新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

八丁堀、越中島、海浜幕張

2016年11月06日 | 日記
  
 薪ストーブを使う家庭が増えています。藤野にも一軒、薪ストーブを扱う店が開店準備中です。わがNPOにも薪の大量注文がありました。クヌギ、コナラ材の需要はかなり高いようです。

 東京駅から京葉線に乗ると八丁堀、越中島とつづき、京浜幕張に達する。それぞれの駅名にローマ字が付記されているのは私たち日本人にとっても正確な読み方を知るうえで参考になる。
 八丁堀はHatchobori、越中島はEtchujima, 京浜幕張はKeihimmakuhariと書いてあった。下線部に注目してほしい。促音の表記はこれでよかったのか。たしかに漱石の有名な小説の英語名は「Botchan」になっていた。Hokkaido、Sapporoなどと違うではないか。
 ワープロソフトで日本語を書くのにローマ字入力をしている。Hatchoboriと入力しても八丁堀にはならない。hacchouboriでなければ正確な漢字変換はできない。hattyouboriでもよさそうだ。これは日本式ローマ字入力に相当する。uのことはさておいて、促音については同じ子音字をダブらせさえすればよい。
 Keihimmakuhariについてはどうか。ヘボン式ローマ字規則によれば、b、m、pの前のnはmにするとある。いうまでもなく、唇を閉じる音を表すのはnでなくmだということ。しかしこれは英語の規則をあてはめただけで、それを日本語にまで応用しようというのはやりすぎだ。英語ではたしかにinpossibleではなくimpossibleが正しいし、inmigrantはimmigrantが正しい。
 京浜幕張のkeihinは間違いなのか。Keihin-makuhariでよいではないか。京浜と幕張のあいだには意味的にも音声的にも切れ目があるように感じる。もっとこまかい音声学的なことをいうなら、このやり方を推し進めれば近畿大学はKingki Universityとしなければならないのではないか。kやgの前のn音はng音に変わるはずだ。
 ヘボン式ローマ字はいろいろ不備がある。日本人に多い姓、小野と大野の区別はどうつけるか。大五郎はDaigoroかDaigorouか、英語はeigoかegoか。英語に頼らない日本語表記をローマ字で確立する必要がある。







カリブ海は穏やかな海だ

2016年11月04日 | 日記

 ディズニーランドに「カリブの海賊」というアトラクションがある。同名の映画もあったが、観ていない。カリブ海地域は海賊が跋扈するところという印象程度しかない。
 ジェームズ・ミッチェナー「カリビアン」を読みながら、あらためて地図を眺めている。
 カリブ海地域は大西洋とはっきり区別された海域だ。北側はキューバをはじめ、ハイチ、ドミニカ、ヴァージニア諸島が北アメリカ側との塀になり、プエルトリコから南へ弧を描くようにグアダロウペ、マルチニク、トリニダド・トバゴらが連なって北大西洋の荒波を遮っている。さらに南には南米大陸のベネズエラがあり、西にはパナマからメキシコにかけての中米大陸で完全に閉じられた空間ができあがっている。ちょっとした内海であり、波が荒い北大西洋とは一線を画していることが分かる。かつてスペインがこの地域をthe Spanish Lakeと呼び、のちにはイギリスがthe English Lakeと名づけたのも頷ける。大西洋がハリケーンを発生させる荒海であるのに比べ、カリブ海は波が穏やかな内海だった。
 カリブ海地域は私にはあまり縁がない地域だったが、それでもすこしは知識がある。キューバのフィデル・カストロが語った自伝を読みながら、キューバ島のようすを調べたことがある。親の出身地スペインに比べて楽園のように描かれていた。ニカラグアで反政府勢力コントラの活動が収束したころに海外青年協力隊と一員として赴任した人から話を聞いたこともあった。最近まで一緒に仕事をしたアメリカ人女性の父親がトリニダード・デ・トバゴの出身だといったので、その位置を調べたことがあった。
 この穏やかな内海を舞台にして、西洋の列強が勢力争いを繰り広げる。その一環が海賊行為だったようだ。