新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

新型コロナウィルスはなにものか

2020年02月06日 | 日記

 新型コロナウィルスについて友人に書き送った文章を再録します。

 先日、テレビのワイドショー番組にゲスト出演した久住英二医師がいったことばが耳に残っています。
「新型コロナウィルスはどうやらヒトを殺すつもりはないらしい。ヒトを宿主として利用しようとしているだけであり、ヒトを殺してしまえば寄生する自分も死んでしまう。それは避けたいのだろう。」という趣旨のことをいっていました。これは私たちの視点を百八十度転換してくれます。ただひたすら迷惑な存在としてしかみていない新型コロナウィルスを、この地球上に棲む独立したひとつの生命体としてみてます。
 さまざまなウィルスはすべてが独立した生命体であり、さまざまに進化して生き延びようとしています。ウィルスにとってみればヒトは宿主として利用できるものですから、共存共栄を目指すのかもしれません。昔よくわれわれの大腸内に寄生していた回虫のように、またいま胃の中にいるピロリ菌のように、ヒトにそれほど大きな害を与えることなく寄生している生物が数え切れないほどいます。
 貴兄の文章中の「地球だって、生物体なのでその自己保存環境も変成しながら回転している」という部分、この視点は私にとって新しいものですが、このプラネット・アースの上にヒトも病原体も同じように生息している、という視点をももつべきではないでしょうか。
 いまの新型ウィルスにしても、「早晩ワクチンが開発されて、しばらくは細菌の不胎化に成功する」「一種のエントロピーのミクロ的整理」とありますが、これは人間の側からみた整理であって、整理されるウィルスにしてみれば、それなら整理されない形に変化を遂げ、あらためてヒトに寄生してやろうとがんばることになるでしょう。その意味でヒトとウィルスはいたちごっこを繰り返すことになります。
 SDGsは当然のことながら人間のためのサステイナビリティーを追求するものであって、人間以外の生物のためのものではないでしょう。SDGsの第15項目「陸の豊かさも守ろう」の具体的内容まで読んでいませんが、やはり人類の敵になる生物、ウィルスを守ろうということにはならないのではないでしょうか。
 人間と他の生物がどう共存するべきか、あるいは共存するべきでないか、はさまざまな視点が絡む問題です。
 いずれにしても、刺激的な文章を送ってくれてありがとう。