自己と他者 

自己理解、そして他者理解のために
哲学・ビジネス・雑記・洒落物など等

ツォツィ

2008-06-21 18:28:49 | 映画

監督・脚本:ギャヴィン・フッド

南アフリカで生まれ、UCLAで学び、

南アフリカに戻って精力的に作品を作っているかただそう。
主人公 ツォツィ:プレスリー・チュエニヤハエ
 ⇒不仲な両親のもとで育ち、愛情不足に育ったためか、
 荒れた生活を送り、有る日、銃で子持ちの女性を撃ち、
 車を盗むも、その後部座席には、撃った女性の赤ん坊が。
 そこから、物語が展開。
ミリアム:テリー・ペート
 ⇒赤ちゃんを通じて主人公と親しくなっていく。夫に先立たれ、
 赤ん坊と縫製をしながら暮らす。
 
 南アフリカ共和国は、61年までUKの植民地で、離脱してからも、
アパルトへイトという人種差別・隔離政策によって、白人優位の社会が
公然と形成された国である。世界でもっとも格差が激しい国の一つだろう。

階段まで、ヨーロッパ人専用、非ヨーロッパ人専用と二つあったのですから、最悪な政策です。

また、この政策をすすめた少数派白人構成の政府が、(この政策)が延命した理由には、アメリカやヨーロッパの有力各国の存在があるようなのです。なぜなら、金や希少金属などの鉱物資源がこの国にはあったからだそうです。

(資料『世界史研究』山川出版による)。

格差どころか、有色人種を隔離していた国ですから、すごいですね。

 テンポのいい曲と、高層ビルが立ち並ぶ都市とほんの少しはなれた
 ところに存在するスラム街。
 よく撮影できたなーと思いました。

内容は、すこぶる面白い。あれくれた生活を送っていた若い男が、赤ん坊をきっかけに、その赤ん坊をまだ幼かった頃の自分と重ね、そして人間と正面から向き合うことで、人としての感情を取り戻していく。感動しました。

ツォツィ(公式ホームページ)


『フラジャイル』

2008-06-15 21:22:52 | 小説以外 

強くなければ、優しくできないし、

脆さもないと、優しさも出てこない。(By Mr.Children guiter 田原建一 )

妹が持っていた雑誌を見ていたときに、突き刺さった見出しの言葉。

で、今日購入した本が、松岡正剛著 『フラジャイル』(ちくま学芸文庫)

徹底的に弱さという本質的な意味を探っている本。

frajile とは、壊れやすい、とか脆いという意味(ジーニアス英和辞典)。

いったい、弱さとは何たる感覚か。

強さの反対???それとも田原建一氏の言うとおり、強さの一部分なのか???

自分は現段階で、弱さ、脆さについて感じているのは、田原氏のいうものであるそれだと思うのだが・・・。根拠は、強さとは、それ相当の修羅場、痛み、経験(自分が弱いと感じた、認識したところからそれを乗り越えた体験の蓄積)の裏づけがあってこそのものだと思うから。


町田康『くっすん大黒』

2008-06-15 15:20:37 | 小説

(文春文庫)

これは分類が難しい。

話の内容はつまらぬくないが、陰気くさい。この陰気臭さを極めると面白さ、果ては笑いに代わることに読んでいて気づいた。新発見。

大黒とは、人形のことで独立(たたずかすめただけですぐ倒れる人形のこと)せず、部屋に昔から置いてあって、主人公(これはたぶん著者本人と言ってよいのではないか)がその人形のニヤニヤした面になんだかむかついて、捨てることを思いつくが、こんなものを捨てると近所のおばば共の間でよからぬ噂となると勝手に思い込んで、人がいないところに不法投棄しよう、と考える話である。

この本は、友達から借りた本なのだが、何でこの本を購入したのか今度聞いてみることにしよう。まーなんとなく、理由はパンクつながりのような気は・・・・。


リクルート

2008-06-08 14:25:33 | 映画

映画リクルート

監督 ロジャー・ドナルドソン

主演 コリン・ファレル(役:ジェイムズ・クレイトン)、アルパチーノ(役:ウォルター・バーク)、ブリジット・モイナハン(役:レイラ・ムーア)

2004年初公開

MITでTOPクラスの頭脳を持つ卒業年次学生で、デル入社に確かな手ごたえを感じていたクレイトン。
だが、父親(石油大手企業に勤めていたがペルーにおける飛行機墜落で事故死)のなぞを知るCIAのリクルーターであるバークの巧みな誘いを受け、父親の事を知るためにクレイトンは、CIAの採用試験を受けることに。

ファームと呼ばれるCIA秘密養成場で、訓練を受けるも手段を選ばない内容に、疑問を持つようになる。
また採用試験会場で眼のあったクレイトンとレイラは互いに惹かれあうことになる。

バークのクレイトンへの指示とレイラへの指示が交錯しあい、途中で何が何だか観てるほうも、狐に抓まれた状態になる。

ちなみに、アルパチーノの略歴を調べていたところ、
アクターズ・スタジオ出身なのはうなずける。だが、
武器密輸で逮捕歴がある、とあったが、本当だろうか・・・。
しかし、何のために。役作りのため???そこまでやるか???


ロード・オブ・ウォー

2008-06-01 00:06:04 | 映画

主演 ニコラス・ケイジ

自身で武器商人としての才能を見いだし、善悪、右派、左派、関係なく、金や金に変わるダイヤやコカインなどの支払い能力を持っている相手に、時に密輸をして武器を欲す者もとへ送り届ける。冷戦が終了し、武器が不要になったロシアから安く買い叩き、アフリカを中心に売りさばいて、富を築いていく。そして、美しい妻、かわいい子供を得るが・・・・。

日本でも山田洋行と防衛庁の次官との関係で、ちょっぴり顕になった武器商社。

主人公は、最後には、大切なものを全て(武器商人としての才能以外)失うが、ビジネスとして割り切れるものなのだろうか。

暗に矛盾するアメリカを、そして人間を批判している映画。