新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

動物農場

2021年03月02日 | 日記

 ミスター・ジョーンズ夫妻が下男4人を従えて営む農場に飼われていた家畜たちがいっせいに蜂起し、人間さまのご主人を屋敷から追い出し、自分たち動物だけの国をつくろうとする。ご主人さまの部屋を覗いた瞬間、チャウシェスク宮殿、マルコス宮殿、いまならプーチン宮殿を見る思いがした。
 さて蜂起した動物たちのリーダーを務めるのが豚二匹だった。その名をスノーボール、ナポレオンという。二人は何かにつけて意見を闘わせたが、なんとか折り合ってやっていった。家畜たちのなかでは豚がいちばん頭がよい動物と思われていたようだ。ほかに犬、馬車用の馬、雌牛、アヒル、猫、犬、羊、雌鶏、鳩、ロバがいた。「すべての動物は平等だ」と高らかに宣言した。カラスだけはずる賢い生きもので、人間のスパイと目され、動物たちの一斉蜂起のとき人間たちと一緒に逃げてしまった。
 まずは憲法に相当するものとして、モーゼの十戒ならぬ七戒をさだめる。文字の読み書きを習い始めても、馬はABCDぐらいで停まってしまう。どの動物もが七戒全部をおぼえることは難しいと知り、「4本足はよい、2本足は悪」だけを唯一のモットーにしておぼえさせることになる。日本で十七条憲法、五箇条の御誓文がどうにか民衆に伝わったことはラッキーだったことになる。
 はじめみんないそいそと、また熱心に農場の仕事をし始めたが、やはりすべてが平等というわけにはいかなかった。馬車馬のようにパワーを発揮する馬に対して、猫はいつの間にか消え、昼食時にひょっこり現れた。ロバは何を言われても自分のペースを守り抜いた。
 子犬が9匹生まれたとき、ナポレオンはその9匹を納屋のロフトにあげてしまった。いわく、若い者には教育が必要で、英才教育を施し、栄養があるものを食べさせるために隔離する。
 スノーボールは何かにつけて委員会をつくり、議論して物事を決めさせようとしたが、たいていの委員会はうまく機能しなかった。政府の○○諮問会議の無能ぶりを思わせる。
 ご存知ジョージ・オーウェル作「動物農場」を読んでいる。むかし読んだ本を読み直している。