新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

花は桜、桜はソメイヨシノ

2014年04月01日 | 日記

 花といえば桜、桜といえばソメイヨシノだ。花見はソメイヨシノを見るにかぎる。
 いにしえの昔から桜を詠んだ歌が多いが、西行や定家が詠んだ桜はソメイヨシノではない。山桜と総称される野生の桜を想像すればよいのだろうか。かつて奈良県吉野山へ桜を見に行ったおりも、よそでソメイヨシノを見たときほどの感動はなかった。野生種ばかりの吉野桜は山裾から山頂までいっせいに花開くわけではない。桜の種により位置、高度により咲く時期が早かったり遅かったりする。
 ソメイヨシノは江戸末期から明治初期にかけて、エドヒガンとオオシマザクラを交雑させたものだ。系統解析され、この点は間違いないようだ。ソメイヨシノという名前は「染井村(東京都豊島区)の植木屋が売り出した」から、または「染井村の植木職人が人工交雑して作り出した」からだという。
 学生時代、巣鴨駅から染井霊園を通り抜けて大学へ通った。あの染井霊園にいったい桜が何本あっただろう。ほとんど記憶にない。
 日影原に咲く桜は、20年近くまえに私たちの手で植えたものだが、正確な種を知らない。山桜の一種だと思っている。葉と同時に花が咲く年と葉よりさきに花だけが咲く年がある。苗木は小さいものだから、ついつい接近して植えてしまった。いまでは大きくなり枝をすりあわせるほどになっている。1本おきに大きく生長した木とか細いままの木に、つまり勝ち組と負け組に分かれているのは自然の摂理を表していておもしろい。