2014年5月東京新聞夕刊で「廃業する印刷会社の社長さんが活字をもらってくれる人を
さがしている」という記事が載り、その対象は個人でも団体でもかまわないということ
だった。
活版印刷については前の会社でも小規模な印刷会社と仕事上やりとりがあったし、
寅さん映画(タコ社長の印刷会社)などから、一般的な知識は持っていた。
家族分の名前の活字がほしいと思い、
連絡を取った。
しばらくして「用意ができたので、引き取りに来られますか」という連絡が社長の
渡辺さんからあり、埼玉県朝霞市の工場に伺った。
ワタナベ印刷はいかにも「社長ひとりでやっている印刷屋」という、
ちいさなちいさな印刷会社だった。
渡辺社長はとても小柄な人だった。足がお悪いようで、歩行が大変なようだった。
こちらが指定した文字をていねいに確認して渡してくれた。
新聞が出てから、すごい数の依頼があって、私が伺った時点では、新しい依頼については
断っていると話された。すでにいくつか大学などの団体からの申し込みもある、という様な
事も話された。
また、ご自身が癌であることもお話された。
もらった活字は家でスタンプ台のインクをつけて押してみたが、名前の数文字を同時に
押すというのがむずかしく、あまりうまく印字できなかった。しかし、この活字がこれまで、
いろいろな印刷物に使われていたのだと思うと、どこかしら歴史や重みを感じた。
家族からは「また変な物を持ち込んできて、なにをするのだ」という冷ややかな目を
浴びせられた。
渡辺さんが逝去されたとのことだ。感謝とご冥福をお祈りする。
さがしている」という記事が載り、その対象は個人でも団体でもかまわないということ
だった。
活版印刷については前の会社でも小規模な印刷会社と仕事上やりとりがあったし、
寅さん映画(タコ社長の印刷会社)などから、一般的な知識は持っていた。
家族分の名前の活字がほしいと思い、
連絡を取った。
しばらくして「用意ができたので、引き取りに来られますか」という連絡が社長の
渡辺さんからあり、埼玉県朝霞市の工場に伺った。
ワタナベ印刷はいかにも「社長ひとりでやっている印刷屋」という、
ちいさなちいさな印刷会社だった。
渡辺社長はとても小柄な人だった。足がお悪いようで、歩行が大変なようだった。
こちらが指定した文字をていねいに確認して渡してくれた。
新聞が出てから、すごい数の依頼があって、私が伺った時点では、新しい依頼については
断っていると話された。すでにいくつか大学などの団体からの申し込みもある、という様な
事も話された。
また、ご自身が癌であることもお話された。
もらった活字は家でスタンプ台のインクをつけて押してみたが、名前の数文字を同時に
押すというのがむずかしく、あまりうまく印字できなかった。しかし、この活字がこれまで、
いろいろな印刷物に使われていたのだと思うと、どこかしら歴史や重みを感じた。
家族からは「また変な物を持ち込んできて、なにをするのだ」という冷ややかな目を
浴びせられた。
渡辺さんが逝去されたとのことだ。感謝とご冥福をお祈りする。