自己と他者 

自己理解、そして他者理解のために
哲学・ビジネス・雑記・洒落物など等

アニメ 三浦しをん『風が強く吹いている18』

2019-02-20 22:03:56 | システムメモ

心に残りました。

 

「なんだっ、留学生いれているのか~」

「わかる~、日本人で勝負してほしい奴な~」

とこれ見よがしに本人らを前にして口走る心ない通りがかりの男性二人組

「どうせっ 大学が宣伝目当てで金だしてんだろっ」

そこで、納得いかない顔をする翔(かける)に言う

「素人の言葉だ 惑わされるな 察しはつく」「あっ」

「ずっとくすぶってきた批判だ」

「気にしなくていい理由は、二つ」明快に語る

「一つは留学生を入れるのはずるいという理屈そのもの」

「なら、オリンピックはどうする?」

「身体能力に個人差があるのは当然だ」

「そのうえでなお、スポーツとは平等・公正なものだ」

「不平を訴えるものは 同じ土俵で同じ競技を戦うことがどういうことかわかっていない」

「そしてもう一つ 彼らは勝てばいいと勘違いしている」

「日本人が一位ならそれでいいのか?」

「違う、競技の本質はそこではない」

「たとえ、俺が一位になっても」

「自分に負けたと感じれば、それは負けだ」

「タイムも順位もめまぐるしく変わるこの世界で」

「何をもって一番なんて決められる」

「それ以上に大切にしたい理想や目的があるから」

「走り続けているんじゃないのか?」

 何のために走り続けるのか?俺もわからないと

キャプテンのハイジは語った。それを探しているんだ。翔はどう思う?


クレイジーで行こう!グーグルとスタンフォードが認めた男、水道管に挑む

2019-02-17 20:56:01 | システムメモ

著者名 :加藤 崇

書籍名 :クレイジーで行こう!

出版社 :日経BP社

発刊日 :2019年1月15日 

価 格  :1600円プラス税 p287

ジャンル:経営、ベンチャー、シリコンバレー、AI。

読 日 :2019年2月15日

経 歴 :日経ビジネスで世界を動かす日本人50に選ばれる。1978年生まれ。早稲田大学理工学部(応用物理学科)卒業。元スタンフォード大学客員研究員。東京三菱銀行等を経て、ヒト型ロボットベンチャーSCHAFTの共同創業者(兼取締役CFO)。2013年11月、同社を米国Google本社に売却し、世界の注目を集めた。2015年6月、人工知能により水道配管の更新投資を最適化するソフトウェア開発会社(現在のFracta,Inc.)を米国シリコンバレーで創業し、CEOに就任。2018年5月に株式の過半を栗田工業株式会社に売却し、現在も同社CEO。現在、米国カリフォルニア州メンローパーク在住。2015年6月、人工知能により水道配管の更新投資を最適化するソフトウェア開発会社(現在のFracta, Inc.)を米国シリコンバレーで創業し、CEOに就任。
2018年5月に株式の過半を栗田工業株式会社に売却し、現在も同社CEO。著書に『未来を切り拓くための5ステップ』(新潮社 2014)、『無敵の仕事術』(文春新書 2016)。
現在、米国カリフォルニア州メンローパーク在住。2019年2月、渋谷にコーヒーショップ(喫茶店=メンローパークコーヒー)をオープン。

構 成 :Fractaは、エネルギーやガス管、水道管等劣化して交換しなければならない場所を見つけ、自動検出してくれる、AI技術(機械学習=コンピュータによるパターン認識技術)のロボットベンチャー。アメリカの水道管交換は結構危機的な状況で、100兆円ビジネスだそうだ。起業から仲間集め(一生懸命に日々の事業を行い、結果的に著者に自然と集まっていくようなイメージだ)、ベンチャーキャピタル等からの資金調達等。熱い著者だ。2016年のシリコンバレーから2018年の3年間の内容(日経ビジネスオンライン)。

メ モ :p118中国商の時代の湯王の言葉にあるように、「苟(まこと)に日に新たに、日々に新たに。又日新たになり」(今日の行いは昨日より新しくなり、明日の行いは今日よりもさらに新しくなるように心がけるべきである)

ラースさん「ここシリコンバレーでは、自分自身をいつも、再定義し続けるということが大切なんだ。そうしないと、やがて変化に取り残されてしまう」※ラースさんはこの書籍にも登場し、著者に事業を一緒にやろうと誘われ、翌日には現職を退職し、著者と開拓に奔走した方。

 ルービックキューブ的アプローチという表現が面白い。ゴールに向かって、とにかく回転させてみて、回転させながら何となくコツをつかんでいく感覚。考えてから行動、ではなく、行動しながら考えるということの比喩。

最後の方のCVC(コーポレーションベンチャーキャピタルに対する問題意識はなかなかに勉強になる。)

 

 


寓話『3人のレンガ積み』

2019-02-15 00:17:47 | 小説以外 

著者名 :村山 昇

絵    :若田 紗希

書籍名 :働き方の哲学

出版社 :ディスカバートゥエンティワン

発刊日 :2018年4月25日 第3刷(2018年3月25刷) 

価 格  :2700円プラス税 p263

ジャンル:仕事・キャリア・労働・人生・働く

読 日 :2019年2月15日

経 歴 :キャリアポートレートコンサルティング代表。HPを見たがこの本が大好評で、研修で引っ張りだこになり、いったん停止しているそうだ。

寓話:3人のレンガ積みの話。

           何をやっているんだい?

①    一人はこう答えた、レンガを積んでいる

②    二人目はこう答えた、金を稼いでいるのさ。

③    そして三人目、後世に残る大聖堂を造っているんだ。

観を育てる。解釈の違いが成長を分ける。解釈の違いは意志・意識からくる。意志・意識は言ってしまえば、物の解釈、物の見方・とらえ方だ。松下幸之助さんも重要視している、『ものの見方・考え方』(PHP文庫の本のタイトルになっている)と同じだ。あるいは、稲盛和夫さんの『生き方』等もそういうものに近いだろう。

①    作業としての仕事

②    稼業としての仕事

③    使命としての仕事

仕事とは、物事や状態を①増減させる②変形・変質させる③創出する

これらのいずれかである。

仕事とは、Input →自分(価値創造回路)→Outputである。

 

そして、数年後、①~③の人たちはどうなっただろうか。

①    相変わらずレンガを積んでいる人

②    木材切りの現場で、のこぎりを手に働いている。日銭はいいが、ノルマがキツイ

③    真摯な働きぶりから、町役場に職を得て、今、水道計画を練っている。あの山に水道橋をつくって、町が水で困らないようにしたい。と言って働いていた。

 

 

 


山崎豊子『約束の海』

2019-02-06 23:00:39 | 小説

著者名 :山崎 豊子

書籍名 :約束の海

出版社 :新潮文庫

発刊日 :2017年6月 第4刷(2016年8月1刷) 単行本は2014年2月刊

価 格  :670円プラス税 p436

ジャンル:小説

読了日 :2019年2月1日。

構 成  :全3部(上中下という分け方だろうか?)を想定していたが、1部を書き終えたところで亡くなられ、本作が最後の遺作となった。

           1潜水艦くにしお

著者である山崎氏は、実在の人物、初めて武器を持たない戦争をした花巻和成(本名:酒巻和男(パールハーバーで日本人で最初の捕虜となった))について強い興味を持ち取材。朔太郎は、小説における著者の創造の人物で花巻の息子であり主人公として描く。

           2展示訓練

           3衝突事件

           4海難裁判

           5去るべきか

           6巻末のいわゆる取材ノートが面白い。「私の小説は高層建築のようなものなので、予め設計図をつくっておく必要があるのです。」

経 歴  :大阪市生まれ。京都女子大学国文科卒業。毎日新聞大阪本社学芸部勤務。その傍らで小説を書き始め、

1957年『暖簾』をリリース。

翌年『花のれん』で直木賞受賞。作家に。

医療業界を描いた『白い巨塔』

日本の軍部を裁く東京裁判を描いた『二つの祖国』

『大地の子』

『沈まぬ太陽』

2009年ジャーナリストを描いた『運命の人』を刊行。毎日出版文化賞特別賞

2013年『約束の海』が遺作となった。巻末に記載があるが、文字通り、死ぬまで書ききった人生となった。 

 

あらすじ:主人公は花巻朔太郎。日本人で初めて捕虜となった花巻和成が父親。花巻は家族の反対を押し切り、防衛大学校を卒業後に潜水艦乗りとなる。そして自衛隊潜水艦くにしおに乗艦していた折、民間船と衝突。海難裁判(二度と起こさないようにするための原因究明目的の裁判で罪を裁くわけではない)になり、世間の注目を浴びることに。一方で、朔太郎は、先輩である原田と共にたまたま出会うフルート奏者の頼子とやがてひかれあう。だが、朔太郎は、事故で亡くなった遺族を周るうち、同年齢で亡くなった子供の親の気持ちを知り、いたたまれなくなり、一時は、自衛隊の辞職さえ考える。しかし、元海軍で日本人で捕虜となった経験を持つ父親と話をし、また再考する。父の残した詩を以前にたまたま見てしまった朔太郎は、父親についてもっと知りたくなるのだった。

父親が潜水特攻の際に詠んだ辞世の句と思われる「櫻花 散るべき時に散らしめよ 枝葉に濡るる 今日の悲しみ」。