新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

看護師、介護士------表記の不統一

2015年05月03日 | 日記

 男性の看護師が登場し、看護婦という名称が看護師にかわってからもう4半世紀になるだろうか。そのころ私は文章のなかで看護「士」と漢字を間違ってあててしまい、文章の専門家から注意を受けたことがあった。慣用に反するうえに士は武士の士、さむらいを意味し、男をあらわす漢字だから、男女をとわず指すには「師」が適当だという説明を受けた。師は医師、保健師、助産師、薬剤師、検査技師など医療関係の資格におおく使われているように見える。しかしいっぽうで、介護士をはじめ、理学療法士、栄養士、保育士、通訳案内士などは士を用いている。どちらかに統一しなければならないという理由は見あたらないが、これほど恣意的に漢字をあてながら次々に新しい資格をつくっては混乱が増すばかりだろう。
 看護婦の婦にはもうひとつ問題があった。女偏に帚(ほうき)と書く文字自体がけしからんというものだった。ほうきは女だけがもつものではないのだからという理由で婦の漢字を排除しようという動きだった。労働組合の婦人部がいち早く女性部に名称をかえた。ウーマンリブが一段落し、男女共同参画社会法案が提案されはじめたころの「ことばへの働きかけ」を整理しておく必要がありそうだ。