歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

岡山市・千足古墳 後円部に新たな石室を確認

2013年12月28日 | Weblog
 岡山市北区新庄下の造山(つくりやま)古墳群にある国史跡・造山古墳(全長350mの前方後円墳、5世紀前半)の陪塚(ばいちょう)で国史跡・千足(せんぞく)古墳(全長74mの前方後円墳、5世紀)で、既に確認されている横穴式石室(注1)の隣から新たに別の石室の一部が、24日までに同市教委の調査で見つかった。
 既に見つかっている横穴式石室が古墳の前方部と後円部を結ぶ中軸線から南西にずれた位置で確認されたため、同市教委は反対(東北)側に別の埋葬施設があると推測して発掘作業を進めていた。
 新たな石室の一部は今月上旬に確認された。横穴式石室が九州産の砂岩を使っていたのに対し、今回は地元産の花崗岩と香川県産の安山岩を組み合わせた構造で、竪穴式石室の可能性が考えられるとしている。 また、横穴式石室よりも後に造られたとみている。
[参考:山陽新聞、読売新聞]

過去の関連ニュース・情報
千足古墳
2011.6.19竪穴式系横口式石室系と判明 中国、四国地方初確認
 横穴式石室(長さ3・5m、幅2・5m、高さ2・7m)は、北九州周辺でしか見つかっていない竪穴系横口式石室だったことが判明した。(注1)


キーワード: 千足古墳
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渋川市・金井東裏遺跡 「骨製の小札」が国内初出土

2013年12月22日 | Weblog
 群馬県教委と埋蔵文化財調査事業団は20日、古墳時代後期の6世紀初め、榛名山の噴火で甲(よろい)を着けたまま被災した男性の人骨が出土した金井東裏遺跡(渋川市金井)で、出土した鉄製の甲の中から、骨製の小札(こざね)が見つかったと発表した。
 骨製の小札はこれまで、韓国ソウル市内の夢村土城(몽촌토성)で4世紀頃の甲の一部として出土例があるが、日本で見つかったのは初めてという。 小札は動物の骨製とみられ、長さ6・6cm、幅約3cm、厚さ2~3mmで、十数枚ずつ3段並んでいる。紐は残っていないが、小札は綴られたような形で折りたたまれて見つかった。 夢村土城の小札は豚と鹿の骨を利用していた。
[参考:上毛新聞、共同通信、読売新聞、東京新聞、産経新聞]

過去の関連ニュース・情報
 金井東裏遺跡
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松江市・東淵寺古墳 出雲東部最大級全長60m以上の前方後円墳と確認

2013年12月21日 | Weblog
 島根県埋蔵文化財調査センターが19日、松江市大庭町の東淵寺(とうえんじ)古墳が出雲東部最大級の前方後円墳であることが確認されたと発表した。昨年度の調査では、全長62mの前方後円墳の可能性が高いとされていたが、今回、前方部と後円部のくびれ部分とみられるエリアが確認され、墳形を前方後円墳とほぼ特定した。
 特殊な須恵器「皮袋形土器」の破片も見つかった。
 21日(土)午後2時から現地説明会が開かれる。(小雨決行)
[参考:産経新聞、読売新聞、島根県埋蔵文化財調査センターHP]

過去の関連ニュース・情報
2012.11.15東淵寺古墳 6世紀後半築造の出雲東部最大級の前方後円墳
 東淵寺古墳は全長約62mの前方後円墳の可能性があり、また古墳時代後期6世紀後半の有力首長の墓だった可能性が高い。周溝から、円筒埴輪、出雲型子持壺などが多数出土。
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宮城県山元町・熊の作遺跡 東北最古級の木簡が出土

2013年12月20日 | Weblog
 宮城県教委は19日、亘理郡山元町坂元地区の「熊の作(くまのさく)遺跡」の遺跡南西部の湿った土の中から、東北最古級の木簡が出土したと発表した。
 木簡は一部が破損しており、残存部分は長さ約32cm、幅3.6cm、厚さ0・7cmの短冊状になっている。
 肉眼では文字が不鮮明だが、赤外線を当てた写真から、「信夫郡安岐里人(しのぶぐんあきのさとのひと) 大伴部法麻呂(おおともべのりまろ) 丈部伊麻呂(はせつかべのいまろ) 大伴部□麻呂(おおともべの□まろ) 丈部黒麻呂(はせつかべのこくまろ)」の名が書かれていることが分かった。 木簡は、大宝令で郡里制が施工された8世紀初頭(701〜717年)のものとみられる。
 現在の福島県相馬市から同町にかけては、当時、陸奥国最大の鉄生産地であり、また同遺跡と周辺の遺跡からは、製鉄施設と管理していたとみられる有力者の住居跡が見つかっている。そのため、木簡は、製鉄施設で働いていた人の住居と名前を書いた名簿とみられ、現在の福島市周辺の地名「信夫郡安岐里」が書かれていることから、約40kmも離れた地域から動員していたことがうかがえるという。
 出土した木簡は、山元町歴史民俗資料館で来年1月26日まで展示される。
[参考:河北新報、毎日新聞、読売新聞、宮城県HP]

過去の関連ニュース・情報
2009.5.31多賀城市・山王遺跡 平安時代の漆器工房跡か
 10世紀の前半から中ごろの漆紙文書が見つかり、当時この地方にいた「丈部田主(はせつかべのたぬし)」という人物に関する文書と推測。



キーワード: 熊の作遺跡
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和歌山市・大谷山22号墳 国内2例目の胡ろく形埴輪を確認

2013年12月17日 | Weblog
 和歌山市教委は、同市岩橋(いわせ)の岩橋千塚古墳群で全長67mの前方後円墳・大谷山22号墳(6世紀前半)から昭和41年に発掘された埴輪の破片が、矢を収める武具「胡籙(ころく、胡ろく)」をかたどったものの一部だったことがわかったと発表した。
 平成17年の調査で同古墳群内の大日山35号墳(全長約86mの前方後円墳、6世紀前半)から同形埴輪が出土し、約2年間かけて復元されている。 この時の埴輪は高さ約96cm、幅約39cm。中央部には5本の矢が細い線を彫って描かれている。
 今回出土した破片から、復元推定では全体で高さ約90cm、幅約40cmとしており、大日山35号墳で見つかったものとほぼ同じ大きさとなる。矢を模した放射状の線も刻まれていた。
 和歌山が独特の埴輪の文化を持っていたことを示す貴重な発見としている。
 大谷山22号墳の胡ろく形埴輪は17日から来年2月2日まで和歌山市立博物館で展示される。
[参考:産経新聞、朝日新聞、読売新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2008.8.26岩橋千塚古墳 胡ろくかたどった埴輪 全国初出土

キーワード: 胡籙、胡ろく、胡録
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桑名市・北山C遺跡 古墳時代中期の方墳と円墳、計24基が出土

2013年12月14日 | Weblog
 三重県埋蔵文化財センターが昨年10月から発掘調査を行っている桑名市志知の「北山C遺跡」から、約1550年前の古墳時代中期の方墳19基と円墳5基、計24基が出土した。 うち13基の方墳を調査した。
 方墳1基の大きさは1辺約7~16mで、ほとんどが盛土は消滅しているが残っていた周溝から、土師器や須恵器などの土器が出土した。うち1基から埋葬施設が見つかり、中から副葬品と考えられる長さ約10cmの鉄製の刀子が見つかった。
 一帯はこれまで、弥生時代から古墳時代にかけての集落跡と想定されてきたが、周辺に生活の痕跡がなく、規模の大きな墓域であり、北勢地域では屈指の数を誇る古墳群とみている。
 現地説明会が15日(日)午前10時から11時まで開かれる。
[参考:産経新聞、三重県HP]

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蔚州・霊鷲寺址 統一新羅時代の石仏座像が出土

2013年12月13日 | 韓国の遺跡・古墳など
 蔚山博物館は10日、新羅第31代神文王3年(683)に宰相忠元公が建議して建てた蔚州郡青良面粟里の霊鷲寺址で統一新羅時代の石仏坐像1点が出土したと発表した。
 石仏は上半身が欠けているが、半跏趺坐(はんかふざ)石造座像で大きさは幅83㎝、厚さ54㎝、現存高さ35㎝で、衣服のシワ表現が自然で写実的に表現されており、当時の統一新羅公認の優れた彫刻技術を見せているとしている。
 昨年の調査では、霊鷲寺が統一新羅時代の双塔一金堂式伽藍であることを確認したが、今年の調査では中門と回廊跡を確認して、中心寺域範囲が明らかになった。
 中心寺域は東西69.6m、南北56.5mであり、地方寺刹であることを考慮すれば、相当な規模の寺刹だったとしている。
 中門は正面3間、側面2間(長さ8.6m、幅5.1m)の大きさであり、金堂から30m南に位置している。
 回廊は東西南北全てにおいて側面1間である単廊構造であることが確認された。 東・西回廊は金堂中心から東に32m、西に32mに位置し、南・北回廊は金堂中心から南に29.5m、北に24mに位置している。
 ほかに、左右対称の構図である双鳥文軒丸瓦、鬼面瓦、蓮華文軒丸瓦などが新しく確認された。
[参考:2013.12.11聨合ニュース]

過去の関連ニュース・情報
 2013.10.17 霊鷲寺址 2次学術発掘調査 寺域範囲確認
 2012.12.31 霊鷲寺址 典型的な統一新羅時代の伽藍配置である双塔一金堂式構造を確認

キーワード:半跏趺坐石造座像 
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明日香村・飛鳥寺西方遺跡 「槻の樹の広場」?の遺構が出土

2013年12月12日 | Weblog
 明日香村教委が11日、「槻の樹の広場」とみられている明日香村の飛鳥寺西方(せいほう)遺跡で、飛鳥時代の砂利敷き(東西約10m分)や石組み溝、柱穴とみられる遺構などが見つかったと発表した。
[参考:読売新聞]

過去の関連ニュース・情報
 西方遺跡

キーワード:飛鳥寺西方遺跡
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富田林市・畑ヶ田南遺跡 飛鳥時代の円面硯片が出土

2013年12月12日 | Weblog
 富田林市教委が11日、同市若松町の畑ヶ田南(はたけだみなみ)遺跡で、飛鳥時代(7世紀)のものとみられる硯片1点が見つかったと発表した。
 硯片は長辺が8cm (復元推定16cm)、高さ3.5cmの扇形(脚付き)の「円面硯(えんめんけん)」だった。
 現地説明会が14日(土)午後1時から開かれる。
[参考:読売新聞]

過去の関連ニュース・情報
 円面硯




キーワード: 畑ヶ田南遺跡

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米子市・観音寺狼谷山遺跡 竪穴系横口式石室やf字形鏡板を持つ金銅製轡が出土

2013年12月12日 | Weblog
 鳥取市文化財団が11日、今年5月から発掘調査が行われている米子市宗像の観音寺狼谷山(かんのんじおおかみだにやま)遺跡から古墳2基や段状遺構2基、竪穴住居跡1棟が出土したと発表した。
 2基の古墳のうち1基(東宗像21号墳?)は標高79mの地点にあり、県内4例目の竪穴系横口式石室(長さ2・5m、幅、高さ0・6m)を持つ帆立貝形古墳(6世紀)であった。
 石室から、鉄鏃やf字形鏡板を持つ金銅製轡1対が見つかった。
 現地地説明会が15日(日)午前10時から開かれる。
[参考:産経新聞、中海テレビ放送、米子市埋蔵文化財センターHP]



キーワード: 観音寺狼谷山遺跡、東宗像古墳群
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羅州市・丁村古墳 一辺40mの栄山江流域最大級の古墳 (6C前半)を確認

2013年12月09日 | 韓国の遺跡・古墳など
 国立羅州文化財研究所は羅州市多侍面伏岩里蠶崖山西側にある丁村古墳(정촌고분、羅州市郷土文化遺産第13号)を発掘調査した結果、三国時代の栄山江流域では、これまでに確認された古墳の中で規模が最大であり、大型の方形古墳を発見したと発表した。
 古墳の規模は、短辺37.3m、長辺40.0m、墳丘残存高さ11.6m、復元高さ(推定)13m。 蜂の巣型古墳で、石室、石槨、甕棺になど計8基の埋葬施設が発見された。 封墳表面には葺石と墳丘の周囲には護石、そしてこれら石築施設を支持する長台石が封墳の北と西斜面で確認された。
[参考:2012.11.27聨合ニュース]
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