「平和の象徴」であるハトが有害野生動物に指定された。排泄物が都市建築物と文化財を汚し、羽毛が飛んで生活に支障をきたすという理由からだ。
環境府は31日「野生動植物保護法施行規則」を改正し、ハトを有害野生動物に指定したと明らかにした。今までは建築物などに近付くことができないように追い出しているだけだったが、今後は市長、郡守、区長の許可を受けて捕獲できる。
現在、イノシシ、カササギ、アカシカなどの有害野生動物は、農作物被害を受けた農家で許可を受けて直接捕獲か、あるいは有害動植物救済団(韓国野生動植物保護管理協会所属)に委託して捕獲している。カラス、ネズミも有害野生動物に属する。
ドバト(家鳩)は1981年、ソウル市庁の屋上や漢江(ハンガン)の土手で家畜のように飼い始めた。ソウル市は86年のアジア大会と88年ソウル五輪を控え、ハトを増やした。天敵がいないことと、エサが多かったため、幾何級数的に増えた。そうして昨年11月、野生動物に分類された。現在、首都圏には、ドバト100万羽(ソウル50万羽)がいるものと推定される(韓国鳥類協会)。
ハトの排泄物は強い酸性を帯びた尿酸が入っているため建物を腐食させる。ソウル鐘路2街タプゴル公園にある朝鮮時代初期の文化財円覚寺(ウォンカクサ)址十層石塔は、ハトの排泄物を阻むためガラスで覆っている。徳寿宮(トクスグン)のような古宮は丹青保護のために殿閣ごとにハト接近遮断用の網をかけている。
湖南(ホナム)大学校イ・ドゥピョ教授(生物学科)は「ドバトは普通1年に1、2回繁殖するが、都心に生息するドバトはエサが多く7、8回繁殖する」とし「個体数を減らすためにはエサを減らさなければならない」と話している。