自己と他者 

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石田衣良『西一番街ブラックバイト』

2018-12-15 13:32:42 | 小説

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著者名 :石田 衣良

書籍名 :池袋ウエストゲートパークⅫ 西一番街ブラックバイト

出版社 :文春文庫

発刊日 :2018年9月10日321ページ。 オール読物2015年、単行本2016年

価 格  :650円プラス税

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略歴

1960年、東京都生まれ。A型。 
‘84年成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。36歳(1996年ですね)の時に執筆活動を開始、‘97年「池袋ウエストゲートパーク」で、第36回オール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。‘03年「4TEENフォーティーン」で第129回直木賞受賞。‘06年「眠れぬ真珠」で第13回島清恋愛文学賞受賞。‘13年「北斗 ある殺人者の回心」で第8回中央公論文芸賞受賞。

ブックトーク『小説家と過ごす日曜日』という有料コンテンツも提供。文芸春秋から書籍としても刊行されている。

小学校2年の時にTVのウルトラマンに影響を受け、面白いストーリを求め図書館へ。1950年代のアメリカSF黄金時代作品にはまり、夏休みに棚一つ読み切り、作家になりたいと思ったそう。それが7歳夏。この世界によいと思うことを書こうとは思わないというのは興味深い。その心は、思想やアートで社会改良しようと試みたことが歴史上幾多も見受けるが多くの悲惨な結果を生んだから。自分と精神的な遺伝子を同じくする少数の読み手のためにかければ十分とする。

かっこいい大人とは?の問いに対し、懸命に努力をしながら生きることを楽しんでいる雰囲気のある大人はかっこいい大人ですと回答。また逆に問いかけている。「大人のあなたに質問です。つらいこともあるけど、仕事はほんとにおもしろいよ。結婚して大正解だった。そんなふうに若者にいったことがありますか。」

最後に若者へのメッセージとして、こう語る。

世界は変化の時代を迎えています。それはあなたが坂道を駆けのぼる可能性も、転げ落ちる可能性も同時に存在するということです。今は力が足りずに不安かもしれませんが、人の輪を広げ、研究を続け、自分の武器を磨いてください。社会人になってからの勉強で人は差がつきます。毎日一時間はテーマを決めて、読書と勉強をしてください。10年後あなたは想像できないほどの高みに立っているはずです。本が読めない人は読書の訓練をしておくこと。それができないと、あなたが勝つ可能性は宝くじ並みになります。これは統計上ほぼゼロという意味です。

 

あらすじ

4本構成。

1.西池第二スクールギャラリー

              顔のきれいな和菓子屋の娘、マコトの同級生登場。

2.ユーチューバー@劇場

              時代を反映させた内容。身を削ってユーチューブに投稿するところは痛々しい。

3.立教通り整形シンジケート

            最近妙にマスクをかけている人を目撃する。風邪感染対策かはたまた己の顔を隠すための偽装か。鼻の形を見ると整形しているかわかる気がするのは俺だけ?

4.西一番ブラックバイト

              ブラック企業ならぬブラックバイト。簡単に言うと社員でもないのに妙な責任があるポジションに着かせるそうだ。実際こんな飲食グループがありそうだから怖いし、著者もそこを狙ったのだろう。なさそうでありそう、ここがポイントか。いやあるといってきそうな人もいそうでこれまた怖い。バイトを苦に自殺、たまらない。解説は、このブラックバイトの実際の話について。NPO法人POSSE代表という肩書の方が書いている。

因みにブラックバイトの特徴として10上げている

①    自分がいないと職場が回らない

②    過剰な責任

③    長時間・深夜勤務、遠距離へのヘルプ

④    急な呼び出し、シフトの強要

⑤    最低賃金われの賃金、残業代不払い

⑥    偽装求人

⑦    罰金、ノルマ、自腹購入

⑧    責任感からやめられない

⑨    契約違反、損賠賠償で脅す

⑩    脅迫、暴力

まとめると、1責任を負わせるが2賃金が安く3やめさせない

⇒地獄です。

略歴は、https://www.kakugo.tv/person/detwm3zb.htmlから抜粋。


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