『寡黙な月』。
このような曲に出会うためにアイドルポップを聴き続けている。
ミディアムテンポだが、心が浮き立つような軽やかさを感じる。何回続けて聴いても飽きない。この曲調はKinki Kidsの「フラワー」にもどこか似ている。
歌詞は、「女の子の扱い方が全くわかっていない」「照れ屋」の、寡黙な月のような彼に、ずっとついていきたいという女の子視点の歌。女の子の扱いが上手な男にロクな奴はいないし、多くのアイドルファンが泣いて喜ぶ歌詞だ。「強い意志を持ってる太陽は自信過剰で共感できない」「真昼の空に浮かんでるような寡黙な月のあの不器用さが大好きなの」などと小気味のいいフレーズが続く。しかし、こんな理想的で物わかりのいい、そしてチャーミングな女の子が、現代の日本に実際にいるのだろうか。
曲中には出てくる「silent moon」ではなく、日本語タイトルにしたことも成功だと思う。
「曲がり角のタバコ屋の前で待っていてくれた」と、今や死語となりかけている「タバコ屋」という言葉をうまく使っている。煙草は、AKB関連では『エンドロール』で「シガー」が使われたきりだと思う。
それから「地図」は秋元康の最近のお気に入りワードなのだろうか。『今日までのこと、これからのこと』にも出てくる。『Beginner』の「人の地図を広げるな」と同様、「私には地図はいらないしどこまでもついて行くよ」と不要な物としている。
そうした歌詞も興味深いが、何と言っても「セレクション8」の歌唱が素晴らしい。2人ずつ、比較的長いフレーズを歌っていて、声の個性が楽しめる。『抱きしめちゃいけない』と同じ趣向だ。歌唱パート割りをご存知の方は教えてほしい。
『片想いFinally』。
歌詞がついていなくて、前奏、間奏、後奏だけで出てくる力強いメロディーが印象に残る。しかし、前奏のあと、いきなりスピードダウンしてしまう。歌詞も情けない。カフェテリアで偶然同席しても告白できない、いつもの片想いの歌だ。ところが、いきなり立ち上がって「好きなんだ 君が好きなんだ」と叫び、今日こそ片想いを終わらせると決意する。『大声ダイアモンド』プラス『バズーカ砲発射』の世界観だ。
でも、よく聞くと「今日こそは立ち上がって告白しようか」と言っているだけで、まだ立ち上がってさえいない。きっと今日も告白できないのではないか。
「はっとして強く惹かれた」は、田原俊彦の『ハッとしてGood』を継承している。
『きょうまでのこと、これからのこと』。
こういう人生訓のような曲は好きだ。深く考えすぎず、臨機応変、自由に生きていこうという人生訓だ。しかし、この曲はやや理屈っぽさが出過ぎている。
1つだけ残念なことがある。最後の決めフレーズが「生きることを考えすぎちゃだめだ」だが、歌い出しの「一本の線を心に引いて考えてみよう」と相反するようでモヤモヤする。結局どっちなんだ。いろいろ考えた結果、考えすぎはだめだという結論に達したということなのだろうが、1曲の中でのこういう二律背反は気になって仕方がない。『転がる石になれ』で、転がる石になれと言ったり、とがった石になれと言ったりしているのと同じだ。
『声がかすれるくらい』。
スタイリシュな曲調で、愛への渇望を歌っているのだろうが、こういう歌は苦手だ。
『はにかみロリーポップ』。
『涙のシーソーゲーム』『狼とプライド』から繋がる、古いアメリカンポップスの香りがする曲だ。自然にリズムを取ってしまうような、シンプルな音楽の楽しさがある。「スクールバス」「転校生」「ときめき」と、古典的なモチーフも山盛りだ。「私のハートをなめたら」というフレーズは、少しHだ。
「私は子どもに戻っておねだりをするの 最高の片想いを」というのがよくわからない。片想いならおねだりしなくても、いつものように自分で勝手に妄想していればよく、ここは「両思い」であるべきなのではないか。「最高の片想い=両思い?」。
それとも、やっぱり告白するつもりなどなく、幸福な片想いが長く続くことを願っているのか。多分後者だろう。
ともあれ、個性的な5曲。CDで揃えようと思えば3種類購入しなければならず、こうした楽曲を軽んじてオマケ扱いする商法には未だに違和感を感じる。なお、おまけの特典映像が3種類異なることには、全く異存ない。
このような曲に出会うためにアイドルポップを聴き続けている。
ミディアムテンポだが、心が浮き立つような軽やかさを感じる。何回続けて聴いても飽きない。この曲調はKinki Kidsの「フラワー」にもどこか似ている。
歌詞は、「女の子の扱い方が全くわかっていない」「照れ屋」の、寡黙な月のような彼に、ずっとついていきたいという女の子視点の歌。女の子の扱いが上手な男にロクな奴はいないし、多くのアイドルファンが泣いて喜ぶ歌詞だ。「強い意志を持ってる太陽は自信過剰で共感できない」「真昼の空に浮かんでるような寡黙な月のあの不器用さが大好きなの」などと小気味のいいフレーズが続く。しかし、こんな理想的で物わかりのいい、そしてチャーミングな女の子が、現代の日本に実際にいるのだろうか。
曲中には出てくる「silent moon」ではなく、日本語タイトルにしたことも成功だと思う。
「曲がり角のタバコ屋の前で待っていてくれた」と、今や死語となりかけている「タバコ屋」という言葉をうまく使っている。煙草は、AKB関連では『エンドロール』で「シガー」が使われたきりだと思う。
それから「地図」は秋元康の最近のお気に入りワードなのだろうか。『今日までのこと、これからのこと』にも出てくる。『Beginner』の「人の地図を広げるな」と同様、「私には地図はいらないしどこまでもついて行くよ」と不要な物としている。
そうした歌詞も興味深いが、何と言っても「セレクション8」の歌唱が素晴らしい。2人ずつ、比較的長いフレーズを歌っていて、声の個性が楽しめる。『抱きしめちゃいけない』と同じ趣向だ。歌唱パート割りをご存知の方は教えてほしい。
『片想いFinally』。
歌詞がついていなくて、前奏、間奏、後奏だけで出てくる力強いメロディーが印象に残る。しかし、前奏のあと、いきなりスピードダウンしてしまう。歌詞も情けない。カフェテリアで偶然同席しても告白できない、いつもの片想いの歌だ。ところが、いきなり立ち上がって「好きなんだ 君が好きなんだ」と叫び、今日こそ片想いを終わらせると決意する。『大声ダイアモンド』プラス『バズーカ砲発射』の世界観だ。
でも、よく聞くと「今日こそは立ち上がって告白しようか」と言っているだけで、まだ立ち上がってさえいない。きっと今日も告白できないのではないか。
「はっとして強く惹かれた」は、田原俊彦の『ハッとしてGood』を継承している。
『きょうまでのこと、これからのこと』。
こういう人生訓のような曲は好きだ。深く考えすぎず、臨機応変、自由に生きていこうという人生訓だ。しかし、この曲はやや理屈っぽさが出過ぎている。
1つだけ残念なことがある。最後の決めフレーズが「生きることを考えすぎちゃだめだ」だが、歌い出しの「一本の線を心に引いて考えてみよう」と相反するようでモヤモヤする。結局どっちなんだ。いろいろ考えた結果、考えすぎはだめだという結論に達したということなのだろうが、1曲の中でのこういう二律背反は気になって仕方がない。『転がる石になれ』で、転がる石になれと言ったり、とがった石になれと言ったりしているのと同じだ。
『声がかすれるくらい』。
スタイリシュな曲調で、愛への渇望を歌っているのだろうが、こういう歌は苦手だ。
『はにかみロリーポップ』。
『涙のシーソーゲーム』『狼とプライド』から繋がる、古いアメリカンポップスの香りがする曲だ。自然にリズムを取ってしまうような、シンプルな音楽の楽しさがある。「スクールバス」「転校生」「ときめき」と、古典的なモチーフも山盛りだ。「私のハートをなめたら」というフレーズは、少しHだ。
「私は子どもに戻っておねだりをするの 最高の片想いを」というのがよくわからない。片想いならおねだりしなくても、いつものように自分で勝手に妄想していればよく、ここは「両思い」であるべきなのではないか。「最高の片想い=両思い?」。
それとも、やっぱり告白するつもりなどなく、幸福な片想いが長く続くことを願っているのか。多分後者だろう。
ともあれ、個性的な5曲。CDで揃えようと思えば3種類購入しなければならず、こうした楽曲を軽んじてオマケ扱いする商法には未だに違和感を感じる。なお、おまけの特典映像が3種類異なることには、全く異存ない。
あなたにちょっと遅れて ついて行く
いつだってこんな感じで近くにいさせて
隣を並んで歩けなくても構わない
時々は振り向いて見てね
女の子の扱い方が ・・珠理奈 玲奈
全く わかっていない人
どうしてそんなに早足で
歩くのかな
商店街 人混みの中で ・・高柳 矢神
見失いそうになったけど
曲がり角のタバコ屋の前で
待ってくれてた
愛を語り続ける太陽は ・・小木曽 木崎
翳(かげ)った時に不安になるもの
明日は来るのに…・・ 珠理奈 玲奈
それより何も語ろうとしない
寡黙な月のあのやさしさに癒されたい ・・向田 木本 石田
あなたの背中信じて ついて行く
私には地図はいらないし どこへでも行くよ
そう 照れ屋だから手を繋いだりしないけど
さりげなく 見守ってくれてる
歩幅が狭いその分だけ ・・高柳 矢神
私は必死に歩いてる
流れる汗とか弾む息に
気づいたの・・ 木崎 小木曽
見失いたくないと思う
そのTシャツが 眩しすぎる ・・向田 木本 石田
それを人は生き甲斐って
呼ぶのだろう ・・珠理奈 玲奈
強い意志を持ってる太陽は
自信過剰で共感できない ・・小木曽 木崎
優等生だし… ・・高柳 矢神
真昼の空に浮かんでるような
寡黙な月のあの不器用さが大好きなの・・ 珠理奈 玲奈
あなたにちょっと遅れて ついて行く
いつだってこんな感じで近くにいさせて
隣を並んで歩けなくても構わない
時々は振り向いて見てね
ひとつの目印を 決めてしまったら
本当に楽だよ ・・珠理奈 玲奈
何があってもあなたの背中に
ついて行けばいい ・・高柳 矢神
Silent moon
あなたの背中信じて ついて行く ・・珠理奈 玲奈
私には地図はいらないし どこへでも行くよ・・ 小木曽 木崎
そう 照れ屋だから手を繋いだりしないけど
さりげなく 見守ってくれてる
SKE箱推しで、高柳さんのファンでもあり、小木曽さんのファンでもありました。
寡黙な月のパート割ですが、以下のサイトにあります。
目を通しましたが多分、間違いないです。
http://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/note/n188806
コメントありがとうございます。
お名前から察するに、高柳さんのファンなのでしょうか?
『寡黙な月』の歌唱パートがおわかりなら教えて下さい。
たまたま、寡黙な月を検索したことがきっかけです。
私は寡黙な月の歌詞もメロディーも大好きです。
レビューを見ていて、自分で説明出来なかった事が表現されていて、代弁してくれているかのようでした。
分析も偏りなく、書かれていてとても読み易かったです。
ほかのレビューも拝見させて頂きます。
これからも精力的な活動に期待しています。