歴歩

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奈良市・東大寺 創建時の基壇と「七重塔示す」瓦が大量出土

2016年04月24日 | Weblog
 奈良市の東大寺、奈良文化財研究所、奈良県立橿原考古学研究所は22日、東大寺境内で、かつて七重塔として建立された東塔の創建時・奈良時代の基壇と「七」の文字がある鎌倉時代の軒丸瓦が出土したと発表した。
 東大寺は創建当初(750~60年代ごろ)、大仏殿を挟んで東塔と西塔が並んで建立されたが、東塔は平安時代に平家の南都焼き討ちで焼失。鎌倉時代1227年に再建されたが1362年に落雷で焼失し、基壇跡だけが残っている。西塔は934年に焼失した。
 発掘では基壇東側で、創建時の階段跡の一部も出土した。創建時の基壇は24m四方で、鎌倉の再建時に27m四方へ拡幅された。昨秋、同時代の基壇が確認されている。当初の基壇を壊さずに保存したらしい。
 塔は国内最大級(70~100m)だった可能性のあることがわかった。今回、その下部で、創建時の基壇の東側階段の一部や、鎌倉時代の瓦が出土した。直径約15cmで蓮華文の中央に「七」の文字が刻まれていた。七重塔を意味するとみられ、いずれも同じ鋳型で、再建時の13世紀初頭の製作とみられる。塔の再建に携わった僧・栄西が瓦に塔の層の数を入れさせたとみている。左右反転した軒平瓦の2種類があった。
 臨済宗を広めた栄西は、東大寺復興に尽力した僧・重源の死後、1206年にその任を継いだ。京都にあった法勝寺(ほっしょうじ)でもこの3年後、九重塔の再建に関わった。この塔跡から「九」の瓦が出土している。
 現場はすでに埋め戻されている。
速報展が4月29日~5月13日、境内の東大寺ミュージアムで開かれる。
[参考:共同通信、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、NHKニュース]


東大寺の東塔跡で「七重塔示す」瓦が大量出土
東大寺東塔、創建時の基壇確認 「七」刻んだ瓦も出土
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八幡市・女谷・荒坂横穴群 新たに横穴墓7基が見つかる

2016年04月22日 | Weblog
八幡市・女谷・荒坂横穴群 新たに横穴墓7基が見つかる
府埋蔵文化財調査研究センターは20日、八幡市美濃山御毛通(ごけどおり)の女谷・荒坂横穴群(おんなだに・あらさかおうけつぐん)で、確認済みだった地点の間に、新たに横穴墓7基が見つかったと発表した。
横穴墓が全体で約300基に上る可能性がある。近くの松井横穴群(京田辺市松井)と合わせて600~700基と推測し、近畿最大級の横穴密集地としている。
木津川流域の広い範囲にあった集落の有力者が葬られていた可能性があるとしている。
現地説明会は23日午前11時から開かれる。
[参考:京都新聞、朝日新聞]

過去の関連ニュース・情報
八幡市・美濃山
2013.2.6 新たに横穴21基を発掘 合計81基 1基は8世紀の奈良時代初めまで使用 同横穴群には約200基の横穴があると推測され、龍王山横穴群(奈良県)などに匹敵する関西有数の横穴群の可能性
2010.12.22 新たに横穴8基を発掘 合計58基 平安時代前期に横穴が再利用

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