自己と他者 

自己理解、そして他者理解のために
哲学・ビジネス・雑記・洒落物など等

最強の営業人 林氏

2005-11-23 13:01:48 | 日記・エッセイ・コラム・メモ
林文子著『失礼ながら、その売り方ではモノは売れません』
(亜紀書房)を読んだ。

自動車の営業人から現在ダイエーCEOとして同社再建に
従事している著者の営業感。

彼女すごいです。自動車会社のスタートは本田の営業から
始め、一ヶ月目でトップセールスに。BMW社に移ってからは
5年で400台売る。バカスカ売ってますね。トップセールスを
10年以上続ける。

本田では当時女性営業というのは自分以外にはおらず、
ほとんど仕事を教えてもらえなかったとのこと。
トヨタの営業の椎名氏が書いた本を読み、「一日100軒、
訪問するべし」を実行したそうです。




大学進学率は増加しつづけているにもかかわらず、なぜ犯罪は減らないか。

2005-11-23 00:22:29 | 日記・エッセイ・コラム・メモ
松下幸之助 松下政経塾 塾長問答集『君に志はあるか』(PHP文庫)
を読んだ。前に一度読んだことがあるが読み返した。

心に残ったことは、「世の中では大学進学する人、率というのは
増え続けているのに、なぜ犯罪は増え続けているのか?」
という松下氏の素朴だが重要な疑問である。

本で言っているように、むしろ警察官の数も増えている。
この本が出版されたのは1983年。大学へまで高い金を払って
通い、国立では税金が使われ、多くの大学生が何かしら
を学んでいるが、生きていくうえで一番重要なこと
(人への思いやり、自分がやられたらやなことは、他人しないこと)
を教わってないから犯罪は増えているのだろうか。
・家族の問題か。夫婦共働きが増え家庭の教育への
コミットが減ったからだろうか。
・それとも世間の若者への対応が変わってきているのか。
・外国人による犯罪が増えているのか?
・警察がグーたれているのか
・政府、文部科学省による政策の失敗か
・物質的に豊かになるも大切な心を見失いつつあるのか。


なんか高校を6年にして大学で教わることを徹底的に教え込んで
社会に出したほうが世の中はかなり今よりマシになりそうだが、
どうだろうか。

自分はエスカレーター式の入れば安心という形の低年齢による
受験、入るまでの大学受験入試、これらは学問を修めようとする
本人にとっては入った後にダメになってしまう要素である気がする。
経済成長と教育に相関関係があるとことは分かってきているが、
では、教育と犯罪に関連性はあるのだろうか。






ピーター・F・ドラッカー氏、2005・11月11日死去

2005-11-16 05:27:55 | 経営-ミッション-ビジョン-グランドデザ
ピーター・ドラッカー氏がお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈りいたします。

彼の著書『断絶の時代』を少し前に読みましたが、
社会を見据える緻密な洞察力に基づいた分析力は
すごいの一言。

父親は貿易省の大臣を勤め、彼の家には
シュンペーター、フロイト、ハイエクなど
多くの知識人が議論しに集まったそうです。
ドラッカーは幼いころからそういった見識豊かな
人々の議論を聞いて知的好奇心も
育んでいったようです。

日経の今年(05年)2月のドラッカー『私の履歴書』
は学校で縮刷版をコピーして読みましたが、すごく
面白かった。
波乱万丈人生と言っていいでしょう。

あの経営コンサルティングを一つの
産業に押し上げたマービン・バウアーとも親しく、
彼に頼まれてマッキンゼーのコンサルタントに対して、
研修を引き受けたこともあったらしい。

GMのコンサルティング経験をもとにして書いた良著
『会社という概念』、ナチスドイツを分析した
『経済人の終わり~全体主義はなぜ生まれたか~』
『産業人の未来』
『非営利組織の経営』
など、タイトルからして興味深く、時代を見据えた
書物を多数出しております。

そういえば、大学の「マーケティング管理」の講義でも
彼の著書『現代の経営』が紹介され、レポートに
彼の定義した『事業とは何か』という問題がでたことを
思い出します。

先日亡くなったダイエー創業者中内功氏
(ドラッカーとの共著を出してますね)をはじめ、
オムロンの立石一真氏、ヨーカドーの鈴木敏文氏など
日本の多数の経営者とも親交があったようで、
明治維新にものすごい興味を持っていたらしい。
日本とも関係が深い人です。

ピーター・ドラッカー、尊敬する人の一人です。


小野節子『女一人世界に翔ぶ』(講談社)

2005-11-10 13:18:29 | 小説以外 

小野節子 著『女一人世界に翔ぶ』(講談社)

を読んでいる。この著者の経歴・家系もすごいが
内容も面白いし読みやすい。!!

この本、ゼミの先生に「買っといて」とお金を渡されて
読んでもいいよ、というから読んでみたのだが、
国際機関、国際政治、世界銀行、融資決定プロセス、
経済開発、フェアな視点とは何か?といったことに
ついて著者の美的意識を軸にして語っている。                 

国際関係に興味のある人に特におすすめ。


浅田次郎『蒼穹の昴』全4巻読了。

2005-11-09 02:22:44 | 小説

浅田次郎『蒼穹の昴』講談社文庫 全4巻を読み終えた。

文庫にしては字が比較的大きいとはいえ、かなり
長かった。しかし、とても面白かった。最終巻(4巻)
の参考文献を見ても、かなり調べて書いたことが
伺われる。主人公春児と妹、進士中の進士状元
(科挙試験のトップ合格者)の文秀、
ライバルだった王逸、皇帝と皇后
、楊、李などなどぞれぞれよく書かれているとおもった。

強く印象に残ったところが一つあった。最後のほうで、
日本に亡命することができた文秀(春児の妹りんりんとともに)
が皇帝(この場面では既に元をつけていいかもしれない)
宛てにしたためている手紙のなかに一国を司る政治の本質
について文秀が気付く文章がある。これこそ政治の本質
だと確かに読んでいておもった。この部分、決して小説だからと
いって流すことのできない文章だ。

→ 皇帝の後ろ盾のもとで民をおもい、西欧列強のように近代化を
すすめようと謀殺により皇后を消すことを試みるも失敗し、亡命。
手紙を書いている場所は船中。

 長く一緒に時間を過ごした春児の妹を酔って、
うっぷんを晴らすか(自分もどうしてそんなこ
とをするのかわかっていない)のごとく殴りまくった後で、
手紙を書きながら気付く。考えてみるとすごい場面だ。

実は春児の妹であるりんりんの婚約者譚嗣同(タンストン)
を文秀、婚約者りんりんも読んでいる自分も
涙ばかり流し度胸のない弱虫だと思う部分がある。
しかし、後から少し彼に対する印象が変わる部分がある。
→タンストンは変法派(改革派、皇帝、文秀たち)で
謀殺を企てたとして公衆の場で首をはねられる。

聞いてくれ、載湉(ツァイテン)。
「略~みな民衆に施しをしようとしていた。その施し
が大きければ大きいほど善政なのだと。
民衆は無力である。日照りの夏は涙すらも涸らし、
凍える冬には飢寒こもごも迫って溝壑に転々とするしか
為すすべをしらない。抵抗する力も、怨嗟の声を上げる
声すらも、彼らにはない。

僕らのなすべきことは決して施しであってはならなかった。
日照りの夏はともに涙を涸らし、凍えた大地の上を
ともに転げ回ることこそ、彼らの中から選ばれた政治家の
使命なのだということに僕はついぞ気付かなかった。

略~施すのではなく、尽くすのだ。~略~

「同士タンストンは生死を分かつ別れに際してこういった。
「文秀、君は難きにつけ、僕は易きにつく」と。

復生(タンストン)だけは4億の民衆の痛みを知っていた。
あの男こそ日照りの夏は、ともに涙を涸らし、
凍えた大地を民とともに転げ周る英雄だった。


民の気持ちすなわち民意から離れた理、政治、は、単なる
暴力であり、百害あっても一利もなし。松下幸之助は
「世間大衆と言うものは神のごとく正しい判断を下す」と考えていたらしい。
もっとも大衆が間違いを犯すこともあり、それを断固としてただすことも
政治家の役割だともおっしゃっていたが。
確か映画『ゲバラの日記』を観た時にもこれを読んだときと
同じように感じだことがあった。


今日(05年11・6)の朝日新聞『おやじのせなか』松本大

2005-11-06 11:00:58 | 日記・エッセイ・コラム・メモ
本日の朝日新聞朝刊に面白い記事がありました。
松本大(マネックス・ビーンズCEO)氏のインタビュー。

 私は、投資をマネックスを通じて行っています。
理由は、この松本氏に好感がもてるから。
若くしてゴールドマン・サックスのパートナーまで
いき、辞めて、マネックスを創るというリスクのとり方
(起業家精神)が好きです。

松本氏の父親は、空襲をなんども経験した世代
だそうで、あるときまでかなり厳しく育てられたそうだ。
あるときというのは、兄が病死したときまでだ。

その後はできるかぎり自由にさせてもらえるようになった
らしい。大学でて外資(ゴールドマン)に入ったことを報告
すると、父親は本を三冊買ってどんな会社かを調べたそうだ。
そして、
「おめでとう。日本はマッカーサーに助けられた。頑張れ」
といってきたそうだ。

面白い!!かつ温かい!!
クールな感じがするのに
同時に温かい雰囲気をもっているのは父親譲り
なのでしょうか。
人間の成長という観点からこういう雰囲気をもった人間に
自分もならなくては、と思った次第です。
フジテレビ早朝のマーケット解説なんかや書籍のインタビュー
を読んで知っているぐらいですが魅力ある感じの人ですな。



岩井俊二『花とアリス』

2005-11-03 18:37:35 | 映画

岩井俊二プロデュースの映画『花とアリス』
を観た。

相変わらず映像と音楽が良かった。
カメラマンの腕がいいのかな。
『リリィシュシュのすべて』『ラブレター』
などでも感じた。この2要素には岩井さんはこだわりが
あるのでしょう。

アリスが父親からフォー・アイ・ニ-
という言葉と再見という言葉を駅のホーム
で分かれる場面で教わり、アリスはそれを
花が好きな人と付き合い続けるために花に
言われたとおりに芝居に付き合うが、
元彼女の役の芝居をしていることを相手の男に
ばれ、本当は自分が好きだったことを表に出せずに
分かれる場面でつかうところは良かった。

ところどころ、有名人を一瞬だけ登場させるというのも
面白い。

花とアリス


株式市場 「三洋電機」

2005-11-02 11:23:51 | 日記・エッセイ・コラム・メモ
三洋電機の株価が急上昇。

同社のメーンバンクである元三井住友銀行
常務執行役員の前田孝一氏を同日付で副
社長執行役員に迎える人事を
発表。

年初来最安値を更新し、ゴールドマンサックス
にはいいようにいわれたが、ここにきて
270前後(240まで落ちていた)まで上昇。
三洋の強みは何か?と考え場合に燃料電池
しか思いつかない。白物家電ではソニー、松下
にシェアは奪われている。どのような改革案を
だし、経営をすすめていくのか、財務の健全化
はたせるのか。興味深い。


山田悠介『スイッチを押すとき』

2005-11-01 18:32:34 | 小説

山田悠介 『スイッチを押すとき』文芸社
 日本の未来、少子高齢化の仲、
若者の自殺が絶えない状況の下、
日本政府はプロジェクトを開始した。
5歳の子供を無作為に選定し、
手術により装置を心臓に取り付け、
スイッチを押すことで停止する。その子は
5年後に世間から隔絶され監禁状態の中で
心理状態を研究するというプロジェクトだった。
主人公は監視員として国に選定され、
死ぬしかない運命の子供の監視をし続けるも、
横浜の研究所に移され、7年間スイッチを押さ
ずに行き続けている4人の子供に出会う。
そして四人と深い仲になり、悲しい運命を持った
彼らの願いをなんとかかなえようと必死で自分
なりの努力をする。しかし、彼らも生きつづける
希望を失うとスイッチを押していく。
 最後には悲しく驚くような展開が待っていた。
最後に残った女の子には兄がおり、なんと
それは主人公の監視員であり、国から選定
されスイッチを持った運命の子だったのだ。


遺伝子の研究が進むとどんなことが可能になるのだろうか。
そんなことを考えた。ジョージ・オーイェルの『1984年』、
オルダス・ハックスレーの『すばらしい新世界』のような
世界がくるのもそう遠くはないような気がする。

こうしたことを人間が希求せざるをえないのも遺伝子の
仕業か。