新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

吉田類の酒場放浪記

2015年09月22日 | 日記

 いつのころからかテレビでこの番組を見るようになりました。そしていつのころからかその生活スタイルが好きになり、いつのころからか私のあこがれの人になりました。吉田類さんは駅周辺の盛り場をうろつき、一件の酒場へ入り、酒を呑み肴を求めます。店の主や店の客と何げないことばを交わします。とくべつに気の利いた警句を発するわけではありません。店でかならずすることは、店のお客さんと乾杯することです。ときにはお客さんが食べているつまみをもらって食べることもあります。それこそが一見客が店の常連客にとけ込むための極意というかテクニックでありましょう。ほろ酔い気分で店を出て、一言二言しゃべり、千鳥足ではしご酒に向かいます。ここで15分の番組クールが終わります。
 お酒は日本酒、ビール、焼酎がお好きなようです。洋酒を注文するところを少なくとも番組のなかでは見たことがありません。お酒はぬる燗を好みます。もちろん冷やで飲むべきお酒は冷やで・・。そして肴も純和風のものを好みます。駅近くの赤提灯だからそういうものしか置いていません。店長おすすめの料理を好んで食べます。
 こう見ると吉田類さんは何から何まで私とは正反対なのです。私は社交性がないので、ふらりと飲み屋に立ち寄ったりするのは苦手です。旅行先などでもし飲み屋に入ったとしても店主や客と親しく話したりせず、せっせと飲みたいものを飲み、食べたいものを食べて店を出ます。ことばを交わさず、ひとり孤独に放っておいてくれる雰囲気の店が好きです。日本酒は甘いし焼酎は味がなくてただアルコールを摂取するためだけに飲んでいる気分になります。ワインやウィスキーのほうが舌触りがいいですね。つまみにはごってり味つけされた惣菜より、もとの素材のあじをそのままに味わいたいほうです。ウナギでさえ蒲焼きよりは素焼きを好みます。幼いころなにも加工せずそのまま焼いて食べたときの味が私の味覚の原点になっていますから・・。
 人はみな自分にないものに憧れるのではないでしょうか。自分に備わっているものをそれ以上ほしがる必要はありません。吉田類さんを私が憧れの人にする理由は、私にないものを吉田類さんがお持ちだからにほかありません。