新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

「思い出のスカイライン」

2015年07月04日 | 日記

「♪♪ 峠越えれーば高原の山の青さーが目に染みる。歌おうよあの歌、思い出の・・ ♪♪」若いバスガイドさんたちの歌声が耳から離れない。1967年5月、高校の修学旅行で九州を一周したおり、たぶん宮崎交通のバスを利用したのだろう、ガイドさんがバスの中で歌ってくれた。夜の宴会(?)にもゲスト出演して何人かで歌ってくれた。2回聞いただけなのに出だしの歌詞もメロディーもよく憶えている。「山のあなたの空遠く、幸いすむと人のいう」と、カール・ブッセの有名な詩が織り込まれている。「思い出のスカイライン」という曲らしい。ネットで検索すれば曲そのものを聞けるし、私と同じように50年前の記憶をよみがえらせている人が多いことがわかる。
 霧島高原でバスに揺られながら、牧歌的な雰囲気を漂わせるこの曲を当時の高校生たちは何を思いながら聞いたのだろうか。戦後22年がたち、平和憲法の精神が根づいた感があった。学園紛争が徐々に頭をもたげ、学生たちは社会の矛盾をつきながら平和を、民主主義を守ろうと意気込んでいた。社会に出ればきっと有為な人材になることを疑わなかった人が多かった。現在のように軍靴の足音が聞こえそうな気配は微塵もなかった。手をこまねいていたわけではないにせよ、50年という長い月日が経過するうちに潮流が大きく変わろうとしている。いまこそ感覚の底に眠っているあの時代への憧憬を呼びさますときではないだろうか。

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