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乃木坂46『インフルエンサー』カップリング曲『人生を考えたくなる』に文学を感じる。(ときめき研究家)

2017-04-16 15:00:00 | ときめき研究家
歌い出しの歌詞、メロディーがいい。
「大人にはいつなったんだろう ピアノやめた日か 卒業した日か」という簡潔な1フレーズで楽曲の世界に引き込まれる。2番では「メイクをした日か 口づけした日か」と候補を広げ、「初めての経験ばかりではしゃいでるうちに二十歳を過ぎてた」と展開する。候補として当然思い浮かべる「セックスした日」というのを直接歌わず、それとなく暗示するのがアイドルポップの作法に適っている。

年齢に関わりなく、人は自分の人生を時々振り返りセンチメンタルになるものだ。しかし、二十歳前後というのは大きな節目であって、アイドルポップの題材としても格好だ。そういう心情を歌った楽曲もいくつか思い浮かぶ。岩崎宏美の『思秋期』『二十才前』『あざやかな場面』の三部作は阿久悠の力作だ。それぞれがしみじみとした抒情的な作品だ。『思秋期』は一人で紅茶を飲みながら十代を振り返る歌、『二十才前』は十代にけじめをつけようとする歌、『あざやかな場面』は再び過去を振り返る歌詞だが、未来に力強く歩いていく三拍子なのにマーチ風の曲調が印象的な歌だ。
太田裕美の『HAPPY BIRTHDAY TO ME』も一人暮らしの女性が、自分の誕生日にこれまでの人生を振り返り、自分へのプレゼントとして猫を買う歌だ。作詞は山川啓介。
桜田淳子の『20才になれば』は中島みゆき作品。20才になれば一人で生きられるから、それまでさよならは言わないでと恋人に頼んでいる歌だ。中島みゆきらしい失恋歌だ。

『人生を考えたくなる』も、これらの曲と同様に、文学を感じる作品だ。

2番の「まだ1つ諦めていない夢はあるけど 誕生日が近い」というソロ部分の、飾らないまっすぐな歌唱が心に響く。てっきり生田絵梨佳だと思ったが、歌唱メンバーを調べると違うようだ。誰が歌っているのだろうか。

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