自己と他者 

自己理解、そして他者理解のために
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横山秀夫『半落ち』

2019-01-26 23:29:08 | システムメモ

ネタバレ

著者名 :横山秀夫

書籍名 :半落ち

出版社 :講談社文庫

発刊日 :2006年2月 第7刷(2005年2月1刷) 単行本は2002年9月刊

価 格  :590円プラス税 p357

ジャンル:小説・ミステリーサスペンス

読了日 :2019年1月23日。

あらすじ:現職刑事だった梶が起こした妻(アルツハイマー)の殺害から自首の事件をそれぞれの立場で描く。殺害から自首までの空白の2日間に焦点が当たるもそこのみ梶は口を閉ざす(完全に自供をしないことを半落ちという)。なぜなのか。2日間の間に歌舞伎町で目撃の話も持ち上がり、警察は。。。。個人の想いと組織の思惑がせめぎあう。

構 成  :

    志木和正の章(補足:梶の取調官を担当。捜査一課の強行犯指導官で刑事頭)

           佐瀬銛男の章(補足:検事)

           中尾洋平の章(補足:記者)

           植村学の章(補足:梶の亡くなった妻の姉から依頼を受けた弁護士)

    藤林圭吾の章(裁判官)→藤林の父親も元裁判官でアルツハイマーになった。自分の妻が介護をしていた。藤林は、最後まで面倒を見切った妻を知っているだけに、梶の愛する奥さんをその手にかけたことが許せなかったが、なんと妻から父親の世話をしていた際、通常に戻った際、自分を失うのが恐ろしいという父親から殺してくれと頼まれた事実を藤林に告げる。妻は自分は殺せなかったが、自分で死んでくれないかと思ったことがあったという。驚く藤林。藤林の妻は、梶について、きっとこの人は優しいのだという。

    古賀誠司の章(補足:あと1年で定年の刑務官)

感  想:藤林自身の父親と梶に対する思いと、自分の妻とのやり取りで、人間の内部の複雑な感情の動きが描写されるがここにこの作家とこの小説・人文学の冥利を感じた。素晴らしい!。AIやコンピュータでは読み取れない人間の奥深さだ。まとめの形でさらに最後に梶の2日間の理由が明らかになる。

 


ツルネ-風舞高校弓道部と風が強く吹いている

2019-01-22 21:09:39 | アニメ・コミック・ゲーム

ツルネ-風舞高校弓道部

原作:綾野ことこ

製作:京都アニメーションだったんですね。弓道のアニメというのがまた新しい。感想は、漢字で、綺麗といった感じ。

 風が強く吹いている

原作:三浦しをん

製作:Production I.G

2019-02-13日追記、CMに入るときのマメ柴犬が可愛すぎる。

2019-02-13日追記、箱根駅伝にぎりぎり出場が決定。この時がとうとう来たか。終わりが近そう。 

この二つのアニメが面白い!!


横山秀夫『真相』

2019-01-20 00:32:32 | 小説

著者名 :横山秀夫

書籍名 :真相

出版社 :双葉文庫

発刊日 :2008年7月 第15刷(2006年10月20日1刷) 単行本は2003年刊

価 格  :600円プラス税 p341

ジャンル:小説・ミステリーサスペンス

読了日 :2019年1月19日。

構 成  :以下5話の短編集。書籍タイトル通り、貫かれているのは、表面事象の裏にある“真相”。

 真相、

 18番ホール、

 不眠、

 花輪の海、

 他人の家。

経 歴  :1957年東京生まれ、東京都立向丘高校、国際商科大学(現東京国際大学)商学部卒業。大学時代躰道部所属。上毛新聞記者。記者としてのキャリアが終わりに近づいたころ、小説を書き始め、短編集『ルパンの消息』が佳作に。4歳で結婚しており、家には幼い子供が2人いた。そのため、彼は引越業者や警備会社でアルバイトをこなし、空いた時間に執筆をした。『影の季節』に7年を要したが、松本清張賞を受賞。それからが躍進の時。ワンルームアパートで1日20時間以上執筆したという。覚醒し続けるために栄養ドリンクを飲み、仮眠が必要になったら睡眠薬を飲んだという。5年で4冊を刊行。

91年『ルパンの消息』がサントリーミステリー大賞佳作。小説家、推理作家の道を歩む。

98年『影の季節』で第5回松本清張賞受賞。

2000年『動機』で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。

他に『半落ち』、『クライマーズ・ハイ』、『出口のない海』、『震度0』などがある。

個人的には横山氏作品は『クライマーズ・ハイ』に続き、2冊目。2002年『半落ち』で直木賞候補になるが、選考委員の北方謙三氏が小説内の重要要素を関係機関に問い合わせたが、「現実にはあり得ない」という回答を得て、現実味にかけるとのことで落選。各種ランキングでは1位を獲得。ただし、それに対し今度は林真理子が欠陥に気づかず賞を与えた業界も悪いとミステリー業界やさらには読者まで批判。それに対して、横山氏がキレて、「ミステリー作家たちだけではなく読者まで侮辱された」と直木賞と訣別宣言。横山は、独自に再調査し、設定の上で事実の誤認はなかったと確信、直木賞主催の日本文学振興会に事実検証を求めたが、回答がないまま『オール讀物』の選評で「作者誤認」が修正されないまま掲載され、「権威の持つ奢り」を主催者に感じ、訣別宣言。2003年心臓発作で体調を崩す。2012年『64』がベストセラーに。2017年アメリカで『64』が刊行され、反響を呼ぶ。

ひとの業の深さが描かれている。本は凄い。小説は凄い。この本は暗い(笑)。自分もこの本の主人公のように落ちていく可能性はあるのだ、そんな恐怖を少し、いや結構感じながら読んだ。

不注意で車で人を轢いてしまった。素直に自首できず、それを隠す。そして隠し続けるために嘘を重ねる。さらに隠し事が増える。段々、自分に嫌気がさしていく。自分が誤解した故に、他人を不幸にしてしまう。その誤解を知っても自分・家族への影響を考えると撤回できない等。

素直に自首できず→自首していたら主人公の人生も変わっていただろうか?

https://courrier.jp/news/archives/85306/

↑こちらのインタビュー記事は面白いです。


ボヘミアン・ラプソディ

2019-01-07 23:20:13 | 映画

Queen結成からLIVE AIDまでにフォーカスした映画。人種差別、性差別、本人自体がAIDSに。フレディ!!すごくイカレテいてそれでいて恰好いい!!

特別なファンではないため、期待していなかったが、すごく面白く、観ている間中、脳内物質が分泌し続けていました。

成功までの壮絶な人生です。