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エル・コルテ・イングレス。これはマドリッドにあるデパート兼スーパーマーケットの名前です。マドリッドのデパート、スーパーはこれしかないといっても過言ではないようです。マドリッド市内に9店舗を展開していますから、もう独占状態だといえます。そのすべてが地下鉄の駅のすぐそばにあります。ホテルにチェックインしたとき、「マドリッドの地図です」といって1枚の地図を手渡されました。一瞬これは便利そうだと思ったのですが、よく見るとエル・コルテ・イングレスの9つの店舗の位置を記した宣伝用の地図を兼ねていました。地下鉄の線が描かれておらず、あまり役立ちませんでしたが、エル・コルテ・イングレスの企業としての勢いを知るのに格好の資料になりました。街を歩いていてもエル・コルテ・イングレスのレジ袋を下げた人をたびたび目にしました。
マドリッド第一の繁華街であり、東京の日本橋に相当するプエルタ・デル・ソルに大きな店舗を有し、そのそばに書店、さらにそのそばにもう1店舗、スポーツ用品専門の店舗を建設中でした。プエルタ・デル・ソルを乗っ取る勢いです。
このデパート兼スーパーとの出会いはポルトガル、リスボンへ行ったときにさかのぼります。リスボンでは1軒だけでしたが地下鉄の駅に直結し、私のような車をもたない旅行者は重宝しました。毎日このスーパーで買いものをしてホテルへ帰りました。スーパーとはいえ、果物やトマトなどは1個単位で量り売りしてくれます。ポルトへ移動したときにもやはり地下鉄駅のそばにエル・コルテ・イングレスの店舗がありました。
日本の郊外型スーパーと違って駐車場を併設していません。リスボンでもポルトでもマドリッドでも利用客はみな地下鉄で買いものに行きます。
それにしても、ひとつのデパート兼スーパーが独占企業として幅をきかせる状況ははたしてよいのでしょうか。競争相手があってはじめて価格を下げ、消費者をより多くつかもうと努力するのではないでしょうか。スペイン経済の脆弱さを垣間見る気がしました。
写真は左から順にプエルタ・デル・ソルにあるエル・コルテ・イングレスの建物、スーパーのレジ、買いものかご、デパートの子ども服売り場です。買いものかごは大きめでキャスターつき、レジではベルトコンベヤーに客が商品を乗せ、いすに腰掛けた店員がカードリーダーで商品のバーコードを順に読みとっていきます。
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