8cmで、コウヤマキで作られていた。地面に立てて使うため、さらに1mほど長かったとみられるという。これまでの最大は奈良県天理市の御墓山(おおはかやま)古墳(5世紀末から6世紀前半、全長74mの前方後円墳)で出土した長さ263cmで、それより約90cm上回る。
 今回発見された木製埴輪は、石見型(いわみがた)木製品と呼ばれるもので国内での出土は16例目で、同古墳群では初めて。石見型は、奈良県三宅町の石見遺跡で出土したことにちなむ。権力者の象徴である玉杖(ぎょくじょう)を象(かたど)ったとみる説が強く、被葬者の権威を示したり、魔除けとする意味があったと考えられるという。
 市教委は10日午前10時~午後3時に現場見学会を開く。
[参考:共同通信、京都新聞、産経新聞、毎日新聞、朝日新聞、中日新聞]

過去の関連ニュース・情報
峯ヶ塚古墳
木製埴輪
 韓国の霊岩郡始終面泰澗里のチャラボン古墳(영암 자라봉고분)では、2011年末に長さ520cmの幡竿形木器(깃대형 목기)が出土している。6C初めの祭祀用木器と考えられている。
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