
両国の江戸東京博物館で今開催中の「珠玉(たま)の輿」展に。
キャッチフレーズにある「うごく!美の御殿」のごとく、
籠といえどもなんとも美しい仕事。
漆塗りに蒔絵。うっとりする美しさだった。
日本の工芸作品って惚れ惚れするなぁ~
この展覧会には今ワシントンから里帰り中の篤姫の駕籠も展示されている。
これは去年の7月にワシントンで見つかったもの。
NHKの大河ドラマ放映中のタイムリーな出来事だった。
そして、番組終了と共にワシントンから日本へやってきた。
アメリカでこの駕籠が発見された当時は誰のものかわからなかったが、
篤姫のものとされた決定的な“証拠”となったのは、「二葉葵唐草(ふたばあおいからくさ)」の文様。
この二葉葵唐草は、篤姫の婚礼調度に用いられた「篤姫専用マーク」で、この駕籠には蒔絵として施されていたのだ。

しかも、篤姫の駕籠と横並びに展示されている12代将軍の側室で篤姫の義母にあたる本寿院(ほんじゅいん)の駕籠と同一時代に同じ工房の製作ということも判明。このことも篤姫所有のものということの裏づけになったようだ。
面白いことに嫁の立場の篤姫の方が精巧。
それは正室と側室との格差の表れらしいとの説明。
お籠というのは乗り物だということだけではなく、当時庶民は籠の中の人のお顔は拝めるわけではない。籠そのものがその人物だったようだ。
江戸時代の乗り物であった籠から違う視点で歴史を見ることができて、なかなか興味深い展覧会だった。
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