紛争地出身者の和解のため、敵対国の生徒たちを同じ教室で教育
ボスニア・ヘルツェゴビナのメディアは28日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の孫、キム・ハンソルさん(16)が、ボスニアにある「ユナイテッド・ワールド・カレッジ・モスタル(UWCiM)」に入学したと報じた。この学校は、紛争地出身の生徒たちの和解を目標として、2006年に設立されたインターナショナルスクールだ。
ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)は「世界各国のさまざまな文化・宗教・価値観を、学校生活を通じ理解できるようにしなければならない」というドイツの教育哲学者クルト・ハーンの理念を実現するため、英国のある財団が1962年に設立した。UWCiMは、世界に13校ある分校の一つ。UWCiMの2011年入学者リストには、キム・ハンソルさんを含め29カ国から74人の生徒が登録されている。
UWCiMは、キム・ハンソルさんを含め、生徒全員が3年間寄宿舎生活を送ることを原則としている。学費は年平均2万5000ドル(約192万円)ほどだという。
一方、キム・ハンソルさんのUWCiM入学を初めて報じた現地紙ベチェルニ・リスト(夕刊)は「生徒の保護者の一部は、北朝鮮を支配している独裁者の孫がUWCiMの生徒になったというニュースに驚き、動揺している。新学期開始(9月1日)以降、1カ月たとううとしているが、キム・ハンソルさんの姿はまだ見られない」と伝えた。