韓国には、「沐浴湯」と呼ばれる、韓国式銭湯があります。
水泳、散髪、垢すり、靴磨き、マッサージ、そして爪切り……。
全く脈絡なさそうなこれらのサービスを、丸ごと1ヶ所で堪能できる施設が「沐浴湯」です。
韓国の銭湯も看板は温泉マークです。
たいていの場合、煙突に温泉マークがついているので遠くからでもよくわかります。
入口に番台があり、ここで料金を支払い、男湯・女湯にそれぞれ分かれる仕組みだ。
日本のように番台から男湯も女湯も丸見え、なんてことはありません。
下駄箱のカギとロッカーのカギを引き換えに中へ入ると、脱衣所は日本の銭湯とよく似た作りになっています。
ただし一角には散髪用のイスが数台、また靴磨き職人が待機しているのが韓国ならではです。
客の男性はよくフルチンのまま散髪してもらったりしています。
浴室内も湯の温度に応じて浴槽が分かれたりと、基本的に日本と同じです。
違うのは、マッサージ師も兼ねる垢すり職人の垢すり大が隅に用意されていることです。
さらに冷たくて広い水風呂で時々アジョシやアジュンマが泳いでいるのも、日本ではあまり見ない光景です。
それも平泳ぎなどと生易しい泳ぎ方でなく、よくバタフライでバシャンバシャンと水しぶきを上げています。
人目を気にせず楽しめる度胸は、日本人には超えられない壁のように思います。