千里徒然

大阪吹田 暇人写真日記

ブラッシャー25cm反射赤道儀の銘板発見さる 天体望遠鏡博物館

2018-05-20 22:51:13 | 望遠鏡・カメラ

天体望遠鏡博物館の大望遠鏡棟に展示されているブラッシャー25cm反射赤道儀は1920年に京都大学に導入された米国ブラッシャー社製の望遠鏡と言われています。現存する貴重な望遠鏡の一つでもあります。

「言われています」というのは、西村製作所にずっと保管されていたので、由来からして正真正銘のものと思われるのですが、望遠鏡本体のどこにも「Brashear」の文字、銘板がなく、確定的に言えないので。。。

西村製作所が京大のブラッシャー望遠鏡を手本にして製作したコピー品と思っていた者もいたほど。

ところが、この度、西村製作所よりこの望遠鏡のものと思われるBrashearの銘板が見つかった、とのことで、博物館にその銘板が届けられてきました。

早速、私めが銘板片手に望遠鏡の架台をチェックしたところ、銘板が付いていた場所と思われる長方形に塗装がない箇所が直ぐに見つかりました。銘板をあてがった処、四隅のビス穴位置もピッタリ合致です。

ビスのピッチがぴったり合うものがなかったので、とりあえず径が合うビスで仮止めしておきました。

この望遠鏡、赤道儀の部品が完全に揃っておらず、今は架台と鏡筒がバラバラの状態での展示です。

この望遠鏡は、2年後の2020年に京大に導入されて100周年になります。その時までにはぜひとも架台を整備して、鏡筒が載った状態にしたいなあ、というのが博物館スタッフの目標です。私の勝手な願望かなあ?

 

(2018-5-21 追記)

このブラッシャー反射望遠鏡は学術用天体望遠鏡として我が国初の銀メッキ反射鏡と言われています。 

京大構内の天文台(1920年設置)ー 京大花山天文台(1929年移設) - 花山天文台台湾出張所(1937年移設) - 京大構内の屋上ドームに移設(1939年)され、1985年ごろまで大学で実習に使用されていたそうです。

現役を退いた後、博物館に寄贈されるまでずっと西村製作所で保管されていたもので、カルバー46cm反射望遠鏡と同様に、あちこち旅をしてきた望遠鏡です。

一般人から見ればただの産業廃棄物かと思われてしまうようなものを、長期にわたり大事に保管してくれていた西村製作所に感謝です。

 

(2018-5-27 追記)

「中村要と反射望遠鏡」(冨田良雄、久保田 諄:かもがわ出版、2000年)を読むと、このブラッシャー反射望遠鏡は、1929年のインドネシアの皆既日食の際にはスマトラ島まで船旅をしてきたようです。当時の輸送手段、能力を考えると、たいそうな旅であったと思われます。この望遠鏡を含めた観測機材の準備、発送はほとんど中村要の肩にかかっていたそうな。

 


現在のブラッシャー反射赤道儀の展示状態。


見つかった銘板です。


ピラー脚の手前側に横長に塗装が抜けた箇所がありました。


そこに銘板をあてがうと、ぴったしです。


こと座環状星雲M57

2018-05-17 12:14:15 | 望遠鏡・カメラ

昨夜は日没後も曇り空が続き、撮影はあきらめていたところ、23時過ぎから2時間ほど晴れ間がでました。

すっきりした星空ではなく、天の川がうっすら見える程度の空だったので、明るい星雲ならいけるかなと、M57を撮影。

PHD2によるガイドでは、これまでしょっちゅう「ガイド星を見失いました」に悩まされていたのに、なぜか昨夜は一度も発生なし。

PCへのUSB接続の位置を変えたりして問題が解決されたのか、それともたまたまうまく動いていただけかなのか?

もう少し確かめる必要あり。

M57、撮影したものを見てみると小さいですねえ。焦点距離1600mmで撮って、さらに4倍にトリミングしてもこの程度の大きさにしかならない。

 

2018-5-17  GS200RC f/8反射 + Sky-Watcher EQ8赤道儀 + ASI071MC-Pro(-10℃) Gain 240,180s x 18、4倍トリミング、小豆島にて(6cm f/4ガイドスコープ + ASI120MMを用いPHD2でガイド)


りょうけん座M63 ひまわり星雲

2018-05-15 20:26:24 | 望遠鏡・カメラ

今月も新月の時期に小豆島に帰ってきていますが、思うように晴天続きとはなりそうにありません。

昨夜は薄雲が晴れた夜半に少しだけ撮影できましたが、あとは週末まで撮影は無理そうです。

 

2018-5-15  GS200RC f/8反射 + Sky-Watcher EQ8赤道儀 + ASI071MC-Pro(-10℃) Gain 240,180s x 42枚、2倍トリミング、小豆島にて(6cm f/4ガイドスコープ + ASI120MMを用いPHD2でガイド)


反射鏡研磨機の引き取り作業 苗村氏より天体望遠鏡博物館に寄贈

2018-05-12 21:39:36 | 望遠鏡・カメラ

反射鏡研磨で有名な苗村氏より天体望遠鏡博物館に研磨機などの寄贈の申し出があり、本日その引き取り作業に滋賀県に行ってきました。

香川からの4名に関西地区ボランティア5名が加わり、9名での搬出作業となりました。

写真の研磨機は和歌山のみさと天文台の105cm鏡や徳島の阿南科学センターの113cm鏡など大型の鏡の製作に用いられたものです。

この機械、相当の重量物で、少しずつずらしながら建物より引き出す必要があり、搬出に随分と時間がかかりました。

今日一日では寄贈品すべてを搬出することはできず、もう一度残りの機材を引き取りにくることになりました。

今日はこの大型研磨機と、中型研磨機、フーコーテスターの他、多量の盤ガラス、研磨砂、ピッチ、松脂等の研磨材料もいただけました。

これらの機材は天体望遠鏡博物館の大望遠鏡棟の新たな展示物となります。

ぜひ、見に来てください。

 

 


研磨機を見送る苗村さん。この研磨機とお別れすることとなり、やはり寂しいと言っておられました。


ミーハーの私、苗村さんとの記念写真です。
今回の搬出作業に参加することで、苗村さんに初めてお会いでき、お話も伺うことができました。

学生時代に地人書館の「天体望遠鏡の工作百科」の中の苗村氏の反射鏡製作法の記事を頼りに10cm反射鏡を磨いたことがあり、その本に氏のサインをしてもらいました。これまたミーハーですねえ。


かまど炊き体験

2018-05-04 21:47:20 | 小豆島・旅

連休後半の2日目の今日、三田市の農村地域に住む職場の同僚宅にお邪魔してきました。

古民家に住みたいと、郊外の新興住宅地からわざわざ交通の便の良くない田舎に引っ越したという酔狂なおうち、炊飯はすべてカマドで賄っています。風呂も薪が燃料に五右衛門風呂ですよー。

今日は家族で招待され、カマドでの炊飯体験です。

私が子供の頃には実家にカマドは置いてあったけれど、小学生になった頃にはもう使っていなかった。

まずは裏の竹林で竹を1本切り倒して、火吹き竹づくりからスタートです。

続いてその火吹き竹を使って、カマドでの炊飯です。

ちょうど近所の奥さんも来ていたので、一緒に体験です。

家のあるじの指導で、うまく炊飯ができ、持ち寄ったおかずで美味しくいただきました。
 


炊飯、お風呂、暖房に薪がいっぱい必要です。


火がきちんと起こせたあとは、じっと待つばかり


台所の天井は炊飯のすすでいい色になっています。


風呂は五右衛門風呂。薪が燃料です。