新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

学校の仕事が始まった

2020年07月23日 | 日記

庭のカサブランカが花開いた。

 ふだんは屈託のない高校生たちも、3年生になると自分の進路のことであれこれと悩む。指定校推薦で進学するべきか一般入試を受験するべきか、などと私のところへも相談に来る。私はもはやふつうの授業はしない。放課後に生徒の個人指導を担当するのみだ。生徒を取り巻く環境は大きく変わってきている。ある生徒によると、指定校推薦の日程が1か月遅れるし、面接は取りやめになるという。別の生徒は高校を卒業したらまず中国へ留学したいがどう思うかと訊いてくる。中国の学校は9月始まりだ。アイデアとしてはふつうに日本で大学へ進学するよりユニークで望ましいことだが、なにしろ先が読めない。実質的鎖国状態がいつ解かれるか、いつふたたび鎖国になるかが読めない。休校期間が3か月もあったせいか、多くの生徒が塾か予備校に通い始めている。
 もっとも心配していた教室内でのクラスター発生がいまのところ報告されていない。これには心底ほっとしている。40人学級での授業は3密の典型だが、全員がマスクを着用し、定期的に換気するなどの工夫が奏功しているのだろう。私のところでも生徒と対面で座るときには互いの距離を遠ざけたり、近い場合はアクリル板をなかに立てたりする。互いに90度の角度になるように座るとか、生徒が入れ替わるときにテーブルを除菌することもある。ここまでしながら感染の不安が払拭できないところが悩ましい。
 学校で一緒に生徒指導に当たっている大学生たちによれば、大学院を除く学部授業はほぼ100パーセントがオンライン授業になっている。大学生を登校させ、互いが接触する機会をつくることが大学当局にとって不安材料なのだろう。新入生歓迎などといって飲み会を催すかもしれないし、サークル活動に夢中になるあまりつい感染者を広めてしまいかねない。大学院生が新入生歓迎会をオンラインでしたというので尋ねてみた。「盛り上がりましたか」「いえ、早く切りたいほどでした」。