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建築士会、TOUKAI-0事業

今回は、耐震制度に対する私の意見を書きたいと思います。

1)無料診断制度は廃止すべきではないのか。

私は、以前から主張していますが、現在の県による無料耐震診断制度は一旦廃止すべきだと思っています。

無料耐震診断といっても診断者には、3万円というお金が県から支払われます。おおまかな説明ですが3万円は、建築士会ややいづ耐震協といった団体が一部受け取り、残りを診断者が受け取るという仕組みです。

単純に100件の無料診断を実施した場合、300万円の税金が投入されるわけです。

次に300万円の税金を投入して、耐震補強に結びついたのは何件だったのかということが重要になります。私の記憶では、それでも1%程度だった記憶があるので、100件中1件だけ実施という計算になり、1件補強工事を実施してもらうのに297万円というお金を使ったという解釈もできます。(この解釈は極端ですが)

ようするに私が言いたいのは、もっと効率的な方法はないのかと。民間企業でしたらこのようなやり方では倒産します。

2)目的の相違

私は、県のTOUKAI-0事業は耐震補強を実施してもらうことが目的と考えてます。つまり、無料耐震診断実施は通過点でしかないというわけです。

ただ、どうも県にしても私の地元焼津市としても無料耐震診断の実績数ばかり気にして、肝心の補強実績については重要視していない印象をもちます。これも勝手な印象ですが、無料耐震診断から耐震補強工事に結びつく割合が少ないことをもって深刻に考えて改善策を考えるよう診断者側に呼びかけるぐらいはやってもよさそうなのにと思うのです。

3)依頼者が知りたいことは耐震性が有るか無いかではない。

そもそも依頼者は、自分の家が東海地震に耐えられるだけの耐震性がおそらく無いだろうということくらいは覚悟しています。
つまり、診断者から「あなたのお宅は倒壊する可能性があります。」ということを指摘されなくてもその程度の情報はもっているわけです。

依頼者が知りたいのは、信頼できる精度の高い診断によって得られた現在の耐震性と改善策、改善策に必要な費用です。

どの程度の地震に耐えられそうなのか、補強したらどの程度の地震まで耐えられそうなのか、なるべくはっきりした情報を手に入れたいと思っているのです。

私の経験上、特に精度の高い診断については、多少金額が高くても実施してもらいたいと考えているようですし、改善した場合に得られる耐震性(工事前と工事後の耐震性の明確な差)も知りたいと考えている方が多いです。

何より根本的な点として信頼できる人に依頼したいという気持ちが大変強く、信頼できると判断するためには、依頼者が納得できる説明や診断方法が必要不可欠になります。

今の無料耐震診断でその信頼が得られるのか疑問です。

4)これからの耐震事業

これからの耐震事業は、無料耐震診断制度を廃止し、耐震精密診断に対する補助金を2/3から4/5に向上させ、耐震補強工事に対する補助金も標準額30万円を40万円か50万円程度に引き上げた方が効果があると思っています。
無料耐震診断に使われていた予算があるわけですから不可能ではないでしょう。耐震精密診断の相場が15万円程度ですから自己負担は3万円程度です。3万円の自己負担で耐震診断をやってもよいと思ってもらえるような工夫は各業者が知恵を絞れば良いだけの話です。

さらに安くて効果的な耐震補強を開発したいと考えている業者に対して、開発費(性能数値を出すための試験費)の一部を補助するといった耐震補強のコストダウンを図ろうとする人への補助という支援も実施してもらいたいと思っています。

そして、各市町村窓口では特定の業者は斡旋できないが、診断士の登録を受けた人の名前と特長などの情報が記載された名簿から業者を選んでもらうといった仕組みにして、窓口に相談にやってきた人への対応を行ってはどうでしょうか。

本来、この事業の期限そのものが5年間だっと記憶しています。その後、問題点を改善しないまま延長を繰り返しただけですから根本的な改革を断行してもよいと私は考えます。。
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