千里徒然

大阪吹田 暇人写真日記

DeepSkyStacker Sidebar Missing対応

2023-08-08 20:18:52 | 望遠鏡・カメラ

天体写真画像のスタックにDeepSkyStackerを使用してきたのですが、先月version 4.2.6から5.1.3にアップデートしてみたところ、使っているうちにサイドバーが見えなくなり、メニューが使えないため操作不能状態に陥りました。


Windowsが原因かなと思い、ネット情報をいろいろ探してみたのですが、まるで解決できず、ほぼ諦めて旧バージョンに戻してました。
今日、ひょっとしてDeepSkyStacker情報の方に解決策があるかもしれないと思い立ち、DeepSkyStacker関連サイトを調べると、ありました(下記リンク)。

https://groups.io/g/DeepSkyStacker/topic/100054219#

そこには、sidebarを見失ったときには、レジストリを編集し、下記のkeyを削除すれば解決するとありました。


Run Regedit, navigate to HKEY_CURRENT_USER/Software/DeepSkyStacker/DeepSkyStacker5/MainWindow and delete that key.

It should then be OK the next time you run DSS.

上記案内に従って、該当keyを削除し、DSSを再起動してみると、無事サイドバーが復活です。やれやれ。

 


DART衝突後30日目のDidymos/Dimorphosのダストテイル

2023-07-31 18:08:35 | 望遠鏡・カメラ

DARTミッションの観測データを入手し、自身で画像処理してみた。
eVscopeで取得した科学観測データは一旦Unistellar/SETIのサーバーにアップロードし、自分で画像処理するためにはUnistellar/SETIに請求する必要があるのが面倒なところ。
最初、Nature誌に掲載された10/1のデータを入手して処理したところ、論文に掲載された画像と同等以上のよい結果が得られたので、追加で他の観測日(9/30 &10/26)のデータも請求して処理した。

宇宙望遠鏡や地上の大型望遠鏡の観測によれば、衝突1ヶ月後でもダストテールが観測されているそうであったので、主な興味は衝突後30日目の10/26の画像でダストテールが確認できるかどうかであった。

その結果、小惑星本体の明るさは相当暗くなっているものの、はっきりしたダストテールを捉えることができた。

DARTミッションの観測を行っている際には、このようなダストテイルが生じている、撮影できているとは思いもよらなかった。

なお、今年3月1日付けでNature誌に掲載されたDART論文は以下のリンクから。
他の4つのDART論文ともにアクセスフリーとなっていて、全文を読むことができます。
https://www.nature.com/articles/s41586-023-05852-9




eVscopeによるDARTミッション観測の論文がNature誌に掲載!

2023-03-02 21:21:11 | 望遠鏡・カメラ

2023年3月1日(日本時間3月2日)は記念すべき日になりました。
昨年秋のNASAのDARTミッションに関するeVscopeを用いたUnistellar citizen science networkによる観測データによる論文が権威あるNature誌に3月1日付けで掲載され、共著者として自分の名前が掲載される名誉を得ました。

DARTミッションに関しては同時に5報が発表されたのですが、他は天文学者による大望遠鏡を用いた研究でありました。
我々の論文は我々市民科学者が参加したグローバルネットワークによる観測研究であったことも評価されたのではないかと思われます。
5報のうち、唯一インパクトの瞬間も捉えている論文でもありました。
地上からインパクトの瞬間を観測できたのは、アフリカ東南部~インド洋の地域だけであったので、有数の大望遠鏡でも捉えることは不可能であり、世界中に分布する市民科学者の活躍の場がありますね。

Title: Light Curves and Colors of the Ejecta from Dimorphos after the DART Impact

https://www.nature.com/articles/s41586-023-05852-9

上記リンクではAbstractしか読めませんが、以下のリンク(PDF of the Accelerate Article Preview)では全文が読めます。(※2023/5/14追記: 上記リンクでもアクセスフリーに変更となり、全文が読めるようになってました。)
https://www.nature.com/articles/s41586-023-05852-9.epdf?sharing_token=peB1_pR2rv3rHXiwHcxVUdRgN0jAjWel9jnR3ZoTv0MXDcQYwEebQDKLgg1hEDEWWt8D3H-tUb5FgAHmBUd-hYavqKtA2BmFavkSkY_FGFUb_wS0B5YK6M-VnpWGUo0GjzYAbuHgjfsVQWxXv9rVpG2XWayzXoNpTOWXZxFsp-4%3D

その他、このNature誌でのDARTミッションの論文に関する記事が下記のサイトに掲載されています。
Sky & Telescope: https://skyandtelescope.org/astronomy-news/the-aftermath-of-dart-humankinds-first-planetary-defense-mission/

・Space.com: https://www.space.com/nasa-dart-asteroid-crash-what-nasa-learned

・Nature: https://www.nature.com/articles/d41586-023-00601-4


eVscopeを用いた系外惑星観測の論文

2023-02-07 13:07:16 | 望遠鏡・カメラ

この度、The Publications of the Astronomical Society of the Pacific誌(査読あり)にUnistellar市民科学ネットワーク(Unistellar Citizen Science network)による系外惑星観測に関する概説論文が掲載されました。
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1538-3873/acaa58

このネットワークは世界中に散らばっているeVscopeユーザー、米国SETI instituteの研究者と、それを支援するUnistellarによって構成されています。
そのネットワークで活発な活動の一つがExoplanet(系外惑星)の観測/検出です。
18ページにわたりUnistellar Exoplanet 観測の詳細が述べられているので、eVscopeによる科学観測に興味のある方はぜひ一読ください。
DeepLなどの翻訳ツールを使えば、割と正確に翻訳してくれますので。

この論文に書かれている活動がNASAに認められ、昨年12月にNASA Citizen Science projectsの一つとして、Unistellar Citizen ScienceのExplanet観測(UNITE)が公式にアナウンスされました。
https://science.nasa.gov/citizenscience

eVscopeを用いた系外惑星の検出はトランジット法を用いています。
トランジット法は太陽系外の星の前を惑星が横切る時の光度の変化を観測することで惑星の検出を行うものです。

この論文には直接関わっていないですが、私が実際に昨年10月に観測/検出できたTOI-3693bの解析結果です。eVscopeのような小口径の望遠鏡でも、木星のような大型のガス状惑星であれば観測対象になるようです。

 


ARTEMIS-1計画 オリオン宇宙船の月からの帰還が始まる

2022-12-08 09:23:53 | 望遠鏡・カメラ

11/16に打ち上げられ、月に向かったNASA ARTEMIS-1計画のオリオン宇宙船が月の周回を終え、地球に帰還するために12/6より地球に向かい始めました。

12/6夜、予想されている明るさは15.4等級ほどでした。
ほぼ満月下で明るい大阪の空の下で捉えるのは困難かなと思ってましたが、かろうじてその軌跡をeVscopeで捉えることができました。

オリオン宇宙船は12/11に地球に到着予定とのことで、それまでは追いかけてみることにします。