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耐震補強について考える④「柱の上には梁(はり)があるとは限らない」

壁の補強は効果がありますし、耐震補強を考える上で重要であることは以前に書きました。ただその壁の梁が必ず通っているとは限りません。
梁とは、屋根や上階の床の重さを受け支えるために、柱上に渡される横木の総称です。木造軸組工法における重要な部分です。これを支えていない柱を補強してもあまり意味がありません。

木造住宅構造について

この梁の位置を把握することも補強を検討する上で必要なことなのですが、なかなか困難な場合があります。特に2階建ての場合は難しいですね。目視調査できない場合が多いですから。
実は、補強工事中に梁が通っていないことがわかりびっくりするときもあります。不確定要素は常に覚悟していなければなりませんし、柔軟に対処できる知識となによりも技術が耐震補強工事では必要です。大工さんも図面どおりに仕事をすればいいと思うのではなく、作業中にこれはまずいと思った点があれば建築士に相談して改善するぐらいの心構えがないとまずいですね。

梁や桁といったものについては、耐震診断では総合評点の対象となりません。ですけど壁は何のためにあるのか、柱は何のためにあるのかを考えれば梁や桁の存在は無視できないことは当たり前のことといえばそれまでだと私は思います。偏心率も水平抵抗力も確かに重要ですが、天井の上がどうなっているのかを考えることもまた重要であると補強工事を重ねるたびに痛感します。耐震診断というのはあるひとつの目安であってそれだけで判断するのは大変危険でしょう。建築士だけでなく経験豊かな大工職人の意見も重要です。

案外、建築士より大工の方が的確な意見をいうことがありますし、私も父が大工なので父の意見に従うことが診断でも補強でも多いですね。理論は確かに必要ですが、理論倒れになりそうで嫌ですから実践側の意見は大切にしたいです。理論(または知識・情報)と実践との間は、天地の開きがあることは周知のことですが、その場合にどちらを是をするかが耐震診断・補強でもポイントになります。
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