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奈良市・富雄丸山古墳 国内最大の銅鏡と蛇行剣が出土

2023年01月26日 | Weblog
 奈良市教育委員会と奈良県立橿原考古学研究所が25日、同市の国内最大の円墳・富雄丸山古墳(4世紀後半)の「造り出し」の部分で埋葬施設の粘土槨(全長約6.4m、幅約1.2m、内部に割竹形木棺を埋葬)が見つかり、内部から国内最大の銅鏡と蛇行剣が出土したと発表した。

銅鏡: 国産の青銅製。長さ64cm、最大幅31cm、最大厚さ0.5cmの盾形の青銅鏡。
 背面中央に丸い突起の「鈕(ちゅう)」がある。その上下に「鼉龍文(だりゅうもん)」が円形に施されていたことから「鼉龍文盾形銅鏡」と命名した。円の外側には鋸歯文が見られ、高度な技術により薄い板と鏡を融合させている。蛍光X線で調べたところ、錫、銅、鉛の成分が検出された。盾形の銅鏡はほかに類例がなく、鼉龍文盾形銅鏡と名付けられた。

蛇行剣: 国産。剣身が曲がりくねった「蛇行剣」。長さ237cm、幅約6cm。古墳から出土した鉄剣では国内最大。
 今回見つかった蛇行剣は金属をたたいて作られ、柄、鞘の痕跡から装具を含めた全長は267mに復元できるという。国産の蛇行剣は85例の出土が確認されているが、今回の蛇行剣は最大で最古。鉄剣としても広島市の中小田第2号古墳の全長115cmを大きく上回った。 
 
 発掘現場は28日12時30分~15時と29日(10時~15時)に一般公開する。盾形銅鏡と蛇行剣は保存処理中のため展示しない。
<参考:共同通信社、毎日新聞、産経新聞、朝日新聞、読売新聞>


過去の関連ニュース・情報
 富雄丸山古墳
 鼉龍鏡

 これまで、蛇行剣は5~6世紀にかけて出土している。今回4世紀後半築造の富雄丸山古墳から出土したので、最古級となるが、北九州市小倉南区の南方浦山古墳(直径10mの円墳、4世紀)から全長34.5cmと短い蛇行剣が出土しており、こちらの方がやや古いかもしれない。

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