千里徒然

大阪吹田 暇人写真日記

バーティノフマスク作り

2017-08-31 11:55:33 | 望遠鏡・カメラ

今日で8月が終わりですねえ。世間のほとんどの子どもたちは今日で夏休みが終わりになります。

わたくし、夏休みの工作というわけではありませんが、このところ、望遠鏡用の小物作りに励んでいます。

先週、口径60mm、F240mmのガイドスコープを購入したので、ピント合わせ用のバーティノフマスクをいつもの紙工作でつくってみました。

ガイドスコープは中国の通販サイトを見ていたら、日本の望遠鏡販売店で購入するより相当安く手に入ることがわかったので、初めてその通販サイト(AliExpress)から購入してみました。まあ、いろいろなショップの集まりのようで、日本で言えば楽天みたいなもんでしょうか。発注して4日で届いたのには驚きました。

どうせ、日本で手に入る天体望遠鏡やそのオプション品はほとんど中国で製造されているんやから、直接中国から入手したほうが安くつくのは道理。

購入したガイドスコープもどうやら日本の販売店で売られているものと製造元は同一のようでした。

さて、バーティノフマスク作りですが、ついでにBORG71FL用も作成することにした。BORG用はずっと前に作成済みであるが、

 http://blog.goo.ne.jp/tankosan_001/e/c7c29fa4ac9395e199e2422aaf66e061(其の製作記)

あまり見栄えがよくなかったので(ピント合わせの機能としては問題ないけど)、作り直すことに。

 

以下は手近な道具、材料(カッター、カッターマット、物差し、木工用ボンド、日用品のパッケージなどに使われている厚紙)を用いての工作となります。

1.マスクパターンの作成

まず、マスクパターン作成のツールは以下のサイトを利用。

http://astrojargon.net/MaskGenerator.aspx (バーティノフ・マスクのパターン作成支援)

望遠鏡の口径や焦点距離、その他好みでスリットの数などを入力すると、パターンが出来上がるので、それをコピー用紙に印刷。

2.適当な厚さの紙に先程のパターンを木工用ボンドで貼り付ける。あまり厚手でなく、しかも丈夫な紙がよい。この前、トライバーティノフ・マスクに使ったようなコクヨのフラットファイルのような紙があれば、丈夫でしかもきれいにカッティングできる。そのときの切れ端を残しておればよかったが、既に捨ててしまっていたので、他の紙を使った。表面がツルツルのものが、カッティングできたあとに、剥がしやすいのでよいかも。剥がしにくいものは貼り付けたまま使用することにする。

3.カッターを使って、丁寧にパターンを切り抜く。

4.別途、パターンを載せる筒部分を作成

4-1.ボール紙で1.5~2cm幅の帯を4枚作成(長さは対物フードを外周より長くなるように作成)

4-2.その帯を1枚ずつ、対物フードに巻きつけながら、重ねて接着していく。もちろん、帯はピッタリの長さに切り取っておきます。つなぎ目はずらしながら接着です。対物フードを使って筒部分を作成することで、真円で、しかもフードにフィットしたものが出来上がる。今回の製作品では2mm厚ほどになりました。十分な強度があります。

5.作成した筒部分にマスクパターン部分を貼り付ける。マスクパターンは筒よりも少し大きめにカットしておき、接着が乾いてから筒に沿ってカッターで余った部分を切り取っていくときれいに円でカットできる。

6.塗装。そのままでも使えるでしょうが、廃材を使っているので、いろんな模様が入っていたりして、見栄えも考慮していつもの水性つや消し黒塗料を刷毛塗りした。塗装が乾くと、塗装前よりしっかりとしたものになったような気がします ^^;

以上で対物キャップ型バーティノフマスク、二丁完成です。

左右の写真を見比べられると、マスクのパターンがまるで同じであることがバレますねえ。

実は最初BORG用を作成したところ、カッティングがうまくいったので、縁起を担いでそのパターンを使って縮小印刷してガイドスコープ用に使った次第。F値は違うけど、まあええや、とええかげんです。 


トライバーティノフマスク 実地使用

2017-08-24 20:34:43 | 望遠鏡・カメラ

先日追加で作成したトライバーティノフマスクを実際に試してみました。

望遠鏡は米オライオン社D200mmリッチークレチアンです。

まずは光軸調整は現状のままでマスクを付けて光条を確認してみた。最初に作成したマスクよりも光条がより明瞭になり、調整しやすくなった。追加作成の2個に光条の違いはなかったので、最初に作成したマスクが段ボール地であったので、マスクの切り口がスパッと切れていない部分が多かったのが、光条が小さく不明瞭な一因かもしれない。

これまで、リッチークレチアンの光軸修正はチェシャ型の光軸修正アイピースを使ってきました。

それで光軸調整は合っていると思っていたが、トライバーティノフマスクを付けて光条を見てみると、なんと光軸調整不完全であったことが判明した。

 

 
上下の光条ではピントが合っている状態であるが、他の左右の光条、特に左右の光条が特にずれているもよう。

 
マスクを外してピントをずらして焦点外像を撮影してみた。光軸のズレはわずかにあるようであるが、明瞭には把握できない。私は星像の焦点内外像での光軸調整は苦手です。

 
副鏡の調整は手でマスクの3方向のいずれかを隠して、該当する光条が薄くなる方向の副鏡の光軸調整ネジをいじればよいので、非常にわかりよい。調整の結果、上の写真のように全方向できれいに光条が真ん中に均等に入るようになった。

ところが、この状態で光軸調整アイピースで確認してみると、なんと下の図のように少しズレていることが判明、

この原因は接眼筒のスクエアリングができていないことにあると思われたので、光軸調整アイピースを覗きながら、スクエアリングを調整してみた。

この望遠鏡(GSO社のOEM製品)にはスクエアリング装置は標準装備されていないが、昨年オプション品を購入していたので、スクエアリング調整が可能であった。

 

上の図のようにスクエアリング調整がほぼできたと思われる状態でトライバーティノフマスクの光条を確認してみると、

 
と、全方向にピントが合っていることが確認できた。これでばっちりです。

 

<使ってみての感想>

・光軸のズレ具合、どの方向を調整すればよいのかが明瞭にわかるのが便利。

・光軸調整アイピースでスクエアリングを含めて念入りに光軸調整し、トライバーティノフマスクで調整具合を再確認するという流れとなるのであろうか。

・このマスクは光軸調整とピント合わせの二役できる触れ込みであるが、通常のバーティノフマスクの方が光条が少ない分、光条が明るく長いので、バーティノフマスクがあるのであれば、ピント合わせ用にはそちらを用いる方が楽。 

 

ということで、本トライバーティノフマスクはリッチークレチアンの光軸調整にも使えることが確認できた。

今後、大いに役立ちそうである。


いて座散光星雲M17

2017-08-20 23:23:03 | 望遠鏡・カメラ

小豆島最後の日も、夜になるとやはり雲が出てきました。

粘って雲の切れ間を待って、やっと合計24分露出の撮影ができた射手座の散光星雲M17です。

SharpStar AL107-PH(107mm / 695mm F6.5)+Flattner Lens +Sky-Watcher EQ8赤道儀 + Canon EOS KissX5天体改造カメラ ISO1600,  3mx8枚   2017-8-18


やっと撮影できた星雲

2017-08-17 23:13:49 | 望遠鏡・カメラ

天体写真撮影にとっては悪天候続きです。

昨夜は三裂星雲を撮影し始めた途端に雲が拡がって、3分露出で2枚撮ったところで撮影終了と相成りました。

今夜も同じ様相です。網状星雲を撮り始めましたが、やっぱり撮影を始めると雲が拡がってきました。

今夜もどうやらこれで打ち止めとなりそうな予感。

 

射手座 M20星雲(通称 三裂星雲)

Orion D200mm f/8反射(RC)+Flattener Lens+ ASI071MC-Cool +Sky-Watcher EQ8赤道儀 

Gain240, 3m x 2枚  2017-8-16 小豆島長浜にて  

 

白鳥座 NGC6992網状星雲  SharpStar AL107-PH(107mm / 695mm F6.5)+0.75 Reducer Lens +Sky-Watcher EQ8赤道儀 + Canon EOS KissX5天体改造カメラ ISO1600,  3mx8枚   2017-8-17


千振島

2017-08-17 22:59:16 | カヤック

ころの夜間の天気の悪さで我が家の天体観測所は開店休業状態です。

やっと晴れ間が見えて撮影を開始すると、間もなく望遠鏡を向けた先は雲で覆われることが続いています。

昨夜は深夜に土砂降りの雨となりました。

スライドルーフの中で寝ていたら、ルーフを叩きつけるようなすごい雨音で眼が覚めました。用心してルーフを閉じていたので、望遠鏡を濡らすことは避けられました。

今日、昼間は快晴となってました。気晴らしに千振島へカヤックで出かけてきました。

遠出は止め、千振島で引き返しましたが、海の上は少し暑さはましかなあ。

 

2017-8-17 長浜~千振島往復 約6km


こぎつね座M27星雲

2017-08-15 14:30:37 | 望遠鏡・カメラ

この盆休みは星の撮影にはさっぱりの天気が続いてます。

おとといの夜、薄雲が広がっているなかでの撮影となりました。

 

こぎつね座 M27  このところ、この星雲ばっかりを撮っていますね。

天体改造したEOS kissで撮影したものに比べると、この冷却カメラでは赤色の星雲部分の発色が淡いです。

Orion D200mm f/8反射(RC)+Flattener Lens+ ASI071MC-Cool +Sky-Watcher EQ8赤道儀 

Gain240, 3m x 18枚  小豆島長浜にて  2017-8-13 トリミングあり


スライドルーフ(ニッシンドーム SRS-2030)

2017-08-06 10:43:02 | 望遠鏡・カメラ

去年の春に実家の裏庭にスライドルーフ(天体観測所)を設置して、1年半ほど経ちました。

設置したのは名古屋のニッシンドーム社製のSRS-2030型(観測室寸法2.0x3.0m)のスライドルーフです。

2年めの夏を迎えてますが、屋根の開閉はいまだにスムーズです。雨の侵入もなく、快適ですね。

ニッシンドームによれば、最近はドーム型よりもスライドルーフ型の注文が多くなっているそうです。

手元にある37年前の書籍「手作り天体観測所作例集」を見ると、作例はドームの方が優勢ですね。

 

スライドルーフを使ってみて、いいなあと思うこと。

  • ドームで言うところのスリット幅をルーフのスライド量で自在に調整できること。
  • ドームでは天体望遠鏡はドーム中心に1台しか置けないが、スライドルーフでは複数台設置できる。

 ただし、私の2.0x3.0mでは2台並べると苦しいので、常設は赤道儀EQ8の1台だけにし、残りのスペースは機材置き、仮眠スペースとして使っている。このところ、小豆島に帰っている間は母屋ではなく、ほとんど観測所の中で寝ている私。

  • ルーフを半開/全開し、床に寝転べば、星空を見ながら眠りにつけるという、なんとも優雅なひととき
  • あと、将来観測所として不要となった時、物置代わりに使えますなあ。ドームではそうはいかん。

 


1980年発行の天文ガイド別冊


ルーフを閉じた状態です。


観測所のドアのすぐ左手内側に照明とそのスイッチを付けてます。

SRS型では反対側の壁には換気扇が標準装備です。
Panasonicの換気扇用温度スイッチをつなげて、夏場には自動で換気扇のスイッチが入るようにしました。

南側には可倒式の防風板仕様になっており、望遠鏡を南の低空に向ける際には防風版を倒せば視界が広がります。


おとめ座レンズ状銀河M86と周辺の銀河

2017-08-05 08:41:02 | 望遠鏡・カメラ

6月に撮影していたおとめ座の銀河群。この1枚の中に銀河が9個ほど写ってますね。

夜空が広がったときには既に西の空に沈みかけていたので、急いで撮影。そのため、構図が丁寧でなかったです。

右端のM84銀河が半分しか写ってません。

来年、おとめ座が昇って来たとき、再チャレンジせにゃ。

 

Orion D200mm f/8反射(RC)+Flattener Lens+ ASI071MC-Cool +Sky-Watcher EQ8赤道儀 

Gain300, 3m x 8枚  小豆島長浜にて  2017-6-16


中央右の一番大きな銀河がM86。 右端の半分切れた銀河がM84。それ以外の銀河にはM番号は付いていない。


トライバーティノフマスク シュミカセ光軸合わせの新兵器

2017-08-01 22:23:04 | 望遠鏡・カメラ

天体望遠鏡のピント合わせの支援ツールとしてバーティノフマスクがあります。

最近、ネット情報でその応用型のトライバーティノフマスクというツールが考案されていることを知りました。

こちらのHPに詳しい情報が載っています。

http://reflexions.jp/blog/ed_tenmon/archives/949

 

これは、ピント合わせと光軸合わせの両方の機能があるそう。

ピント合わせだけならバーティノフマスクがあれば済むが、光軸調整のできるマスクということで興味を惹かれた。

これは、シュミットカセグレン用と標榜しているが、多分リッチークレチアンなど他のカセグレン型の望遠鏡にも使えるんではないかと、早速マスクを作成してみた。

 

こちらのWEBページにマスクパターンを作成する画面が公開されてます。自分の望遠鏡にあったパラメータを入力すると、簡単に作図ができます。

http://svg2.mbsrv.net/astro/Tri-Bahtinov.html

 

手元にある材料のなかでは、コクヨではフラットファイルと呼ばれる書類ファイリング用の表紙が加工しやすそうであったので、それを利用。

作図したマスクパターンを糊付けしてから、カッターで切り抜きます。

加工に使った道具。カッター、ステック糊、物差し、百均のカッターマット。

切り抜いたマスクの状態では薄くてペラペラなので、周囲の部分を厚紙で補強して完成です。

 

私の20cmリッチークレチアンにトライバーティノフマスクを付けて光条を撮影したもの。

ピント合わせはバーティノフマスクと同様に3本線の真ん中の線が中央に来るようピントを合わせる。

もし光軸がずれていると、ある方向の光条の真ん中の線がピントがずれている状態の線の位置になるそうである。

その方向に対応する調整ネジを回して副鏡の光軸調整を行えばよい。

最初に作成したものではバーティノフマスクに比べて光条が暗くて、明瞭ではなかったので、作図ソフトのパラメータをいろいろ変え、少しパターンの異なるものを新たに2個作成してみた。

光条が前のより明るくなるようであれば使えますね。

今度、小豆島に帰った時に試してみます。